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暗号資産でパッシブ・インカムを得る7つの方法

55 mins
記事 Eduard Banulescu

暗号資産でパッシブ・インカム(受動的所得)を得ることは、決して夢物語ではありません。少なくともこの記事の掲載時点では、すべての長期的な暗号資産の保有者が真剣に検討すべきテーマです。暗号資産は今、金融業界で主流になりつつあります。多くの暗号資産を利用したプロジェクトが次々と登場している現在、暗号資産の投資家はこの新しいチャンスの波をうまくとらえてゆく方法を知っておく必要があります。

目次:

  1. 暗号資産でパッシブ・インカムを得ることを目標にする
  2. 暗号資産が投資家のために働いてくれる理由
  3. 暗号資産でパッシブ・インカムを得るには?
  4. パッシブ・インカム獲得の戦略アラカルト
  5. 暗号資産でパッシブ・インカムを得ていますか?
  6. よくある質問

暗号資産でパッシブ・インカムを得ることを目標にする

機会費用は、あらゆる投資家にとって重要なテーマです。眠っている遊休資金は、さまざまな点で無駄になっています。しかし反対に、投資を矢つぎ早に行なったため、トラブルに巻き込まれることもあります。これは特に暗号資産の世界ではよく見られる現象です。

こうしたトラブルは、多くの暗号資産投資家に共通して起きています。暗号資産のトレードと投資は、非常に収益性が高い反面、(熟練するには)かなりの時間を要するものです。収益性が高いのは、市場のボラティリティ(変動性)によるところが少なくありません。そのため、投資家にストレスを与えることにもなります。自身のポートフォリオを把握し、チャンスを逃さない姿勢が常に求められるからです。こうした投資行動を管理するのは簡単なことではありません。

多くの投資家は、暗号資産がパッシブ・インカムをもたらすことに気づいていません。彼らに共通した手法は、ビットコイン、イーサリアム、またはその他の暗号資産を購入することです。次に、これらの資産の価値が上昇するのを待つことです。これまでの経緯を見れば、このロジックは正しいことが証明されています。しかし、それは同時に、そうした資金が凍結したまま動かないことを意味します。暗号資産が上昇するのを待つ間にも、資金力を大きく高めることができたはずなのです。しかし、現実にはそうした選択はとられていません。

パッシブ・インカムとは、デジタル資産の保有から直接得られるものです。行動を継続する必要はありません。その代わり、投資家は、最初にいくつか賢い選択を行なう必要があります。こうした方法は、複利運用、配当の再投資、投資物件の賃貸と似ています。2022年には、従来の金融セクターと競合する多数のプロジェクトが市場に登場しているので、暗号資産のパッシブ・インカムが可能な環境が整ってきています。

暗号資産が投資家のために働いてくれる理由

保有資金を遊休状態のままにしておくことは決して良いことではありません。一般の人は通常、インフレが起きると、現金を価値ある資産に変えることを強いられます。もしくは、検討する必要に迫られます。 そうした状況においては、投資をためらわない人がいる一方で、リスクが高すぎると感じる人もでてきます。

株式は往々にしてリスクが高く、そのための予備知識が必要ですから、不動産を購入することに決め、賃貸でパッシブ・インカムを得る人も大勢います。これは素晴らしいことですが、不動産管理にはまた別の難しさが伴います。

暗合資産業界では、既存の資産から利益を得ることをこれまで保有者にそれほど奨励していたわけではありません。しかし、暗号資産の流動性と分散化によって、そうしたことができる状況が生まれようとしています。分散型金融(DeFi)プロトコルが、暗号資産の姿を変えつつあるのです。パッシブ・インカムがこれまで以上に有利かつ容易に得られるようになったのです。投資家はこうした新たな機会に勇気づけられました。以下に、暗号資産に熱心なマニアが、デジタル資産からパッシブ・インカムを得られる方法を探ってゆきましょう。

暗号資産でパッシブ・インカムを得るには?

