米国証券取引委員会(SEC)のゲイリー・ゲンスラー委員長が辞任予定との噂が、1日からインターネット上で出回った。しかし、フェイクニュースであったことが3日に分かった。ゲンスラー氏辞任の噂を受け、暗号資産(仮想通貨)ユーザーの間で規制緩和への期待が高まり、市場は全面高となっていた。
暗号資産メディアCryptoAlertは1日、米SEC関係者によるリーク情報として「ゲンスラー委員長が不正行為に関する内部調査を受け、辞表を提出した」とのニュースが投稿された。暗号資産速報を提供するツイッターアカウントwhalechartは2日、同様の内容のツイートを投稿。なお、このツイートのインプレッション(表示回数)は166万5000回に達している。
しかし、3日、米ニュース専門局FOXビジネスのチャールズ・ガスパリーノ記者はツイッターで、米SECからの返答を得た上で「ゲンスラー氏はSEC委員長を辞任する予定はない」と投稿し、ゲンスラー氏辞任が誤報であることが明らかとなった。
フェイクニュース発覚による価格への影響は見られず、本稿執筆時点で市場全体の時価総額は前日比1.4%増となっている。
ゲンスラー氏率いる米SECは6月、最大手暗号資産取引所バイナンスを提訴。その後コインベースも追加で提訴し、多数の暗号通貨を「未登録の有価証券である」と名指しで主張。これを受け、市場は一時全面安となっていた。
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