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DeFiレンディング・プロトコルにおけるリスクの特定と探索

20 mins

DeFiプロトコルとは、銀行などの仲介者を介さずにユーザーが暗号資産(仮想通貨)を借りたり貸したりできる分散型金融プラットフォームです。これらのプロトコルでは、借入者は保有する仮想通貨を担保として、ローンを取得することができます。担保はプロトコルによって保持され、ローン返済後には借入者に返されます。一方で、貸出者はプラットフォーム上の借入者に仮想通貨を貸し出すことで利息を獲得することができます。

そこで本記事ではDeFiレンディング・プロトコルにおけるリスクについて詳しく深堀していきます。DeFiの運用を検討中の人は、ぜひ最後までご覧ください。

DeFiでリスク管理することが重要である理由

DeFi市場に限らず、金融サービスにおいてはリスクの監視と管理が極めて重要です。最近のDeFi市場での事件は、リスク管理がセクターの成長を刺激する上で不可欠であることを示しています。DeFiエコシステムの成功には、ユーザーとプロトコル双方がリスク管理を基本要素として優先する必要があります。

DeFiで発生した攻撃の大半は技術的な問題が原因でしたが、経済的リスクの方がより大きな損失をもたらしました。総じて、経済的リスクは複雑になり得ますが、特定の指標を観察することで管理が可能です。具体的には、プロトコル内の流動性の変化、アクティブな清算人の参加、クジラと呼ばれる大口投資家の活動、そしてユーザーのレバレッジ率に注目しましょう。さらに、ユーザー自身も経済的リスクから身を守るための対策を取ることができます。

本稿では、IntoTheBlock社のRiskRadarプラットフォームが提供する指標を用いて、アクティブなリスクモニタリングの例を紹介しています。なお、指標で示されているデータはBenqiプロトコルのものです。

DeFiレンディングにおける清算と貸出の重要指標

DeFiレンディングプロトコルにおいて、「清算」はプラットフォームの安定性と健全性を維持する上で重要な役割を果たします。DeFiレンディングでは、借り手は通常、融資を受ける際の担保として自分の仮想通貨保有分を利用します。もし担保の価値が一定の水準を下回ると、借り手のポジションは過少担保状態になってしまいます。

プロトコルで債務不履行や不良債権を防ぐために、DeFiレンディングプロトコルは過少担保になったポジションを清算します。清算では、プロトコルは借り手の担保をオープンマーケットで売り払い、融資の返済にあてます。

全体的に、このプロセスは貸し手の預金が安全であることを保証し、プラットフォームの支払能力を維持するのに役立ちます。

DeFi
 リスクレーダー:
IntoTheBlock

リーダーボードに示されたデータを確認することで、プロトコルは清算人のパフォーマンスを評価し、傾向を把握することができます。例えば、どの清算人が最も実績を上げているか、どのタイプの担保が最も頻繁に清算に巻き込まれているかを把握できます。このデータは、プロトコルの清算プロセスの調整に活用できます。具体的には、実績上位にインセンティブを与えたり、特定の資産に対する担保要件を調整したりすることが考えられます。

貸出指標

貸出活動は、DeFiレンディングプロトコルの健全性と成長度を評価する上で重要です。活発な貸出活動は通常、信用需要が高いことを示しており、プロトコルの成長にとってポジティブなサインと考えられます。

また、貸出活動を監視することで、プロトコルはリスク管理を行うことができます。例えば、単一の資産や借り手に過度に依存していないかなどの潜在的な問題を特定することが可能です。貸出活動を把握することで、プロトコルは貸出方針と担保要件を調整し、リスクへのエクスポージャーを管理することができます。これにより、プラットフォームの支払能力を維持します。

健康度分布指標

健康度分布指標は、ポジションが清算される可能性がどれくらいあるかを追跡します。健康度が1を下回ると、清算されてしまい、借り手は損失を被ります。健康度分布指標は、特定の健康度範囲にいる借り手の割合を示し、循環融資は除外されます。

この指標は、プロトコルの借り手の分布状況を分析するのに役立ちます。もしも多くの貸出者が低い健康度にある場合、大規模な清算が発生する可能性が高く、プール/プロトコルの支払能力が危うくなります。

DeFi
 リスクレーダー:
IntoTheBlock

この指標は、預金者と清算人の双方にとって貴重な情報源となります。清算リスクのある融資が増えると、預金者がプロトコルに投資するリスクが高くなります。一方、清算人はこの情報を有利に活用できます。特に市場が変動しやすい時期には、この指標は大きな清算が発生しそうな場所を予測するのに役立ちます。

さらに、健康度の分布がバランスが取れていることは、プロトコルの融資が借り手の間でより分散していることを示唆しています。そのため、すべての融が一斉に清算される可能性が低くなります。これは分散化された融資ポートフォリオを示しており、DeFiレンディングプロトコルにとって一般的にポジティブな属性と見なされます。

健康度分布が高いDeFiレンディングプロトコルは、預金者にとってより安全と考えられます。なぜなら、大規模な清算が発生する可能性が低くなるからです。このような大規模な清算は、分散型取引所でのスリッページにより、清算人にとって利益が出ない場合が多くあります。したがって、高い健康度分布は、預金者がプロトコル内での自分のポジションに対してより自信を持つことができるようにするはずです。