暗号資産からパッシブ・インカムを得ようとする場合、多くの方法を検討する必要があります。それぞれにユニークな特徴と、考慮すべき課題があります。他より収益性が高い方法もいくつか存在します。しかし、とるべき方法が正しく実行された場合、暗号資産の利益は苦もなく得られるのです。

レンディングとイールドファーミング(暗号資産を預けて金利や手数料収入がもらえる仕組み)は、おそらく暗号資産でパッシブ・インカムが得られる最も一般的な方法です。どちらの場合も、投資家は暗号資産プロジェクトに対して、短期間、保有するデジタル資産の一部を提供することになります。その見返りに、貸した金額に比例した報酬を受け取ることができます。

パッシブ・インカム獲得の戦略アラカルト

マイニングも人気のある方法です。現在、従来のPoWモデルのマイニングは、大半のユーザーにとっては利益の見込みが少なくなりました。その代わりとして、クラウドマイニングは素晴らしい選択肢となりえます。暗号資産ステーキングが、デジタル資産を活用するもう一つの方法です。

また、暗号資産貯蓄口座ついても忘れてはいけません。暗号資産会社で、資金を口座に預ける人は、利回りが得られます。

パッシブ・インカムのオプションは、まだあります。アフィリエイトプログラムやエアドロップも検討に値します。ブロックチェーン技術に関わる技術的な側面に興味がある人は、ライトニングノードを運営することも選択肢になるでしょう。また、ユーザーは、ステークで得られる配当付きトークンを購入することもできます。どれも検討に値するオプションです。ただしすべてにおいて十分な調査が必要です。

調査作業の手間を省くために、当社は最も収益性の高い方法のリストを作成しました。以下に、それらがどのようにインカムにつながるかを見てみましょう。

暗号資産でパッシブ・インカムを獲得する7つの方法

1.ステーキング

PoWは、ブロックチェーンのコンセンサスメカニズムの一つです。これによって、ブロックチェーンに追加される新しいデータについて、分散型ネットワークの参加者間で合意が得られます。

多くの点からみて、ステーキングは暗号資産からパッシブ・インカムが得られる最もシンプルな方法です。ステーキングは、暗号資産のマイナー(採掘者)の役割に代わるものです。また、長期的にはユーザーにとって極めて有益なものになり得ます。

利益が発生する仕組み

ブロックチェーンは、参加者がガバナンスプロセスに参加することを可能にするオープンで分散化されたネットワークです。これは、取引の検証により、中央銀行のような監督当局を持つ必要がなくなる点で重要です。ブロックチェーンは参加者をランダムに選び、検証者のランクに昇格させることができます。また、彼らはその努力に見合った報酬を得ることができます。

PoWでのブロックのマイニングで報酬を受け取る「マイナー」と異なり、バリデーター(検証者)はPoSでブロック報酬を手に入れます。バリデーターはコストがかかるハードウェアを持つ必要はありませんが、ブロックチェーン内のブロックに参加するための十分なトークンを持っている必要があります。

ステーキングでどれだけ稼げるかは、トークン自体に大きく左右されます。ステークされているトークンの価値は、時間の経過とともに上昇する可能性があります。歴史的に見ても、これはさまざまな場面で起こっています。これにはある程度のリスクも伴います。トークンの価値が下がれば、投資家の利益も下がります。最初に正しい選択をすることで、成功のチャンスは大きく広がります。

Cosmos(ATOM)tezos(XTZ)、cardano(ADA)などは、現時点で最も人気のあるステーク可能な暗号資産です。これらはすべて、大規模な暗号資産取引所で利用可能です。

ステーキングの仕組み

基本的に、バリデーター(検証者)はネットワークの有効性に貢献する見返りとして、ステークした資金に対する報酬を受け取ります。この検証の仕組みは、PoW(Proof-of-Stake)として知られるものです。これによって、ホルダー(長期的な参加者)はパッシブ・インカムを得ることができるのです。

バリデーターを選ぶシステムは数多くあり、方式もさまざまです。ブロックチェーンネットワークの中には、ユーザーが資金を預けたりコミットしたりすることを要求するものもあります。ブロックチェーンでは、そのネイティブなデジタル資産を一定量ステークしているユーザープールからバリデーターを選びます。

