詳細を見る

暗号資産(仮想通貨)詐欺「ラグプル」の手口と対策法を徹底解剖

16 mins

ヘッドライン

  • 仮想(暗号)通貨詐欺ラグプルとは、プロジェクトを立ち上げ、投資家から資金を集めた後、プロジェクトを中止して逃げてしまう詐欺のこと
  • 調査を徹底し、投資金額を抑えることや、新規プロジェクトへの投資は慎重に行うようにすることが重要
  • 2024年以降は、暗号通貨市場も回復していくことが予想され、それに伴い、ラグプルも増加する可能性がある

2023年、暗号資産(仮想通貨)市場が盛り上がりを見せる中、注意しなければならないのが、仮想通貨にかかる詐欺として知られる「ラグプル」と呼ばれる詐欺です。ラグプルとは、プロジェクトを立ち上げて、投資家から資金を集めた後、プロジェクトを中止して逃亡する詐欺のこと。

そこで本記事では、仮想通貨詐欺「ラグプル」の手口と対策法を解説します。暗号通貨に投資をしている人や、これから暗号通貨投資を始めたい人は、ぜひ最後までご覧ください。

仮想通貨詐欺ラグプルとは?

仮想通貨詐欺の「ラグプル」とは、プロジェクトを立ち上げ、投資家から資金を集めた後、プロジェクトを中止して逃げてしまう詐欺のことです。

ラグプルの「ラグ」は、「引き延ばす」という意味で、「プル」は「引き抜く」という意味です。つまり、投資家から資金を引き延ばして、最後に引き抜いてしまうという意味で、この詐欺は、特にDeFi(分散型金融)NFTGameFiなどの最先端分野で多発しています。

ラグプルは、特に監視が少ない新しいトークンや小規模なプロジェクトでよく見られます。ラグプルを避けるためには、投資前に十分な調査を行い、プロジェクトの信頼性や背後にいるチームの信用を確認することが重要です。

仮想通貨詐欺の被害状況

最近のデータでは、国民相談センターにおける仮想通貨関連の詐欺相談件数が減少していることが報告されています。

  • 2021年:6,379件
  • 2022年:5,586件
  • 2023年:624(2023年5月31日時点)

これは一定程度、暗号通貨市場が成熟し、投資家がより警戒心を持ち、情報を得る手段が増えた結果と考えられます。また、暗号通貨に関する法整備が強化されたこと、ウォレットの審査が強化されたことが原因と考えられます。

しかし、ラグプルのような詐欺は、新規プロジェクトで頻繁に発生しています。新規プロジェクトは情報が不足している場合が多いため、新しいプロジェクトに関しては、依然として高い注意が必要です。

仮想通貨詐欺ラグプルの手口

ラグプルは、大きく分けて以下の3つの手順で行われることが多いです。

  • プロジェクトの立ち上げ
  • 投資家からの資金集め
  • プロジェクトの中止と逃亡

仮想通貨詐欺ラグプルの手口①:プロジェクトの立ち上げ

ラグプルの詐欺師は、まず、新規プロジェクトを立ち上げます。名称やロゴ、ウェブサイトなどを用意したのち、プロジェクトを魅力的に見せるための大規模な宣伝キャンペーンを実施します。

この段階では、投資家に対して高い利益や将来性をアピールし、より多くの投資家を引き付けることが目的です。実在の人物や有名人などを装って、信頼性を高めようとすることもあります。

仮想通貨詐欺ラグプルの手口②:投資家からの資金集め

つぎのステップは、投資家からの資金集めです。初期段階でのな宣伝により投資家から関心を集めた後、詐欺師は投資家にトークン購入(NFTの場合もある)を促します。

資金を集めた後は、プロジェクトの開発が順調に進んでいるようにSNSなどで見せかけ、投資家をさらに引き込むことが多いです。この段階では、プロジェクトが実際に進行しているかのように見せかけるために、一部の開発活動が行われることもあります。

ここでは、プロジェクトに対する信頼を高め、より多くの人々が投資するように誘導することを目的としています。

仮想通貨詐欺ラグプルの手口③:プロジェクトの中止と逃亡

最後、一定の資金が集まった後でプロジェクトを突然放棄し、集めた資金を持ち逃げします。この時点で、多くの場合は、プロジェクトのサイトやSNSアカウントが削除され、この時点で、取引所から資金を引き出し、匿名性を保ちながら消え去ることが多いです。

その結果、投資家は資金を失ってしまい、価値のないトークンを持ち、元の投資額を回収することができなくなります。詐欺師は、プロジェクトの中止や逃亡を事前に計画している場合が多く、資金を回収することは困難といえるでしょう。

仮想通貨詐欺ラグプルの可能性が高い事例

onecoin

ラグプルの可能性が高い事例を解説します。

  • プロジェクトの開発者やチームメンバーのプロフィールや経歴が不明瞭
  • ホワイトペーパーやロードマップが不十分
  • SNSでエンゲージメントが不自然

ラグプルの可能性が高い事例①:プロジェクトの開発者やチームメンバーのプロフィールや経歴が不明瞭

ラグプルの詐欺師は、実在の人物や有名人などを装って、信頼性を高めようとすることがあります。そのため、プロジェクトの開発者やチームメンバーのプロフィールや経歴が不明瞭である場合は、ラグプルの可能性が高いと言えます。

