ビットコイン価格は18日、9万ドルを割り込み、市場は調整基調が続いている。投資家の間では「ビットコインはいつ上がるのか」「急反発はあるのか」といった関心が一段と高まっている。そこで、ETF資金流動、クジラ蓄積、マクロ要因を分析し、反発時期について探った。
反発の鍵は「ETF流入の再開」か
現在のビットコイン市場で、価格の方向性を最も大きく左右しているのはスポットビットコインETFの資金流入と流出である。英国の資産運用会社Farsideが公表するフロー統計によれば、11月前半の米国ETF市場では1週間で約10億ドルの純流出が発生した。解約分に応じて現物ビットコインの売却が行われる仕組みから、こうした流出は現物市場への継続的な売り圧として働く。
米国の金利見通しや株式市場の不安定さがリスク回避姿勢を強める中、ETFが換金売りの対象となりやすい状況が続いた。そのため、価格が反発に向かうには、Farside が記録するフローが明確に純流入へ転じる局面が不可欠とみられる。
SponsoredETFフローとビットコイン価格には強い相関がある。2024年・2025年前半の上昇局面も、ETFへの大量流入によって牽引された構造である。したがって、「ビットコインはいつ上がるか」を考える上で、この指標は最重要である。
クジラはむしろ蓄積を強めている
価格が下落する一方で、オンチェーンデータでは1000BTC以上を保有するクジラアドレスが増加している。これは、大口投資家が調整局面を買い増し機会と捉えていることを示す。
ただし、クジラの買いは板には出にくく、OTC(店頭取引)で行われることが多い。したがって、クジラによる蓄積が短期的な価格上昇に繋がらない点には注意が必要である。また、ウォレット再編やマルチシグ移行により、アドレス数が増加して見えるケースもある。
それでも、長期的には「クジラが買い支えている状態」は底固めの重要要素である。
この指標が増加基調である限り、長期投資家のセンチメントは悪化していないと読み取れる。
リテール(個人)と短期勢の投げ売りが反発を阻害
現在の市場では、短期投資家の動向が価格の重荷となっている。
Sponsored Sponsored- Fear & Greed Indexが「11」まで低下
- 数百億ドル規模のレバレッジ清算
- 取引所へのBTC流入増加
これらはリテールの恐怖心理を映し出している。
短期保有者(STH)は価格下落局面で含み損を抱えやすく、損切りやロスカットが連鎖する。その結果、クジラの買いよりも短期の売り圧のほうが強く、反発が遅れている構図が続いている。
マクロ環境の転換点は「2025年末〜2026年前半」
ビットコイン価格が強く反発するためには、マクロ流動性の改善が欠かせない。特に影響が大きいのは以下の3点である。
- 米国金利の低下
リスク資産に資金が戻り、ETFへの流入も再加速しやすい。 - ドル指数(DXY)の下落
ビットコインはドルの代替資産として買われやすい。 - 株式市場の安定
株価ボラティリティが低下すると、暗号資産市場にも資金が流れやすい。
2025年〜2026年にかけて、市場では利下げ方向への政策転換が予測されている。そのため、反発時期として最も確度が高いのは「2025年末〜2026年前半」という見方が強い。
市場予測Polymarketは18日、FRBの利下げなしの確率を55%とした。
Sponsored反発が起きるタイミングを判断するための3つのサイン
では、具体的にどの指標を見れば「ビットコインはいつ上がるか」を判断できるのか。以下の3つが決定的なサインとなる。
サイン①:ETF純流入が明確にプラス転換
- 週次で数億〜数十億ドル規模の流入
- 市場がリスクオンへ回帰する合図
サイン②:取引所残高の減少傾向
取引所残高が減少すれば、売りに出るBTCが減り、価格は上昇しやすくなる。
Sponsored Sponsoredサイン③:価格がレンジ上限(10万ドル前後)を明確に突破
価格チャートの節目を超えることで、新規資金が流入し始める。
反発時期の目安は「3つの条件が揃ったとき」
結論:ビットコイン価格が上がるのはいつか?
それは次の3条件が同時に確認できるタイミングとなる。
- ETFが再び純流入へ転換
- クジラ蓄積が継続し、短期勢の売り圧が後退
- 金利・ドル指数・株式市場が安定し、マクロに改善の兆し
現状はこの条件が「まだ揃っていない」ため反発が遅れているが、オンチェーンとマクロ分析を踏まえると、反発の本命時期は2025年末~2026年前半となる。
こうした見方について、ブルームバーグ・インテリジェンスのシニアアナリスト、マイク・マクグローン氏も同様の慎重姿勢を示す。
「2025年のビットコインはS&P500に対して相対的に弱く、強気相場の勢いは明らかに鈍化している。ETF流入が強かったにもかかわらずパフォーマンスは限定的で、この流れが2026年まで続く可能性がある。ビットコインは2026年に5万〜15万ドルの広いレンジで推移するリバーション(平均回帰)リスクを抱えている」(Mike McGlone 氏)
まとめ
ビットコイン価格の反発を判断するには、ETFフロー、クジラ行動、マクロ環境を総合的に見る必要がある。「ビットコイン価格はいつ上がるのか」という疑問に対する答えは、ETF純流入が戻り、マクロ環境が好転した時期である。そのタイミングが近づけば、ビットコインは再び上昇局面に入る可能性が高い。