暗号資産のステーキングは、暗号資産から報酬を得る素晴らしい方法です。また、ブロックチェーン技術の基本的考え方もサポートしています。ステーキングに注力することは、暗号資産の長期保有者人にとって素晴らしい選択といえるでしょう。2022年時点でも、きわめて有益とみられます。

オンチェーン・ステーキングとアプリケーションレベル・ステーキング

端的にいえば、ステーキングとは、より多くの暗号資産を獲得するために暗号資産をロックアップする行為です。これはは通常、プロトコルレベル、つまりオンチェーンで行われますが、アプリケーションレベルで実現することも可能です。PoSブロックチェーンでは、暗号資産をスマートコントラクト(プログラマブルで実行可能な自動契約))と呼ばれるコンピュータプログラムに預けることができます。

この自動プログラムを使って、ブロックチェーン上の取引やブロックを処理することで、プロトコルのネイティブ暗号資産を獲得する権利が保有者に与えられます。イーサリアム2.0とポルカドット(Polkadot)のプロトコルは、このようなステーキングの形式を備えています。

ブロックチェーン上に構築されたアプリケーションやプロトコルも同様にステーキングが可能です。これらは独自のブロックチェーンを持たないものの、チェーンリンクやグラフのようなイーサリアム上に構築されたプロトコルは、ステーキングができます。これらも暗号資産でパッシブ・インカムを得る優れた方法です。

2.イールドファーミング

分散型取引所やスマートコントラクトの台頭により、2020年から2021年にかけてイールドファーミングが大流行しました。このシステムは、ネットワークプロトコルの金融資産の流動性に協力するユーザーに支えられています。

投資家は報酬を得るために、流動性プールと呼ばれるスマートコントラクトに保有するトークンを預けます。一方、流動性プールのトレーダーは、取引に伴う手数料の一部を受け取ります。こうした仕組みは、分散型取引所システムを活発化させ、トークンも投資家の報酬に結びつくものです。

どのように利益を得るか

イールドファーミングは、暗号資産のパッシブ・インカムを得る方法の一つです。これは、分散型取引所のダイナミックな運用と流動性に拠っています。取引プラットフォームでは、ユーザーはスマートコントラクトを利用できます。

スマートコントラクトの使用により、投資家は必要な流動性を確保できるので、ブローカーや他のトレーダーとの直接取引はありません。トレーダーは、投資家が流動性プールに預けている資金をもとに取引を行い、投資家の方は取引手数料の一部を報酬で受け取る仕組みです。

金利は様々な要因に左右されます。イールドファーミングのリターンは、好調なときは、人気のコインで30%の年間利回り(APYを得ることができます。それほど有名でなく宣伝に力を入れているコインの場合は、さらに高い報酬が期待できます。

しかし、この方法にはリスクがないわけではありません。まず、ユーザーは価格のボラティリティ(変動性)を考慮する必要があります。これは、人気のないコインの場合は特に重要です。さらに、ラグプル(詐欺行為)にも注意する必要があります。

イールドファーミングの仕組み

イールドファーミングシステムでパッシブ・インカムを得るには、リクィディティ・プロバイダー(LP:流動性提供者)になる必要があります。このシステムには、イーサリアムと、ユニスワップ(Uniswap)やパンケーキスワップ(PancakeSwap)などのDeFi(分散型金融)トークンが必要となるケースが多くみられます。また、同システムの利用にあたって、テザー(USDT)などのステーブルコインの保有が必要な場合もあります。

投資家がリクィディティ・プロバイダーとして分散型取引所に資金を預けると、取引所内の流動性プールの総資金に対する、預けた資金のシェアを示す「LPトークン」が転送されてきます。このLPトークンは、当該分散型融資プラットフォームでステーク(掛け入れ/預け入れ)することができ、さらに金利が得られます。つまり、1つの預け入れ金で2つの金利が獲得ができることになります。総合的にみて、2022年は、イールドファーミングは暗号資産でパッシブ・インカムを得るうえで最も人気の高い方法の1つです。

