コインベースは現在、社内のイーサリアム・レイヤー2(L2)である「Base」上で発行されたすべてのトークンを完全に統合する計画を進めている。規制遵守を徹底し、個人投資家への幅広いアクセスを提供することで知られる同取引所のこの動きは、市場に大きな変化をもたらす可能性がある。
コインベース、Base上のトークン全面統合へ
コインベースは製品モデルを再編し、Baseエコシステムで発行されたトークンのすべてを、直接的に取引可能な状態にすることを目指している。この対象には、Baseチェーン上のミームコイン、ユーティリティトークン、さらには初期段階のコミュニティベースの資産も含まれる。
この取り組みは、何千ものオンチェーン・プロジェクトが流動性を得る上でのハードルを大きく下げることにつながり、個人投資家による新たな資金流入を促す可能性がある。
つまり、従来の取引所への正式な「上場」プロセスを経る必要はなく、プロジェクトに求められるのは認知度と流動性のみとなる。コインベースはその実現に向け、すでに準備が整ったようだ。
Baseプロジェクトの創始者ジェシー・ポラック氏は、Zoraトークンですらコインベース取引所プラットフォームで取引可能になると明かした。
また、Base開発者であるCryptic Poet氏はX(旧Twitter)上で、この新たな動きにより、Base上のあらゆるトークン、ミーム、ユーティリティがコインベースで検索・取引可能になると書いた。結果として、1億を超える取引所ユーザーに向けて大規模な露出機会が生まれるとしている。
もはや上場は必要ない。必要なのは注目されることだけだ。
同様の手法は、すでにバイナンスの「Megadrop」やBitgetの「PoolX」などのプラットフォームで導入されている。こうしたプラットフォームでは正式上場前のトークンにも個人投資家がアクセスできる仕組みとなっている。
しかし、コインベースの持つ規模感やブランドの信頼性は、特にミーム文化がオンチェーンでの初期のプロジェクト採用を主導する現状を考えれば、小規模なトークンに対して実際の取引ボリュームをもたらす可能性が高い。
ミームコイン特需か、それとも「万能取引所」への大構想か
こうした動きは、すべての取引所になるというコインベースの戦略と整合している。同取引所は、株式のトークン化や、伝統的な金融(TradFi)を通じたビットコイン購入など、革新的なサービス展開を通じて、TradFiとDeFiの境界線を曖昧にしようとしている。
しかし、Baseトークンの統合はさらに踏み込んだものであり、コインベースはBaseエコシステムを通じて、草の根的なトークン文化(初期段階においては、話題性、ミーム性、コミュニティの勢いがファンダメンタルズを上回る傾向がある)に直接的なアクセスを狙っている。
ここで現実的な疑問が浮上する。
コインベースは、個人投資家に対してボラティリティの高いマイクロトークンを提供することになり、これまでにないリスクへの扉を開くことになるのか。
あるいは、トークン発見・取引のプロセス全体をオンチェーン化し、従来型取引所が行ってきた「ゲートキーパー」的な役割を回避しようとしているのか。
こうした動きはリスクが高いとの批判もある一方で、ミームコインの発行プラットフォームであるPump.funの登場や、ソラナ型のオンチェーンでのバイラルなトークン普及に対抗するための、次の必然的なステップだと見る向きもある。
他のチェーンに取引ボリュームが流出する状況を座視するのではなく、コインベースはBaseトークンを自身のエコシステム内に囲い込もうとしている。
Follow us on:
X(Twitter):@BeInCryptoJapan
Telegramチャンネル:@BeInCrypto Japan オフィシャルチャンネル
免責事項 - Disclaimers
当ウェブサイトに掲載されているすべての情報は、誠意をもって作成され、一般的な情報提供のみを目的としています。当ウェブサイトに掲載されている情報に基づいて行う一切の行為については、読者ご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。
