すでにメディアで報道されたオーストラリア財務省の文書によると、暗号資産規制の枠組みがオーストラリアで実施されるのは今年以降になるとみられる。
オーストラリアン・ファイナンシャル・レヴュー紙(AFR)は、暗号資産とWeb3セクターの規制方法について、財務省がジム・チャーマーズ(Jim Chalmers)財務相と協議したことを明らかにした。
専門の政策部門はあるが暗号資産法の制定はまだ先
同紙が報じたレポートは、財務省が来年までに地元の暗号資産事業者と協議し、新しい法律を起草するとしている。これは、情報公開法のもとで公開された財務省のタイムテーブルに基づくものだ。
しかし、同レポートによると、財務省は現在、組織内に独立した「暗号政策ユニット」を設置しているとのことである。
オーストラリア政府は、過去2年間に規制を強化することで、暗号資産業界を規制する取り組みを開始している。2022年8月、時の政権はトークン・マッピング・エクササイズの開始を発表した。
チャーマーズ財務相は「(暗号資産の)開発に追いつき、消費者により大きな保護を提供する 予定」と述べている。
チャーマーズ財務大臣宛のメモによると、「財務省は、ライセンス制度の導入の遅れに失望する関係者がいることを予想している。例えば、早急な保護を求める消費者団体や、規制の正当性を求める企業などである」と記している。
規制当局は「暗号資産の冬」が続くと予想
上記レポートは、FTXの崩壊が業界に大混乱をもたらした状況において、提出されたものである。
オーストラリア政府には明らかに緊急性を問う意識はないため、最終的な法案は2025年まで通過しないかもしれない。同レポートによると、政府は今年第2四半期に協議書を発表する計画である。また、今年第3四半期には、ライセンスや暗号資産のカストディ(保管)規制に関するステークホルダーの懇談会を実施すると報じられている。
先日、ロイターは、数千人のオーストラリア人が、暗号資産のせいで、退職所得制度で数百万ドルを失うことになったと報じた。また投資家は、同国で暗号資産に賭けるためにDIY(Do It Yourself)年金資金を使って、損失を招いたと報告されている。
一方、オンライン窃盗が増加する中、オーストラリア国民は暗号資産詐欺師が好むターゲットとなっている。欧州当局がセルビアの4つのコールセンターに対して行った調査によると、オージーの富が詐欺師のお気に入りのターゲットになっているという。
(詐欺師からの)防御措置が急務であるにもかかわらず、上記レポートは、政府が今のところ暗号資産の冬を当てにしていることを強調している。また「革新的な開発の多くは続いているが、暗号資産に対する消費者と投資家の需要は、今のところ大幅に弱まっている 」と書かれている。
同国財務省の言うように、現在の市場の状況は、消費者保護と規制の心配をいくらか軽減するものだ。消費者の暗号資産に対する需要は今のところ少ないということもある。
そのため、同国内閣が最終的な提出書類を受け取るのは、今年の年末近くと予想されている。AFR紙が引用したビジネスアナリストによると、このスケジュールでは、法案が通過するのは2024年か2025年のかなり先のことになりそうだという。
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