DeFiレンディングにおける貸出指標

DeFiレンディングプロトコルにとって、流動性は健全性のかなめです。ネット流動性フロー指標は、プロトコルへの流入、流出、そしてその差額であるネット流動性を監視し、この指標は、プロトコルの発行者が対応を取るべき潜在的な流動性リスク要因を特定するのに役立ちます。

例えば、資金の大規模な流出は、ユーザーがプロトコルの安全性を懸念して資金を引き出している可能性を示唆しており、流動性危機につながるおそれがあります。逆に、巨額の流入は、プロトコルの安定性と安全性に対するユーザーの信頼を示していると考えられます。

リスクレーダー:
IntoTheBlock

この指標は、ユーザーのアクションを促す可能性のある潜在的な流動性リスクをプロトコルが特定するのに役立つ貴重な情報を提供します。プロトコルは問題に応じて、リスク管理戦略の必要​​な調整を行い、不良債権から身を守るための対策を講じることができます。例えば、担保要件の引き上げを検討したり、融資の貸し出しLTV比率を下げて、リスクへのエクスポージャーを最小限に抑えることも考えられます。

クジラの動向を追う

貸出プロトコルにおいて、クジラと呼ばれる大口投資家の動向を追跡することは重要です。なぜなら、こうした大口投資家は市場に大きな影響を及ぼす可能性があるからです。彼らの行動は、プロトコル内での資産の需給関係に影響を与え、他のユーザーにとっての変動性や潜在的なリスクをもたらす可能性があります。貸出プロトコルは、クジラの活動を監視することで、潜在的な市場動向に関する洞察力を得て、それに応じてリスク管理戦略を調整することができます。

この指標は、DeFiレンディングプロトコルにおける大口預金者の貸出、返済、清算などの活動を監視します。大口トレーダーの戦略とその意図を分析するのに役立ちます。

クジラの信用履歴:IntoTheBlock DeFi リスク レーダー

上記の指標は、Benqiプロトコルにおける最大ユーザーの借り入れパターンに関する洞察を提供しており、不良債権を防ぐために役立ちます。このデータを確認することで、プロトコルとユーザーは、少数のユーザーへの過度依存や過剰な借り入れなど、貸付ポートフォリオにおける潜在的なリスクや脆弱性を検出することができます。

レバレッジ指標

レバレッジレンディング戦略とは、借りた資産をプロトコル内で再貸し出しし、さらに借り入れを繰り返すような戦略です。これにより、プロトコルの負債を再抵当化することになります。このタイプの戦略は、特定の資産に対してより多くのトークン報酬を獲得するために、DeFi分野で人気が高まっていますが、清算を防ぐために市場状況や金利変動を常に監視する必要があるため、リスクも伴います。

レバレッジレンディング供給シェア:
Into The Block Risk Radar

DeFiにおけるレバレッジレンディングの割合を把握することは、プロトコルの安定性と利回り獲得の可能性を評価する上で役立ちます。レバレッジレンディング戦略から得られる流動性の割合は、プロトコルが預金者を引き付けるためにインセンティブにどれだけ依存しているかを示す指標となりえます。

レバレッジレンディングの割合が高い場合、流動性がそれほど安定しておらず、長期的なプロトコルへのコミットメントではなく、短期的な利回り獲得のための「ファーミング」が横行している可能性があります。

さらに、レバレッジレンディング戦略によって供給される流動性の割合は、DeFi内で発生する利回りの水準を示す指標としても機能します。これは、投資機会を評価する際に貴重な情報になります。

DeFiレンディングを理解し、リスクに注意する

DeFiは絶えず進化しており、この記事で説明したような適切なツールは、エコシステムを正しい方向へ導くのに役立ちます。DeFiは魅力的な利回りの機会を提供しますが、同時に大きなリスクも伴います。特に高額の資金を預ける際には、これらのリスクすべてを把握しておくことが不可欠です。

一方で、業界では技術的リスクや経済的リスクを軽減するためのベストプラクティスが確立されつつあります。具体的には、監査の実施、預金管理のためのマルチシグの使用、価格フィードのためのオラクルの改善などが挙げられます。オープンソースの暗号資産が提供する透明なツールの洞察力により、業界全体が経済的リスクを強化・軽減することができます。リスクは今後も存在し続けますが、開発者とユーザーはリスクをより深く理解し、軽減するための対策を講じられるようになります。

よくある質問

「レバレッジレンディング」とは何ですか?なぜDeFiで人気のある戦略になったのでしょうか?

レバレッジレンディング戦略にはどのようなリスクが潜んでいるのでしょうか?

DeFiプロトコルが最大ユーザーの借り入れ行動を監視することが重要なのはなぜですか

DeFiへの投資にはどのようなリスクがあり、どのように軽減することができますか?

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Ikkan Kawade
2020年よりBTC投資をはじめる。同時に、暗号資産ブログとSNSの運用を開始。DeFiでの資産運用・Play to Earnゲーム・国内NFTへの投資も積極的に行う。メタバースに深い関心があり、「メタバースへの移住」が目標。
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