イールドアグリゲーターでパッシブ・インカムを得る

イールドアグリゲーター・メトリクス :デフィ・ラマ(Defi Llama)

イールドアグリゲーター(別名イールドオプティマイザー)は、イールドファーミングのプロセスをより円滑にするもので、暗号資産のパッシブ・インカムが簡単に得られるようになります。要は、イールドファーミングのプロセスがよりスムーズになるということです。ユーザーは、アプリケーションを使用しなくても、暗号資産のイールドファーミングによって パッシブ・インカムが得られるのです。

最も人気の高いイールドファーミング・プロトコルには、”Curve/Convex Finance”、ヤーンファイナンス(Yearn Finance)“Beefy Finance”などがあります。ヤーンファイナンスだけでもTVL(Total value locked:DeFiプロトコルに預けられた暗号資産の価値)は4億ドル近くあります【ただし、ATH(過去最高値)からはかなり下がっています】。これは、ユーザーの暗号資産のパッシブ・インカムに対する見方に大きな信頼を与えるものです。

3.クラウドマイニング

クラウドマイニングは、貸し出されたクラウドコンピューティングを使って暗号資産のマイニングを支援するものです。これには、ビットコインなどの暗号資産をマイニングするには他の誰かのコンピュータを使用する必要があるという背景があります。このシステムは、それなりの熟慮と計算がともなうものの、パッシブ・インカムを検討する価値があります。

ユーザーは、ソフトウェアのインストールや実行は必要ありません。クラウドマイニング企業では、ユーザーがアカウントを開設して、暗号資産マイニングにリモートで参加できるサービスを提供しています。このため、世界中どこからでもアクセスしやすくなっています。こうしたマイニング手法は遠隔操作のため、機器メンテナンスの必要があまりなく、エネルギーコストも削減できます。

利益をあげる仕組み

クラウドマイナーは、マイニングプールのメンバーとなり、「ハッシュパワー」を購入でき、またその対価としてサービスが受けられます。メンバーは、レンタルされたハッシングパワの量に応じて利益分配されます。

金利がどう影響するかについては、様々な要因で変わってきます。参加メンバーは、主に、日々のコストと予想される報酬をチェックする必要があります。ある楽観的なメンバーによれば、2000ドルの投資で、ビットコインを14.33 Th/sレベルでマイニングした場合、毎日約100ドルの収益が得られるとのことです。

この方法は、マイニングコインと関連コストの関係を考えると、より収益性の高いものになる可能性を秘めています。

クラウドマイニングの仕組み

クラウドマイニングは、プールマイニングと似ています。どちらも暗号資産からパッシブ・インカムを得るための優れた方法です。

プールマイニングでは、自分のCPUのリソースを追加購入するか、リソースの共有ができます。一方クラウドマイニングでは、ユーザーはハッシュパワーを購入し、マイナーは残りの余剰分を受け取ることになります。ユーザーの支払いは、最初に選んだハッシュレートに限られます。購入したハッシュレートに基づいて、マイナーが採掘した分のシェアを得ることになります。

クラウドマイニングの最も一般的なタイプは、ホスト型マイニングです。このモデルでは、カスタマー/ユーザーはマイナーの拠点でマイニング用ハードウェアをリースまたは購入することができます。ハードウェア機器はマイナーがメンテナンスします。機器の動作を保証するのはマイナーです。カスタマーはこのモデルにより、暗号資産を直接管理できます。そのスケーリングシステムにより、マイニングファームは電気代とストレージの高いコストを削減することができます。ただし、このタイプのマイニングにはハードウェア機器に多額の初期費用がかかります。

マイニングのデメリット

ビットコインの1日あたりマイニング収益:YCHARTS

マイニングによってパッシブ・インカムの暗号資産を獲得する際のデメリットは、マイニングの収益性です。マイニングの収益性は、マイナーのキロワット時(kWh)あたりの収益によって計算されます。マイニングコストがマイニングによる報酬を上回った場合、マイナーは収益を確保できません。

