政府と日本銀行は17日、「CBDC(中央銀行デジタル通貨)に関する関係府省庁・日本銀行連絡会議 中間整理」を公表した。重要な論点としては、偽造防止措置や犯罪収益の押収方法の検討が挙げられている。
CBDCは、スマートフォンアプリやカードを通じた即時決済を通じて、日常生活での利便性を向上させることが想定されている。民間銀行が仲介する2層構造で運用されることが検討されており、現金や他の電子決済手段との共存が提案されている。この点に関して、民間デジタル決済手段は、店舗によって利用可能な決済手段が異なる場合があるが、CBDCはどこでも使用可能という決済手段としての一貫性があり、これが大きな違いとなる。
情報保護やサイバー攻撃、偽造防止も論点に
法令面では、CBDCの偽造防止や犯罪収益の押収といった刑事法的な対応が必要であること、また民法上ではデジタル通貨の所有権や移転に関する新たな規定が求められる。これに加えて、将来の技術進歩に対応可能な柔軟な法制度の構築が強調されている。特に、CBDCの所有権と移転に関しては、デジタル形態のため物理的な占有とは異なる取り扱いが必要とされ、これに適した新しい法規定の整備が求められている。
セキュリティ対策に関しては、マネーロンダリング防止措置やサイバー攻撃からの保護が最優先される方針で、不正な資金の流れや情報漏えいを追跡できるシステムの構築が進められる必要があると指摘。日銀政府は利用者情報の取扱いにおいても、取り扱う情報は必要最低限としながらもプライバシーの保護を前提に、情報の利活用と公共政策上の要請へのバランスを図る必要があるとした。
CBDC、国際的な連携も模索
CBDCの導入が世界中の中央銀行によって検討されていることを踏まえ、国際決済銀行(BIS)との協力による国際送金の実証実験への参加も進行中である。これにより、CBDC間の相互運用性や国際的な規制の調和が今後の大きな課題となる。国際決済銀行(BIS)は4日、日本銀行含む7つの中央銀行と連携し、トークン化技術が金融システムの機能強化にどう貢献できるかを探る「プロジェクトアゴラ」を立ち上げた。取り組みには、国際金融協会(IIF)が集めた複数の民間金融業者も参画していた。
政府と日本銀行は1月、CBDC導入に向けた初の連絡会議を財務省内で開催。会議は、財務省理財局長を議長とし、内閣府、警察庁、金融庁など関連する府省庁の幹部と日銀の理事が参加していた。23年6月に政府が閣議決定した「骨太の方針」を踏まえ、CBDCの制度設計の大枠を整理することが目標である。
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