ビットコイン(BTC)価格は、7月のインフレ率が目標を下回ったことを示す米国消費者物価指数(CPI)データを受けて反応した。これは、トランプ米大統領による関税の影響が続く中での動きであり、連邦準備制度理事会(FRB)を難しい立場に追い込む可能性がある。
7月のインフレ率、年率2.7%上昇とCPIデータが示す
米労働統計局(BLS)は火曜日にCPIデータを発表し、7月の米国インフレ率が年率2.7%上昇したことを示した。
これは、BeInCryptoが報じた6月のインフレ率と同様の数値で、当時も年率2.7%であった。予想の2.8%を下回ったものの、このCPIの結果は米国のインフレが依然として高止まりしていることを示唆する。2025年7月にはインフレバスケットの高インフレ構成比が40%に達し、年内で最高となった。
データはまた、CPI構成要素の加重シェアのうち4%以上で成長している項目が依然多いことを示しており、2022年のピーク60%からは低下したものの、根強いインフレ圧力を示す。
これらを踏まえると、関税による価格圧力がより顕著になっていることがうかがえる。ビットコインは米経済指標に反応し、11万9,000ドル近辺まで小幅に上昇した。ただし市場はすでに織り込み済みで、CPIが予想通りとなったことで反応は限定的だった。

同様に、イーサリアム(ETH)価格も上昇し、過去24時間で5%以上急伸して4,400ドルに到達。CoinGlassのデータでは、過去60分間で4,000万ドル相当のETHショートが清算されたことが示されている。
暗号資産市場がCPIの結果を消化する中、注目はFRBに集まっている。市場では、9月のFOMCで0.25%の利下げが行われる確率を90%と見込んでいる。
CPI発表前、CME FedWatch Toolは4.00~4.25%への利下げ確率を84.4%、4.25~4.50%での据え置き確率を15.6%としていた。

市場はもはや推測していない…すでに織り込み済みだ。
今回のCPIは来月のFRB会合前に重要な意味を持つ。インフレ率が2.7%であることから、9月利下げの可能性は高止まりしている。
FRBはこれまで慎重な姿勢を崩さず、2%のインフレ目標未達を理由に金利を据え置いていた。
しかし、最新のCPIにもかかわらず、労働市場の弱さによりその強硬姿勢が変化する可能性があり、FRBは難しい判断を迫られている。
9月の利下げ期待は、弱い雇用統計を受けて高まったものであり、インフレが上昇している中でも政策当局は二重の使命のため利下げを迫られる可能性がある。
- 物価の安定(インフレ目標2%)
- 最大雇用の実現
こうした背景から、アナリストはCPI発表後のビットコイン価格の反応は限定的と予想していた。
FRBは悪い雇用データのため9月に利下げせざるを得ないため、高いCPIはFRBの判断にあまり影響しない。低いCPIはむしろ自信を与える。
アナリストのマイルズ・ドイツァー氏も同様の見解を示し、FRBは9月に利下げするだろうと述べている。
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