ネイルサロン事業を主力とし、ビットコイン財務を続けている東証グロース上場企業コンヴァノ(証券コード:6574)が15日、日本デジタル空間経済連盟(JDSEF)への加盟を発表した。同連盟はデジタル空間における経済活動の活性化を目的に2022年4月に設立された業界横断の総合経済団体で、Web3、暗号資産、NFT、メタバースなどを対象領域としている。
デジタル空間経済分野への戦略的参入
コンヴァノは2026年3月期中間決算で売上収益が前年同期比154.7%増の38.54億円、営業利益18.42億円と大幅な増収増益を記録している。同社はネイルサロン「ファストネイル」を関東、関西、東海エリアに展開する一方で、2025年7月から本格的に暗号資産事業に参入した。同社は11月21日時点で762.67BTCを保有しており、累計取得原価は約131億円に達している。
Sponsored同社は8月に2027年3月末までに21,000BTCの保有を目標とする計画を発表していたが、11月21日にビットコイン市況への依存度を低減し、本業成長を中心とした事業ポートフォリオへの再集中を行う方針へ転換した。今後はAI、ヘルスケア、M&Aを軸とする成長戦略にシフトするものの、現在保有するビットコインは資産の一部として管理を継続し、市場環境を踏まえながら機動的に対応するとしている。
今回のJDSEF加盟により、同社はデジタル空間経済に関する最新動向や制度議論への理解を深め、業界横断での知見共有や連携強化を図る。JDSEFは政策提言や情報発信、関係団体との対話などを実施しており、Web3、暗号資産、NFT、メタバース、デジタルインフラ等の分野で活動を展開している。
業界団体との協調による市場形成目指す
JDSEFの代表理事はSBIホールディングスの北尾吉孝代表取締役会長兼社長が務めている。北尾氏は、1995年に孫正義氏の招聘によりソフトバンク常務取締役に就任した。1999年にはソフトバンク・インベストメント(現SBIホールディングス)代表取締役社長に就任 し、銀行・証券・保険等の金融サービス事業や資産運用事業、新産業育成に向けた投資事業、暗号資産事業など、金融を中心とした総合企業グループを統括している。SBIグループの2025年3月期の暗号資産事業は収益808億円、税引前利益212億円と過去最高を記録するなど、デジタル金融分野での存在感を強めている。
コンヴァノは連盟の会員企業や関係機関との連携を通じて、デジタル空間経済における新たなビジネスモデルの創出や、健全で信頼性の高い市場形成への寄与を目指すとしている。デジタル空間経済は技術革新と並行して、制度整備やガバナンス、業界横断でのルール形成が課題となっており、こうした業界団体の役割が注目されている。