バミューダ政府は20日、スイス・ダボスで開かれた世界経済フォーラム年次総会において、国家経済の中核機能をブロックチェーン上で運営する「完全オンチェーン化」構想を発表した。国家単位で経済活動を全面的にオンチェーンへ移行する取り組みは世界で初めてとされる。
この構想では、米暗号資産企業のサークルおよびコインベースが中核パートナーとして参画し、決済や資産管理に必要なデジタル資産インフラや、法人向けのオンチェーン金融ツールを提供する。政府と民間が連携し、暗号資産を基盤とした次世代の国家経済モデルの構築を目指す。
バミューダ、決済をオンチェーン化
この構想は、デジタル資産を国家の金融インフラの一部として統合し、ブロックチェーンベースのシステムを支払いなど主要経済活動に活用することを目指す。
サークルとコインベースは、全国規模のデジタル金融教育推進にも貢献し、移行を後押しする計画。
「バミューダは、責任あるイノベーションは政府・規制当局・業界の連携によって最も効果的に実現できると常に信じてきた」と、デイビッド・バート首相は述べた。「サークルとコインベースという世界で最も信頼されるデジタル金融企業の支援により、国全体でデジタル金融を実現するというビジョンを加速していく。」
また、サークルは別の声明で、バミューダの起業家精神あふれる経済がオンチェーン経済の最大の受益者であると強調した。現地企業は、手数料の高騰や商業者マージンの圧縮を招く陸上決済プロセッサーへの依存度が低いモデルから恩恵を受けることができる。
今回の発表は、同国が長年デジタル資産に取り組んできた姿勢を反映するもの。
デジタル資産政策の歴史
バミューダのオンチェーン経済への移行は、デジタル資産への政府の長年の関与を基盤とする流れ。
大きな転機となったのは2018年のDigital Asset Business Act(デジタル資産事業法)導入。同法は、同国で事業を営む取引所、カストディアン、発行者、決済業者にライセンス要件を設けた。
監督責任はバミューダ通貨庁が担い、既存の金融サービス規制基準に沿った監督体制となった。その後の法整備では、デジタル資産の発行や全国規模での報告義務にも拡大された。
また、政府機関は規制サンドボックスやパイロットプログラムを通じて、業界関係者との関与も進めてきた。この間、サークルやコインベース、バイナンスなどのデジタル資産企業が営業ライセンスを取得している。
オンチェーン経済の構想は、突然の政策転換ではなく、すでに進行中の方針の延長線上に位置づけられる。同国金融インフラへのデジタル資産融合を目指す、政府の長年の取り組みの次段階といえる。