この問題は、多くのマイナーがマイニング開始のためにローンを組まなければならないことを考慮すると深刻です。暗号マイニングでパッシブ・インカムを得られない場合、マイナーは電源を切るか、マイニング機器装置を売却してコストを賄わなければなりません。

さらに、生産性の低いマイニング機器の売却は、機器市場が非流動的なことを考慮すると、さらなる問題が発生します。クラウドマイニングはこれとは少し違いますが、しかし最終的には2~3の追加(あるいは軽減)したステップに従いマイニングすることになります。

4. 暗号資産の貯蓄口座

貯蓄口座は、暗号資産からパッシブ・インカムを得るための、保守的で一般的に安全なオプションです。ユーザーは、暗号貯蓄口座を開設することで、暗号預金のリターンを得ることができます。これは、通常の銀行が用意する金融商品と同様に機能します。

この種の利子付きデジタル資産口座は、暗号資産のサービスとしては新しいものです。その収益率は驚くべきもので、銀行利回りとの差は歴然です。ただし、ユーザーのAPYは、変動または固定期間を選択するかにより異なります。一言でいえば、このオプションは、ユーザーが長期間暗号資産を保持する予定なら向いています。銀行貯蓄よりも収益性が高いので、検討する価値ありです。

利益があがる仕組み

暗号資産貯蓄プランを考える主な理由に、高い利回りや金利が挙げられます。現時点では多様な暗号資産企業が10~20%の利回りを揃えています。銀行はこの数字に太刀打ちできません。ご存知のように、銀行金利は通常ずっと低くなります。

これらの貯蓄口座では年単位の利回りが得られます。こうした口座は、銀行と違って、暗号資産を使って利回りを見積もっています。暗号資産は変動する可能性があるので。このことは十分に留意しておく必要があります。暗号資産の変動は、年間利回りに影響を与えることにもなるので、ステーブルコインをベースにした口座開設がベストかもしれません。 

簡単にいうと、暗号資産の貯蓄口座を用意している企業は、すでにさまざまなタイプの顧客のニーズを考慮しているのです。ですから、ユーザーは、資産の変動に対してより大きな保護が期待できる口座を選ぶことができます。また、価格の変動を念頭において、より大きな利益を得る試みもできます。

暗号資産貯蓄口座の仕組み

暗号資産貯蓄口座の運用は非常に簡単です。ただし、現金の引き出しについては、利用可能なオプションについて考えておく必要があります。貯蓄口座からの引き出しには、変動または固定期間が設定されています。固定期間の場合は、一定期間、口座保有者の資金をロックでき、より高い利回りレートを受け取ることが可能です。その意味では、貯蓄口座は、暗号資産ステーキングの高利回りに似ています。

ユーザーは暗号資産の預け入れと引き換えに暗号資産の利息が得られます。最高金利は、ダイ(DAI)や米ドルコイン(USDC)などのステーブルコインに多く見られます。この種のシステムは、シルシウス(Celsius)や ブロックファイ(BlockFi)などの多数の暗号資産企業が提供しています。

繰り返しますが、暗号資産の貯蓄口座は、長期間暗号資産への投資を行う人に対して特に価値があるものです。すでに保有している暗号資産でパッシブ・インカムを得るには、一般に安全な方法です。

5. クリプトレンディング

クリプトレンディング(暗号資産の貸付)は、デジタル資産を無駄に眠らせないための良い方法です。これは、他の暗号資産ユーザーに流動性を提供することで、利益を得るものです。暗号資産のローン(融資)は、DeFiプラットフォームが仲介し、利息を付けて貸し手に返済されます。

デジタル通貨の貸し借りは、アーベ(Aave)やコンパウンド(Compound)などのDeFiプラットフォームで行うことができます。また、セルシウス(Celsius)などのCeFi(中央集権型金融)ネットワークも利用できます。基本として、貸し手はDeFiプラットフォームを使用して、暗号資産ローンの流動性プロバイダーになる必要があります。そしてローンが返済されると、利息による報酬が得られます。

