ビットコイン価格が4日連続で下落した。好材料には鈍く反応し、悪材料には敏感に動く傾向が続く。この背景には、米連邦準備制度理事会(FRB)会合の直近会合が影響しているとの見方がある。ブルランの終わりを示すのか、市場で疑念が広がった。
「材料出尽くしの売り」局面、短期投資家が主導
オンチェーンデータ基盤CryptoQuantのアナリスト、CryptoOnchainは、FOMCの利下げ後の下落を教科書的な「材料出尽くしの売り」と評した。FRBは12月のFOMCで利下げを実施しない可能性を示唆した。これが主因となり、短期投資家がポジションを解消した。
Sponsored「バイナンスのオンチェーンデータが決定的手掛かりだ」と同氏は述べた。10月30日のボラティリティ急騰の中、1万BTC超の大量流入がバイナンスに入った。重要なのは、1万9BTCが保有期間24時間未満のアドレスから来た点である。
CryptoOnchainは「これは『ホットマネー』の典型だ。ニュースに即応する短期トレーダーと投機筋の動きである」と指摘した。同氏は続けて、「対照的に、長期保有者(6カ月超保有)の流入はごくわずかだった」と述べた。
同アナリストは「これは長期勢の信認低下ではない。『弱い手のふるい落とし』の教科書的展開だ。基礎構造は依然として強固である」と結論づけた。
含み損は軽微にとどまる
この見方に呼応し、Glassnodeの上級研究員『CryptoVizArt.₿』は、同氏のXアカウントで市場全体の損害が小さい点を強調した。
「弱気なセンチメントにもかかわらず、含み損は10万7000ドルで、ビットコインの時価総額の約1.3%にすぎない」と同氏は指摘した。
通常、「暗号資産の冬」入りの前に、ビットコインの含み損が大きく膨らむ。例えば2022年の弱気相場は、含み損が時価総額の約20%に達してから本格化した。サイクル終盤の合図だった。
同氏は「緩やかな弱気相場でも通常は5%を超える。深刻な局面では50%を上回る」と結んだ。