オンチェーンデータは、木曜日の米連邦準備制度理事会の金利決定後のビットコイン価格(BTC)に対して複雑なシグナルを示している。
オンチェーン分析プラットフォームGlassnodeの最新レポートによれば、ビットコイン価格が11万5200ドルを上回ることが重要であり、この水準を割り込むと10万5500ドルまで下落する可能性があると警告している。
過去最大のオプション満期が迫る
Glassnodeのデータでは、FRBの発表後に大幅な下落懸念は後退した。現物市場では一部売りが出たものの、デリバティブ市場ではリスク回避的なポジションが増加した。
Sponsoredパーペチュアル先物のオープンインタレストはやや減少。395万BTCでピークを付けた後、現在は378万BTCまで縮小している。清算データを見ると、発表直前にはショートの踏み上げが起きたが、利下げ発表後にはロングの清算が増加している。
一方で、オプション市場のオープンインタレストは500万BTCと過去最高に達しており、ボラティリティ拡大の可能性を示している。これらの大量のオプションは、9月26日(金)に期限を迎える。
11万5200ドルを下回ればモメンタム崩壊の恐れ
Glassnodeは、ビットコインオプションの「最大ペイン価格(Max Pain)」に注目する必要があると指摘する。大規模な清算が発生すれば、現物市場に強い影響を与える可能性がある。
現在の最大ペイン価格は、ロングが11万2700ドル、ショートが12万1600ドル付近。本稿執筆時点でBTCは11万6990ドル前後で推移している。
9月のFOMC以降、オンチェーンでの取引の大半は11万5200ドル以上で行われている。Glassnodeは、この水準維持が強気継続の鍵であり、割り込むと10万5500ドルへの下落リスクが高まるとする。
総じて、11万5200ドルを維持できれば需要主導のモメンタムを維持できるが、下抜けすれば10万5500〜11万5200ドルのレンジに逆戻りする可能性がある。Glassnodeは、オンチェーン指標が示す通り、市場参加者が方向感を見極めようと待機している状況だと結論付けている。