ビットコインが直近で下落するなか、複数の大手ビットコイン財務企業が相次いで大型購入を公表した。ストライブとセムラー・サイエンティフィックは合併し、6億7,500万ドルのBTC買いで提携を始動する。
他の主要プレイヤーも追随した。マイケル・セイラー氏はストラテジーによる9,900万ドルの追加取得を発表し、日本のメタプラネットはBTCへの6億3,200万ドルの割当を示した。
ビットコイン財務企業の安定した動向
ビットコイントレジャリー企業は、ここ数カ月、イーサリアムなどアルト需要の台頭や、アナリストによる市場リスクの警戒に直面してきた。直近でもBTCが想定外の下落を見せ、逆風が強まっている。
Sponsoredそれでも一部のトレジャリーは「方針堅持」どころか「倍増」へ舵を切る。下落以降、著名企業が次々と大型コミットを公表した。
最大手の一角であるストラテジーは、9,970万ドルの追加取得を発表。同社は株式希薄化リスクへの視線や、S&P500組み入れ見送りといった課題も抱えるが、依然として拡大戦略を崩していない。
日本の大型BTCホルダーであるメタプラネットは、過去を大きく上回る6億3,200万ドルの取得を実施。従来比で桁違いの規模となり、同社の保有は25,555 BTCに到達した。価格下落局面にもかかわらず、史上最大の購入に踏み切っている。
ストライブのパワープレー
中でも最大の一手はストライブだ。同社は保有拡大を狙い、セムラー・サイエンティフィックとの全株式合併を発表。セムラーは著名なBTC保有企業でもある。
リリースによれば、ストライブはセムラー株に210%のプレミアムを支払い、同社の「収益性の高い診断事業」の収益化を図るとともに、エリック・セムラー氏が取締役に就任する。
ただし新会社の中核は「強固なビットコイントレジャリー」だ。合併の初動として6億7,500万ドルのBTCを購入し、合併後は10,900 BTC超の保有を見込む。直近の下落を織り込んでも、現在の価格帯で約12億ドル規模に相当する。
要するに、彼らは動じていない。主要トレジャリーが揺るぎない姿勢を示し続ける限り、暗号資産市場の下支え――ひいてはセンチメント改善の呼び水――となる可能性がある。
実際、こうした「クジラ」のフローは、さらなる下落を食い止めたり、リバウンドの起点を作ったりする潜在力を持っている。