利益があがる仕組み

2022年においても、クリプトレンディングはかなりの利益が見込めます。他のすべての方法と同様、金利は、貸し手が関わっているプロジェクトと、貸し出されるコインに基づいて変化します。現時点では、大半の暗号資産コインの通常の利回りは、3%から8%で推移しており、ステーブルコインの場合は報酬はより高くなるとみられます。一方、クリプトレンディングでは、10%から18%の金利を期待することができます。

しかし、クリプトレンディングにリスクがないわけではありません。そのため、貸し手は、関与するすべてのプロジェクトを徹底的に、適切に調査することをお勧めします。一般的には、ローンをしっかり返済してもらうことが大切です。他方、借り手は通常一定の担保を差し出しますが、これは招集期限(convenened time)にローンが全額返済されない場合、差し押さえられることがあります。

レンディングの仕組み

暗号資産を貸し出す手段は多岐にわたります。共通しているのは、手数料と引き換えに、一定期間、他人に暗号資産を貸し出すということです。こうした構造を理解していれば、利用可能なオプションを選んでローンを組む価値があります。

金利が高い、融資期間が長い、融資額が大きいなどは、ローン設定に影響します。これらの要素は通常、借り手が支払う金利を増大させます。場合によっては、暗号資産の貸し手自身がローン設定を交渉することもあります。しかし、たいては、ローンの設定はサードパーティが行ないます。

クリプトレンディングのオプション

ここでは、クリプトレンディングのオプションについて簡単に説明します:

マージンレンディング(margin lending)では、ユーザーである貸し手は資金を借りたいトレーダーに自分の暗号資産を貸すことができます。こうしたトレーダーは、資金借りによってマーケットポジションを増やせるのです。その後は利息をつけて返済されます。この場合、こうした貸借のやり取りをまかなう暗号資産サービスがあります。その際、貸し手は自分のデジタル資産を利用できるよう準備しておく必要があります。

P2P(ピアツーピア)レンディングでは、貸し手が条件/期間を選択できますが、貸出資金の量を決めておく必要があります。その後、通常のP2Pピアツーピア取引プラットフォームが買い手と売り手をマッチングさせるのと同様に、暗号資産プラットフォームが借り手と貸し手をマッチングさせます。このような貸出プラットフォームでは、貸し手は貸出設定をコントロールできます。ただし、デジタル資産を貸し出す前に、貸出プラットフォームのカストディアル・ウォレットにデジタル資産を預けておく必要があります。

中央集権型レンディングの特徴は、サードパーティの融資インフラのみに依存していることです。このシステムでは、ロックアップ期間と金利も固定されています。ですから、利息を得るには、暗号資産の資金をレンディングプラットフォームに転送しておく必要があります。

一方DeFiレンディングとも呼ばれる分散型レンディングは、その名の通り、貸し手が仲介者なしでブロックチェーン上で融資サービスが行なえます。貸し手と借り手は、プログラム可能なスマートコントラクトを使ってやり取りします。この方式では自律的かつ定期的に金利が設定されます。

イーサリアムDeFiプロトコルのTVL:intotheblock (DefiLama経由

6. アフィリエイトプログラム、エアドロップ、フォーク

暗号資産の世界には、宣伝に力を入れているプロジェクトがたくさんあります。その中には、先駆者に報酬を与えるものもあります。また、ビジネスにつながる報酬を提供するものもあります。また、新しい考え方を持ち込み、斬新なシステムを支持する人々へ報酬を提供するものもあります。こうしたプロジェクトはすべて、パッシブ・インカムを得るための素晴らしい機会となります。ただ、あらゆるプロジェクトにおいて、低リソースが求められているので、今後展開してゆくプロジェクトにおいても、多くのリサーチが必要になってきます。

アフィリエイトプログラムには多くのタイプがあります。これらの大半が、暗号資産関連の製品またはサービスに焦点を当てています。有名な取引所にもアフィリエイトプログラムがあります。こうしたプログラムでは、カスタマーにサービスを試してもらうことで、その紹介者に報酬が与えられます。

