本日、満期を迎えるビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)のオプションは、総額23億ドル以上。防御的なポジションが増加する中、BTCは7万1500ドル前後を堅調に維持し、インプライド・ボラティリティも直近の高水準から後退。
暗号資産先物の建玉は過去24時間で2%増加し、1020億ドルとなった。ただし、資金調達率は横ばいからマイナスで、累積出来高デルタも慎重な弱気筋による新たなショートポジションの積み増しによるものであり、新規ロングの増加ではない。
オプションポジション 防御姿勢に傾く
BTCオプションの建玉は2万6948枚、想定元本は19億3000万ドル。プット・コールレシオは0.97で、ほぼ拮抗しているがやや防御的に傾いている。最大ペイン価格は6万9000ドルで、現物価格をわずかに下回る水準。
ETHのポジショニングはより鮮明である。想定元本3億9400万ドル、18万6732枚の建玉。イーサリアムのプット・コールレシオは1.20まで上昇。
これはプット買いがコール買いを大きく上回っていることを示し、方向性を狙った取引ではなくヘッジ目的の動きが顕著である。ETHの最大ペイン価格は2000ドルで、現在の価格2110ドルから約5%下回る水準。
Greeks.liveのアナリストは、主要満期におけるインプライド・ボラティリティの急激な低下を指摘。月間ボラティリティ・リスクプレミアム(VRP)は1日でプラス2%からマイナス9%へと急低下した。
VRPが大きくマイナスに拡大していることは、市場参加者が今後のボラティリティが現状より低くとどまることを織り込んでいる表れ。ただし、マクロ経済リスクは拡大傾向。
2万ドルプットとその示唆
最大手の暗号資産オプション取引所Deribitでは、ビットコインの2万ドルプットに8億ドル近い建玉が集中。
このプットはビットコインがその水準を下回るとの賭けを意味し、同プラットフォーム上では4番目に人気の高い弱気ポジションとなっている。
「ビットコインは底堅いが、2万ドルのプットに8億ドル近い建玉が積み上がっている」と、Deribitのアナリストは記している。
この建玉の大半はロングヘッジ目的ではなくショートプットで構成されている。市場参加者は深くアウト・オブ・ザ・マネーなプットを売ることで、極端な価格到達確率の低さを利用し収益化している。
この持ち合いパターンは、BTCから過剰なレバレッジを排出し、次の< a href="https://jp.beincrypto.com/bitcoin-and-gold-react-to-february-cpi-data-as-us-inflation-hits-expectations/" target="_blank" rel="noreferrer noopener">マクロ要因出現時の新たな方向性の基盤を安定させる効果。
原油・債券・金融引き締めの動向
ビットコインの7万ドル台維持が試されている。伝統的市場のストレスが要因。原油価格が1バレル100ドルへ再上昇し、株式市場に動揺とインフレ懸念が再燃。
しかしより重要なのは債券市場からのシグナル。米国債30日ボラティリティを示すMOVE指数は、2月末の60未満から3月12日に21%急騰し、95.30を記録。
米国債は世界金融の価格形成の軸となる。債券のボラティリティが高騰すると、金融環境が引き締まりリスク資産に下押し圧力を及ぼしやすい。
BTCとETHのインプライドボラティリティ指数(BVIV、EVIV)は、原油高と株安局面でも安定を維持。大口デリバティブ取引参加者は主要暗号資産について、他資産への波及はまだ薄いとみている様相。
だがこの乖離は長くは続かない可能性も。米連邦公開市場委員会(FOMC)が3月17日〜18日に開催され、米国債ボラティリティが上昇基調なら、暗号資産のポジションにも波及しうる。
現時点ではビットコインは6万9000〜7万1700ドルのレンジを維持。一方で、オプション市場は参加者が方向性にコミットせずヘッジや様子見を重視している構図。