具体的には、以下の点に注意しましょう。

  • 氏名や顔写真、連絡先などの基本情報が公開されていない
  • 経歴やスキルが具体的に記載されていない
  • 他のプロジェクトや企業での経験が少ない

利回りだけを見るのではなく、運営の身元確認にも目を向けましょう。後、高過ぎる利回りは要注意です。

ラグプルの可能性が高い事例②:ホワイトペーパーやロードマップが不十分

プロジェクトのホワイトペーパーは、プロジェクトの概要や目的、開発計画などをまとめたものです。これらの資料が不十分である場合、プロジェクトの将来性や収益性が不透明であり、ラグプルの可能性が高いと言えます。

開発計画やスケジュールが具体的に記載されていない場合、プロジェクトがいつまでにどのような成果を上げるのかが不明です。運営サイドは短期的に人が集まれば問題ないと考えていることが多いため、ホワイトペーパーやロードマップをしっかり確認しましょう。

ラグプルの可能性が高い事例③:SNSでのエンゲージメントが不自然

SNSでのエンゲージメントとは、投稿に対する「いいね!」やコメントなどの反応のこと。エンゲージメントが不自然な場合は、プロジェクトの人気や注目度が実際よりも高く見せられている可能性があります。

Xの場合、いいね数やRT数と比較して、不自然に低いエンゲージメント率などは注意が必要です。SNS上のいいね数などは購入可能であるため、表面上の数字には惑わされないようにすることが重要です。こうした不自然なSNS活動は、プロジェクトがラグプルである可能性が高いです。

仮想通貨詐欺ラグプルの対策方法

Bottom Bitcoin

ラグプルを防ぐためには、以下のことに注意しましょう。

  • 新規プロジェクトへの投資は慎重に行う
  • プロジェクトの開発者やチームメンバーの情報をよく調べる
  • なるべく少額(無料)からスタートする

ラグプルの対策方法①:新規プロジェクトへの投資は慎重に行う

ラグプルの多くは、新規プロジェクトを立ち上げて、投資家から資金を集める手口で行われます。そのため、新規プロジェクトへの投資は慎重に行うことが重要です。

新規プロジェクトへの投資は、自分の投資ポートフォリオの中で小さな割合に留めるなど、リスク管理を徹底しましょう。リスクを完全にゼロにすることは難しいですが、新規プロジェクトへの投資は慎重に行うことが大切です。

ラグプルの対策方法②:プロジェクトの開発者やチームメンバーの情報をよく調べる

ラグプルの詐欺師は、実在の人物や有名人などを装って、信頼性を高めようとすることがあるため、プロジェクトの開発者やチームメンバーのプロフィールや経歴をよく調べることが重要です。

具体的には、以下の点に注意しましょう。

  • 氏名や顔写真、連絡先などの基本情報が公開されている
  • 経歴やスキルが具体的に記載されている
  • 他のプロジェクトや企業での経験がある

これらの点が不明瞭な場合は、プロジェクトの信頼性に疑問が残ります。また、プロジェクトの開発者やチームメンバーが、過去に詐欺や犯罪歴がある場合も、注意が必要です。透明性が高く、実績のあるチームによるプロジェクトは、詐欺のリスクが低いと考えられます。

ラグプルの対策方法③:なるべく少額(無料)からスタートする

どんな暗号通貨投資にもリスクが伴いますが、特に新規トークンや新規プロジェクトに投資する場合、リスクはさらに高まります。

しかし、投資金額を最小限におさえることで、仮にラグプルの被害に遭っても、投資金額を抑えることで被害を最小限に抑えることができます。投資は、あくまでも余剰資金で行うようにしましょう。また、複数のプロジェクトに分散投資することで、万が一の被害を抑えることができます。

まとめ:仮想通貨詐欺ラグプルの事例から学び、対策を行おう

本記事では、仮想(暗号)通貨詐欺「ラグプル」の手口と対策法を徹底解剖しました。ラグプルとは、暗号通貨のプロジェクトを立ち上げて、投資家から資金を集めた後、プロジェクトを中止して逃亡する詐欺のことです。

ラグプルは、暗号通貨業界で最も悪質な詐欺のひとつです。2024年以降は、暗号通貨市場も回復していくことが予想されます。それに伴い、ラグプルのようなプロジェクトも増加する可能性があるため、被害に遭わないためには、調査を徹底し、投資金額を抑えることや、新規プロジェクトへの投資は慎重に行うようにしましょう。

ベスト暗号資産取引所

Trusted

Follow us on:

X(Twitter):@BeInCryptoJapan
Telegramチャンネル:@BeInCrypto Japan オフィシャルチャンネル

免責事項 - Disclaimers

当ウェブサイトに掲載されているすべての情報は、誠意をもって作成され、一般的な情報提供のみを目的としています。当ウェブサイトに掲載されている情報をもとに読者が取る行動は、あくまでも読者自身のリスクで行うものとします。「Learn」サイトでは、質の高い情報を提供することを第一に考えています。私たちは、読者にとって有益な教育的コンテンツを特定し、調査し、作成するために時間をかけています。この基準を維持し、素晴らしいコンテンツを作成し続けるために、私たちのパートナーは、私たちの記事への掲載に対して手数料を支払う場合があります。しかし、これらのコミッションは、偏りのない、誠実で有益なコンテンツを作成するためであり、私たちの活動プロセスに影響を与えることはありません。

Frame-2204.png
Ikkan Kawade
2020年よりBTC投資をはじめる。同時に、暗号資産ブログとSNSの運用を開始。DeFiでの資産運用・Play to Earnゲーム・国内NFTへの投資も積極的に行う。メタバースに深い関心があり、「メタバースへの移住」が目標。
READ FULL BIO
スポンサー
スポンサー