フォークとは、既存のコインが新しいチェーンに分岐することです。その際、元のコインの保有者には報酬が与えられます。

エアドロップ(プロジェクトキャンペーンにおける暗号資産やトークンの無償配布)は通常、新しいコインが形成されたときに提供されます。つまり、エアドロップは、新しい暗号資産製品を試すためのインセンティブとして機能しています。

エアドロップとフォークがパッシブ・インカムを提供する仕組み

上記方法においては、ユーザーは大きな報酬を得ることが可能ですが、すぐにというわけではありません。共通しているのは、これら3つの方法は、基本的に無料で暗号資産が得られることです。ただし、そうした報酬は、最初から途方もない価値を持つことにはならないことに留意する必要があります。こうした方法を提供する企業の目的は、自社製品の市場を拡大することです。ですから、これらの方法でうまく利益を得るには、暗号資産の今後の価値をよく見極める必要があります。

たとえば、暗号資産を使用して既存および新規のプラットフォームと頻繁にやり取りするユーザーは、エアドロップのサービス対象となる可能性が高いです。より大きなマーケティングキャンペーンの一環として、エアドロップ提供企業は開発者やブロックチェーンベースのプロジェクトで、キャンペーン会員に無料でトークンを送っています。これは製品の無料サンプルを受け取るのと同じようなものです。

それでも、こうしたイベントを調査することを忘れないようにしましょう。現在最も価値の高い暗号資産の多くは、かつてはセントレベルの価値しかなく、当時はエアドロップに類似したプログラムを通じて受け取ることができたはずです。

エアドロップとフォークの仕組み

インセンティブの機会は、それぞれ異なる条件で起こるものです。価値の高いコインのフォークでは、元のシステムに関わったユーザーに報酬を与えています。フォークの作成者は、元々のコミュニティに自分が作ったコインを普及させたいと考えているのです。

たとえば、2017年には、ビットコイン(BTC)の保有者すべてが、同量のビットコインバッシュを受け取りました。同様に、ハードウェアウォレット「KeepKey」のユーザーは、2021年に”ShapeShift2からエアドロップを受け取りました。指定された期間中にログインしたすべての”ShapeShift”ユーザーは、それぞれの暗号資産ウォレットに直接トークンを受け取りました。もっとも、これらの報酬を受け取るには、その対象者になり、報酬請求の権利を持つ必要があります。

他方、暗号資産のエアドロップは、割引クーポンや製品の無料サンプルを受け取るのとは異なります。暗号資産エアドロップは、主に受領者に資金を使うよう促すものではありません。その目的は、新しいサービスについての認知度を高めることです。しかし、そのプロダクトが大きな成功につながれば、実質的に無料で現金を受け取ることと同じです。

他方、暗号資産アフィリエイトプログラムは、新しい暗号資産のプロモーションに非常に有効です。このプログラムは、販売や取引量の増加、カスタマー基盤の拡大のために、多くの企業で利用されています。またフェイスブックやツイッターのアフィリエイトマーケティングなどのソーシャルメディアチャンネルを使用して、その目標を達成することもできます。ですから、高いコミッションレートと評判の良いプログラムを探す必要があります。アフィリエイトプログラムは、紹介者の誘いに同調してくれる多くの仲間がいる場合、高い収益が得られます。

7. 配当付きトークン

配当金とは、会社が事業で得た利益のうち、株主に支払われる部分を指します。株主が事業の発展を支援するために受け取る報酬です。配当自体は、現金または株式で支払われます。

暗号資産企業も類似の機能を持ちえます。そうした企業の中には、ユーザーが暗号資産トークンを取得することで発行企業のサポートをするというビジネスシステムもあります。暗号資産トークンは、さまざまな機能を持つことが可能です。その1つが、企業の利益に応じて投資家に報酬を与えることですが、ユーザーがトークンの価格上昇を期待しているだけのステーキングとは異なります。暗号資産の配当金を支払う企業は、ディークレッド(Decred)オントロジー(Ontology)などです。

