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英バークレイズがUbyx出資、ステーブルコイン基盤に関与へ

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執筆&編集:
Shigeki Mori

07日 1月 2026年 10:18 JST
  • バークレイズが米ステーブルコイン決済インフラ企業Ubyxへ出資し、規制対応と実用性を評価する動き。
  • 主要銀行はステーブルコインによる決済効率や既存インフラとの統合可能性を探る戦略を展開。
  • 日本は2026年を「デジタル元年」と宣言し、証券取引所経由のデジタル資産普及や制度整備を進める。
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英投資銀行大手バークレイズは7日、米国のステーブルコイン清算プラットフォーム企業「Ubyx」に資本参加したと発表した。銀行のデジタル資産関連投資が進むなか、同出資はトークン化された決済インフラの有効性や規制に対応した実装可能性を探る動きとして位置付けられている。米英の金融機関によるステーブルコイン関連戦略と、日本の政策動向を含め報じる。

バークレイズのUbyx出資とステーブルコイン活用

英国の大手金融機関バークレイズが米国のステーブルコイン決済インフラ企業Ubyxへの出資を公表した。銀行がステーブルコイン関連企業に直接資本参加する事例は欧州ではなお限定的であり、同社にとって初のステーブルコイン分野への投資となる。Ubyxは複数のステーブルコイン発行体が存在する市場環境を前提に、異なる発行体間のトークンを銀行間で清算・決済できる共通基盤の構築を目指している。

従来、ステーブルコインは発行体ごとに閉じたエコシステム内で利用されるケースが多く、銀行にとっては相互運用性や信用リスクの評価が導入の障壁となってきた。Ubyxの仕組みは、発行体やブロックチェーンの違いを超えて決済を成立させることを想定しており、銀行が既存の決済インフラと並行して利用できる設計を志向している。バークレイズは今回の出資を通じ、ステーブルコインを単なる暗号資産ではなく、トークン化マネーの一形態として評価し、法人決済や金融市場インフラへの応用可能性を検証するとみられる。出資額や持分比率は非開示だが、戦略投資としての性格が強い。

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アクロアナリストのNfoz氏は「Barclaysがstablecoinインフラ企業Ubyxに投資したのは大きな動きで、大手銀行がトークナイズドマネーの決済レールに直接投資している。規制内で進められており、GoldmanやUBSも含め大規模金融機関が多通貨stablecoinの世界準備を進めている。銀行の参入はstablecoinを正当化するが、レールを支配する可能性もあるか?」とXに投稿した。

ステーブルコインと銀行の戦略動向

銀行業界では近年、ステーブルコインを巡る戦略が「実験段階」から「事業性評価」の局面に移行しつつある。欧米の大手銀行は、自行発行型ステーブルコイン、外部発行体との提携、決済インフラへの投資という3つのアプローチを並行して検討している。特に国際送金や証券決済の分野では、即時性や24時間稼働といったステーブルコインの特性が、従来の銀行間決済網に代替・補完効果をもたらすとの見方がある。

一方で、銀行が直接ステーブルコインを利用するには、発行体の信用力、準備資産の管理方法、マネーロンダリング対策など、従来の預金や決済手段と同等以上の管理体制が求められる。このため、多くの銀行は単独での発行よりも、Ubyxのような中立的な決済基盤を通じて関与する形を模索している。バークレイズの出資は、こうした業界全体の潮流を反映した動きといえる。銀行はステーブルコインを暗号資産市場向けの特殊な手段としてではなく、将来的な金融インフラの一部として位置付け、規制当局の枠組み内でどこまで実装可能かを慎重に見極めている段階にある。

日本での規制動向とステーブルコイン展望

日本では片山さつき財務・金融担当相が5日、東京証券取引所の大発会セレモニーで年頭の挨拶において、2026年をデジタル資産の普及拡大の起点と宣言したる発言をし、ステーブルコインやデジタル資産をめぐる政策的注目が高まっている。これを受け、東京証券取引所や証券会社を軸に、トークン化証券とステーブルコイン決済を組み合わせた新たな市場設計が検討段階に入ったとの見方もある。

民間では銀行・信託会社・資金移動業者に発行主体が限定された枠組みが整備され、2025年以降は実証から商用利用への移行が進んでいる。三菱UFJ信託銀行が主導するトークン化基盤「Progmat(プログマ)」では、円連動型ステーブルコインやデジタル証券決済の実験が継続され、金融機関横断での活用を想定したインフラ整備が進む。

また、国内ではJPYCやGMOインターネットグループ傘下のGMO-Z.com Trustによる円・ドル建てステーブルコインの発行実績があり、決済やWeb3事業者向けの利用が限定的に広がっている。業界では2026年を分岐点に、実証中心だった国内ステーブルコイン事業が、資本市場や企業決済へと用途を広げる「次の10年」に移行する可能性が指摘されている。

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