日本の金融業界で新たな業界団体が24日、発足した。一般社団法人日本デジタル分散型金融協会は、暗号資産やステーブルコイン、セキュリティトークンなど、ブロックチェーン技術を基盤とする金融ビジネスについて、銀行や証券会社、暗号資産交換業者など業態を超えた横断的な議論と意見集約を推進する。
設立日は2025年12月1日付け。野村證券や三菱UFJ信託銀行、ビットバンクなど大手金融機関を含む40以上の企業・法律事務所が参画している。
デジタル資産市場の拡大で業態横断の連携が必要に
暗号資産やセキュリティトークン(ST)、ステーブルコインといったデジタル資産市場が拡大するなか、関連する法制度の整備が進んでいる。こうした環境変化に伴い、従来の業態の枠を超えた意見集約や連携の必要性が高まっていた。
Sponsoredデジタル分散型金融ビジネスを推進する際、銀行、証券、資産運用、暗号資産交換業など異なる業態間での協力が求められるケースが増加している。関係者からは、幅広い業界参加者との意見交換や特定テーマに関する議論の場を求める声が上がっていた。
こうした背景を受け、金融機関等が多様なトピックについて業態横断的に意見集約を図る業界団体として本協会が設立された。代表理事にはKPMGジャパンの保木健次氏とビットバンクの廣末紀之氏が就任し、野村證券常務の池田肇氏が理事に名を連ねる。
暗号資産ETFやDeFiなど5分野で分科会を設置
本協会は具体的な活動として、デジタル分散型金融ビジネスに関する特定テーマごとに分科会を設置し、意見集約や提言活動を展開する。設置予定の分科会は、暗号資産ETF、DeFi(分散型金融)、ステーブルコイン、ノンカストディアルウォレット、セキュリティトークン・RWAトークンの5分野である。
また、デジタル分散型金融ビジネスに関する勉強会の開催を通じた会員への情報提供、会員間の情報交換の促進も行う。さらに、ビジネス推進に必要な会員規則を制定し、規則遵守に関する指導や勧告などの業務を担う委員会も設置する計画だ。
会員には有限責任あずさ監査法人、アセットマネジメントOne、SBI証券、大和証券、みずほ証券、三井住友信託銀行、楽天証券など大手金融機関のほか、GMOコイン、大阪デジタルエクスチェンジなど暗号資産関連企業が名を連ねる。法律事務所も準会員・特別会員として参画し、法的側面からの支援体制も整える。
利用者保護と市場発展の両立を目指す
同協会の設立目的は、デジタル分散型金融市場の健全な発展への寄与。代表理事の保木氏は「実態に即したルール形成、利用者保護・コンプライアンス、技術の中立性の確保を同時に満たすことが重要」と強調し、規制当局や業界、技術コミュニティ、学術機関との連携を通じて、事業環境整備と利用者保護の両立を図るとしている。
同じく代表理事の廣末氏も「ブロックチェーンを基盤とする金融領域は急速に拡大し、制度整備と市場発展が同時に進むフェーズを迎えている」と指摘。業態の垣根を越えた実務に根ざした論点整理と建設的な提言を行う場の重要性を訴えた。
理事の池田氏は「従来の金融とWeb3それぞれの強みを生かし、国際的な競争力の向上と健全な市場の発展に寄与する」と述べ、関係者との建設的な対話を重ねながら協会運営の強化に取り組む姿勢を示した。デジタル資産市場の拡大が続くなか、業界団体による自主規制と健全な市場環境の構築が注目される。