トークンでパッシブ・インカムを得るには

他の方法と同様に、暗号資産企業の中には他より支払いがよいものもあります。ですから、調査に基づいて賢明な選択をすることが重要です。関連するプロジェクトのユーザーの中には、投資額に応じて最大年間30%の配当を受け取る人もいます。

配当付きトークンはどのような仕組みか

暗号資産の大半にパッシブ・インカムに似たサービスが付いています。ユーザーはそれを目当てに資金を出している面もあります。パッシブ・インカムは、トークンの価格上昇や投資機会という形となってもたらされることもあります。

配当付きトークンは、企業の株式所有の仕組みに似たものとみられており、具体的なロジスティクスはまだ検討の段階にあります。この方法では、会社の利益に応じて、暗号資産プロジェクトの支援者(ユーザー)に配当が支払われるようですが、会社への貢献度によって金額は異なります。

 暗号資産でパッシブ・インカムを得ていますか?

デジタル資産は、投資家に計り知れない機会を与えてくれます。当然のことですが、投資家にとっては、デジタル資産の増加にともなう適切な価格評価が最も重要なのは明らかです。しかし、そうした状況をただ待っているだけでは、暗号資産のファイナンスという面ではベストな選択ではないかもしれません。

この記事では、暗号資産のパッシブ・インカムを得るための7つの方法を見てきました。どれもビギナーと経験豊富なユーザーの両方にとって有意義なものです。暗号資産マニアは、自身の暗号資産に関わる機会費用が見過ごされるべきではないことをよくわかっています。暗号資産は、投資家をより豊かにするために働いてくれるはずです。ですから、賢明な判断と、市場調査の継続を行って、その実現に向けて歩んでいただきたいのです。

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よくある質問

ー 暗号資産でパッシブ・インカムを得ることは可能か?

暗号資産マニアは、保有しているデジタル資産から容易にパッシブ・インカム(受動的所得)を得ることができます。ステーキング、イールドファーミング、クラウドマイニング、クリプトレンディングなどの方法は、高い利益を生む可能性があります。また、利益を得るために資産を積極的に管理する必要がないのが特徴です。

ー 暗号資産で生計を立てられるでしょうか?

これは場合によります。暗号資産の運用で生活することを期待して、リスクの高い決断を下ししたり、他の収入源を手放すことがないようにしましょう。暗号資産から相応の収入を得るには、多くの資本、経験、時間が必要です。あくまで現在の収入を補うために利用するのがベストです。

ー どうすればパッシブ・インカムで1日100ドルが得られますか?

ステーキングやイールドファーミングなどの方法が、DeFi(分散型金融)ユーザーにとって極めて有益なものとなりえます。ただし、その報酬は、プログラムのタイプおよび購入する暗号資産によります。市場をよく調べて、既存の暗号資産から1日に100ドルを獲得することは可能です。

ー パッシブ・インカムが得られる暗号資産はどれですか?

いくつかの暗号資産プロジェクトで、ユーザーはパッシブ・インカムを得られる可能性があります。ステーキング、イールドファーミング、レンディングを行えば、ユーザーはアルトコインの形で報酬が得られます。報酬額は、プログラムとコインのタイプで異なります。

ー 最も高い利益が得られるパッシブ・インカムは?

多くの方法によって、高い確率でパッシブ・インカムを得ることが可能です。ステーキング、レンディング、イールドファーミングは、現時点で最も人気があります。高い利益が得られる可能性が大きいからです。

ー 最も収益性の高いパッシブ・インカムとは?

ステーキング、レンディング、イールドファーミングは、通常、暗号資産ユーザーにかなりのパッシブ・インカムをもたらします。報酬のレベルは、報酬を提供するプロジェクトとそのコインに関連する条件によって異なります。

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Takashi Higashi
国際広報、海外の先端技術調査、海外企業との提携等をこれまで行ってきました。ここ数年、暗号資産に関心を持ってウオッチしています。
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