8月第3週までに、いくつかのアルトコインで取引所準備金が急減した。これは、投資家が蓄積や取引所外での保有を強めていることを反映する。アルトコイン市場が選別色を強めるなかで、この傾向はより際立っている。
具体的にどのトークンで蓄積が進んでいるのか、また投資家の楽観を支える要因は何か。
1. エテナ(ENA)
Santimentのデータによると、Ethena(ENA)の取引所準備金は8月第3週に13億から11.5億へ減少。約1億5,000万ENAが中央集権型取引所から流出した。
これはENAの価格が0.51ドルから0.65ドルへと30%上昇した局面で起きた。

背景には、Ethena財団による2億6,000万ドル規模の買い戻しプログラムがある。毎日約500万ドルを市場からの買いに充てる方針で、流通供給の約3.5%を削減する可能性があると指摘されている。これにより投資家の信頼感が高まった。
さらに、収益が5億ドルを突破し、USDe供給量も117億ドルの過去最高を更新するなど、成長が裏付けられている。
こうした要因がENAの蓄積を加速させ、準備金の減少を招いた。
2. BIOプロトコル(BIO)
BIOプロトコルは分散型科学(DeSci)分野の主要銘柄で、8月には265%以上上昇した。
価格上昇と並行し、取引所準備金は3億8,000万BIOから2億9,400万BIOに減少、22%以上減った。とりわけ第3週には4,200万BIOが流出し、年初来最低水準となった。

背景には、8月初めに開始したステーキングプログラムがあり、2,500万トークン以上が預け入れられた。加えて、アーサー・ヘイズ氏が100万ドルを投資したことも注目を集めた。
さらにSNS上で議論に参加することでトークン販売アクセス権を得られる新施策も導入され、新規投資家層の流入を促した。
こうした施策が重なり、投資家の蓄積を加速させたとみられる。
3. API3
オラクル分野に特化したAPI3は、8月に130%以上上昇。同時に取引所準備金は今年最低水準まで減少した。
第3週には900万以上のAPI3が取引所から流出し、準備金は1,719万に縮小した。

直接のきっかけはUpbitでの新規上場で、直後に120%以上急騰した。さらに、オラクル分野全体への注目はChainlink(LINK)のラリーで高まり、Artemisのデータでも8月の好調セクターと確認されている。
こうした流れがAPI3の蓄積を促し、価格は1.50ドル以上で安定している。
ENA、BIO、API3の3銘柄は、8月の選択的なアルトコインラリーを象徴している。広範な「アルトシーズン」は未到来だが、買い戻しプログラム、ステーキング施策、取引所上場といった固有のカタリストを持つ銘柄が資金を集めている。
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