東証上場企業のコンヴァノ(証券コード:6574)が13日、2026年3月期第2四半期決算を発表し、ビットコイン保有戦略が業績に大きく貢献したことが明らかになった。同社のBTC保有量は10月末時点で665枚(時価111億7400万円)に達し、国内企業ランキングで5位に躍進した。
8月時点の164枚から約4倍に増加しており、デルタ・ニュートラル戦略とディーリング・オプション戦略を駆使した積極的な運用姿勢が鮮明となっている。第2四半期の営業利益は18億4200万円と前年同期比154.7%増を記録し、大幅な黒字転換を実現した。
Sponsoredビットコイン運用戦略が収益の柱に
コンヴァノは社内に「ビットコイン保有戦略室」を設置し、取締役会決議に基づく暗号資産関連事業の権限を付与している。同戦略室では2つの主要戦略を展開している。
第一はディーリング・オプション戦略である。これは市場価格の変動を活用した売買取引に、オプション取引によるプレミアム収益を組み合わせたもので、相場の方向性に依存せず安定的なキャッシュフローを確保することを目的としている。
第二のデルタ・ニュートラル戦略は、価格変動リスクを抑制しつつ安定的な利回りを確保するリスクヘッジ型運用手法である。この戦略は価格の上下動に依存せず、保有資産から安定的な収益を得ることを狙いとしている。
同社によれば、2025年9月から10月のボラティリティ上昇局面において、両戦略が奏功し業績の押し上げに繋がった。しかし、ビットコイン価格は14日、10万ドルを割るなどボラティリティの影響を受けている。なお、同社株価は同日、終値112円で前日比約9%安と急落した。
通期業績は売上281.7%増の見込み
第2四半期累計の売上高は38億5400万円(前年同期比154.7%増)、営業利益は18億4200万円(前年同期は1億1600万円の赤字)、経常利益は12億6200万円(前年同期は1億2000万円の赤字)と、全ての指標で大幅な改善を示した。同社は2026年3月期通期の業績予想を修正し、売上収益123億7000万円(前期比281.7%増)、営業利益65億3500万円(前期比4740.7%増)を見込んでいる。
収益構造の変化を牽引しているのは、ビットコイン事業に加えて、ネイル事業とヘルスケア事業の成長である。ネイルサロン「FAST NAIL」は前期末の62店舗から75店舗まで拡大した。ヘルスケア事業では連結子会社のシンクスヘルスケアを通じて、韓国LG Chem社との医療用ヒアルロン酸製剤のPMDA承認取得に向けた業務提携や、HM Solution社との鼻筋形成用糸リフトの共同開発を進めている。株主還元策として、1000株以上保有の株主にビットコインとFAST NAIL優待券を贈呈する株主優待制度を導入するほか、2億円・50万株を上限とする自己株式取得も実施する。