中国当局が暗号資産を巡る規制を一段と強化した。ステーブルコインおよび現実資産(RWA)のトークン化を明確に違法金融活動の対象に追加し、人民元に連動する商品の無承認発行を国内外問わず禁止する方針を示した。既存の全面禁止路線を再確認するとともに、デジタル領域と伝統金融資産の制度的な線引きを改めて明確化する狙いがある。
デジタル資産規制の再徹底
中国人民銀行(PBOC)を中心とする複数の監督当局は6日、暗号資産に関する新たな合同通知を公表した。通知は、従来から続く暗号資産取引やマイニングの禁止方針を再確認したうえで、ステーブルコインおよびRWAのトークン化についても違法金融活動として取り締まる姿勢を明確にした。
Sponsoredとりわけ、人民元に連動するステーブルコインの発行や流通については、当局の承認を得ない限り国内外を問わず禁止するとした。海外で設立された主体であっても、中国国内の居住者や資金と関係する場合は規制対象となる。交換業務や決済仲介、マーケティング活動も摘発対象に含まれ、執行範囲は広い。
ステーブルコインと伝統金融資産の境界
ステーブルコインは法定通貨や国債などの資産に価値を連動させ、価格変動を抑制する仕組みを持つ。国際的には決済効率化や資本市場の高度化を支えるインフラとして整備が進むが、中国当局は通貨主権や資本規制への影響を警戒している。
人民元連動型のトークンが広範に流通すれば、事実上の代替決済手段として機能し、既存の金融監督体系を迂回する可能性がある。このため当局は、デジタル資産が伝統金融資産と同様の機能を持つことを制度上認めず、厳格な管理下に置く姿勢を打ち出した。
RWAトークン化と金融秩序
現実資産(Real-World Asset:RWA)のトークン化は、不動産や債券などの権利をブロックチェーン上で分割・流通させる仕組みである。資金調達の多様化や流動性向上が期待される一方、投資家保護や情報開示の在り方が課題とされる。
今回の方針では、無許可でのRWA発行や取引を原則として禁止し、当局が管理する枠組み外での流通を認めない立場を明確にした。中国はデジタル分野における技術革新を進めつつも、金融秩序と資本統制を優先する姿勢を鮮明にしている。