暗号資産市場への資金流入額は先週、2億2300万ドルにまで縮小した。週の初めには約10億ドルに達する見込みだったが、この勢いは米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果をはじめとする一連の米国経済指標が予想を上回ったことで逆転した。
暗号資産流入額10億ドルに迫るも、マクロデータで2億2300万ドルに逆転
最新のCoinSharesレポートによると、先週前半には暗号資産市場への資金流入額が8億8300万ドルに達し、10億ドルに迫っていた。
しかし、水曜日のFOMC会議の結果を境に状況は一転。デジタル資産への資金流入は急速に減速し、週末までに2億2300万ドルまで縮小した。
CoinSharesのリサーチ責任者、ジェームズ・バターフィル氏は、FOMCの発表や一連の米国マクロ経済データが予想よりも強かったことが、この資金流入の急減に繋がったとの見方が記されている。
週の前半は8億8300万ドルの資金流入で好調に始まったものの、後半にその傾向は逆転した。FOMCがタカ派的な姿勢を示したことや、米国経済指標が予想を上回ったことが主な要因と考えられる。
さらに週末に発表された米国の雇用データが予想外の弱さを示したことで、市場では連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測が再燃した。
米国では7月の人員削減数が月平均の2倍となり、過去4年間の平均を上回った。こうした雇用市場の弱さがFRBによる利下げ期待を後押しした。
この結果、市場ではリスク回避のセンチメントが急激に高まり、暗号資産からの資金流出に繋がった。金曜日単日での資金流出額は10億ドルを記録した。BeInCryptoも、米国雇用データの低迷が市場に与えた影響について報じている。
一方でバターフィル氏は、最近の市場の上昇を受けて投資家が利益確定を急いだことも、資金流入額減少の原因になったとの考えを示した。
直近30日間で市場には122億ドルの純流入があり、これは今年の資金流入の約50%に相当する。したがって、一部の投資家が早期に利益確定に動いたとしても不思議ではない。
なお、先週の暗号資産への資金流入額は、7月26日終了週に記録した数値と比較すると大幅に低下している。
BeInCryptoの報道では、7月26日終了週の暗号資産への資金流入額は20億ドルに迫っており、その主役はビットコインを上回る流入を記録したイーサリアムをはじめとするアルトコインだった。
イーサリアム、ビットコインに対する優位を拡大、アルトコインも急伸
今回もイーサリアムはビットコインを凌駕し、1億3390万ドルの資金流入を記録した。ソラナも880万ドル、XRPは3130万ドルの資金流入となり好調を維持した。
これに対してビットコインはトレンドに逆行し、4億400万ドルの資金流出を記録した。前週の資金流出額1億7500万ドルからもさらに拡大している。

一方、QCPキャピタルのアナリストは、ビットコインが3週連続で金曜日に売り圧力を受けていることを指摘。これは従来市場でのリスク回避的な投資家心理を反映したものだと書いている。
米国の雇用データが市場予想を下回ったことや、ワシントンから新たな関税措置が発表されたことなど、複数の要因が重なり市場にリスク回避の動きが生まれた。
このため市場の現在の停滞は、投資家が世界経済の成長や流動性についての見通しを再検討している過程の可能性がある。
同アナリストはまた、こうした動きが待望されているアルトコインシーズンの本格的な回復を遅らせる要因となる可能性があると指摘する一方、その回復を否定するものではないとも述べている。
市場の後退にもかかわらず、アルトコイン相場が本格回復するための構造的な条件は依然として整っている。
このように、最近の暗号資産市場の調整は一時的なものであり、過剰なレバレッジが解消され、新たな買い需要が再び生まれる契機となる可能性もある。
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