コインベース取引所は、企業がビットコイン(BTC)の保有量を積極的に増やす、いわゆる「セイラー化」トレンドを加速させる企業の一つであり、同時にトークン化された株式市場への参入も進めている。しかし最近、ユーザーはアカウント凍結や停止に対し不満を抱いている。
コインベース、ビットコイン保有を拡大し米国でトークン化株式プラットフォームを開始
ブライアン・アームストロングCEOは、自身のSNSで第2四半期にコインベースが新たに2,509 BTCを追加購入したことを明かした。
ビットコイントレジャリーのデータに基づくと、これにより、同社の保有するビットコインは合計11,776 BTCに達した。取得コストベースは7億4,000万ドル、現在の適正価値は12億6,000万ドルとなっている。

さらにコインベースは、米国ユーザー向けにトークン化された株式市場、予測市場、デリバティブ取引の提供を開始すると発表した。これは「すべてを取引できるプラットフォーム」を目指す同社にとって、非常に野心的な戦略となる。
すべての資産は最終的にオンチェーンに移行するため、取引したいものをすべて一か所に集めたい
同社のマックス・ブランツバーグ製品担当副社長は、これについて「より速く、アクセスしやすく、グローバルな経済基盤を構築する取り組みの一環だ」と述べた。
これによりコインベースは、すでに海外でトークン化された株式取引を提供しているロビンフッドやジェミニ取引所との直接的な競争関係に入ることになる。BeInCryptoは先日、ロビンフッドのトークン化された株式がアルトコイン市場との意図しない競争を引き起こしているとの懸念を報じた。一方、ジェミニもEU市場でトークン化された株式を展開している。
こうしたなか、コインベースはトランプ政権による政策支援を追い風に、米国市場におけるトークン化のリーダー企業になることを目指している。また、SEC(米証券取引委員会)の新たな規制プロジェクト「プロジェクト・クリプト」の動きとも連動する形となる。
コインベースの新たなプロダクトはまず米国で導入され、その後各地域の規制状況に合わせて国際的に拡大される。ロードマップにはトークン化株式、現実資産(RWA)、デリバティブ、初期トークン販売などが含まれ、いずれもオンチェーン上で提供される見込みだ。
コインベースのスーパーアプリ構想に称賛と検閲懸念
こうした製品の多様化は、コインベースが「今後10年以内に世界トップの金融サービスアプリになる」という目標に沿ったものである。同社は2週間前にBase Appをリリースし、取引、メッセージング、決済を1つのアプリに統合したばかりだ。
このスーパーアプリ化の構想には多くの称賛が集まっているが、一方で「制御や検閲のリスクが高まる」という懸念の声も上がっている。
コインベースは新たなチョークポイント(検閲ポイント)を構築しつつある。すべてがオンチェーンになれば、制御権は銀行からプロトコルへ移行する。しかし、承認されたウォレットのみが取引可能になるシステムは、自由ではなく検閲が強まるだろう
さらに最近、コインベースはアカウントへのアクセス問題でも批判を受けている。BeInCryptoは、多数のユーザーがアカウントにアクセスできないと訴えており、顧客サポートの対応が遅く、理由が不明なまま口座が凍結されているとの報告が相次いでいることを伝えた。
コインベース側はこの問題について改善措置をとったとしており、リスクおよびコンプライアンスシステムの見直しによってアカウント凍結の件数を85%削減したと主張している。しかし、依然としてこれを疑問視するユーザーも多い。
コインベースが将来的に暗号資産市場と伝統的資産のトークン化市場におけるリーディングプラットフォームになるためには、こうした革新性とユーザーからの信頼をいかに両立させるかが重要となる。
ビットコインへの継続的な投資やトークン化市場への参入は、同社の強いコミットメントを示すものである。しかし、規制の強化、競合の激化、ユーザーの期待値が上がるなか、円滑かつ公正なユーザー体験の提供能力を証明することが、今後の成功を左右する鍵となるだろう。
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