Binance Japanとライフカードは13日、日常のショッピング利用で暗号資産BNBが貯まるクレジットカード「Binance Japan Card」の申込受付を開始した。還元率1.6%は国内の暗号資産還元型クレジットカードとして最高水準となる。暗号資産口座数が拡大する中、日常決済を通じた資産形成の新たな選択肢として注目されそうだ。
還元率1.6%の暗号資産獲得が可能に
新たに申込受付が始まった「Binance Japan Card」は、カードショッピング利用額の1.6%相当のBNBが還元される仕組みである。国際ブランドはJCB、発行はライフカードが担う。年会費は初年度無料で、2年目以降は1650円(税込)だが、年間10万円以上の利用で次年度も無料となる。
対象は日本国内に住む18歳以上75歳以下で、Binance Japanのアカウント開設と本人確認が必要となる。毎月1日から末日までの利用分が翌月5日までに集計され、1.6%相当のBNBが翌月末までにアカウントに付与される。
BNBは「Build and Build」の略称で、現在BNB Chainの基軸トークンとして機能している。時価総額は1230億ドルを超え、スマートコントラクト分野では世界第2位の規模を誇る。Binance Japanのサービスでは、取引手数料の支払いに利用することで割引が受けられるほか、一定期間ロックすることで報酬が得られる「シンプルアーン」なども提供されている。
暗号資産保有者の裾野拡大が背景
日本暗号資産取引業協会(JVCEA)のデータによると、国内の暗号資産口座数は2025年11月末時点で1365万口座に達した。暗号資産は投資対象にとどまらず、ブロックチェーン技術を基盤とした次世代の金融インフラとして活用領域を広げている。
一方で、暗号資産の購入に関心はあるものの、まとまった資金が必要との心理的ハードルや、取引画面の複雑さから参入をためらう層も存在する。Binance Japanは今回のカード発行により、日常のカード決済という身近な行動を通じて、少額から自然に暗号資産が貯まる仕組みを提供する。
Binance Japanの千野剛司代表取締役は、本カードが普段の生活の中で無理なく暗号資産に触れられる新しい選択肢になるとし、「暗号資産と日常決済の融合を加速させることで、より多くの人々にWeb3を身近に感じてもらえる」と述べた。
日米で異なる暗号資産カード戦略
暗号資産還元型クレジットカードは、国内外で異なる発展を遂げている。米国では暗号資産取引所Geminiが2021年から還元率最大4%のMastercard発行カードを展開し、ビットコインやイーサリアムなど50種類以上の暗号資産から選択できる仕組みを構築した。2025年にはXRP版やSolana版も追加され、還元された暗号資産の自動ステーキング機能まで実装している。
一方、日本国内では金融庁の規制下で暗号資産関連サービスの展開が慎重に進められてきた。今回の「Binance Japan Card」は、関東財務局登録の暗号資産交換業者として正式な認可を受けた上で、BNBという単一銘柄に特化した還元を提供する点が特徴である。1.6%という還元率は米国の標準的な1%を上回り、Binanceのエコシステム内でのBNB活用を前提とした設計となっている。
この違いは各国の規制環境と市場成熟度を反映している。米国型が多様な選択肢を提示する「投資ツール」としての側面を強めるのに対し、日本型は特定エコシステム内での「実用性」を重視した形といえる。「Binance Japan Card」は、日本の規制に適合しながら業界最高水準の還元率を実現することで、暗号資産決済市場における独自の地位を確立する可能性がある。