ビットコインはここ数回の取引で、激しい値動きと一時的な反発を見せたが、依然として勢いは不安定なまま。
重要な懸念材料は、ビットコインに大きな影響力を持つ層の信頼感が弱まっていることで、これが本格的な価格回復の足かせとなる可能性がある。
Sponsoredビットコイン保有者の利益縮小
ビットコイン長期保有者による売却行動が過去数日で増加した。オンチェーンデータによると、長期保有者の30日間供給変化は20か月ぶりの低水準となっている。
同様の水準は2024年4月以来で、配分圧力の高まりを示唆。
この動きは、長期保有者が残存利益を守るためにエクスポージャーを縮小していることを示す。未実現利益が減少すると、損失回避のため売却が加速する。こうした行動は新たな需要が伴わない場合、供給過多となり価格回復の重荷となる。
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マクロ指標も背景を補足する。長期保有者のネット未実現損益(NUPL)は月間最安値まで低下している。この下落は、同グループの利益が減少し、さらなる下落への警戒心が強まっていることを示す。
Sponsored歴史的にNUPLが低下すると、防衛的な売りが出やすい。しかし、指標がさらに下がると、売り圧力は鈍化する傾向にある。
そのような水準では、長期保有者の売却が一服し、ビットコイン価格が安定化し、需要回復があれば再上昇する可能性も出てくる。
ビットコインは強い材料待ち
ビットコインは本稿執筆時点で8万7900ドル付近で推移し、8万8210ドルのレジスタンスを下回っている。直近では8万6247ドルのサポートを割り込んだ後に反発した。低い水準では買い意欲も見られるが、その強さには慎重な姿勢が残る。
短期的には9万308ドルへの上昇もあり得る。ただし同水準付近では利益確定による上値抑制が予想される。長期保有者の売却が続く中で、ビットコインは8万8201ドル周辺で需給調整が進む展開が続く可能性が高い。
長期保有者による売りが鈍れば、上値余地は拡大する。売り圧力の後退が供給過多の改善につながるためだ。
その場合、ビットコインは9万308ドルを突破し、9万2933ドルを目指す展開も視野に入る。この動きが実現すれば下落仮説を否定し、主要プレイヤーの信頼回復を示すシグナルとなる。