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2025年上場トークン低迷、暗号資産の長期投資に逆風

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著者:
Kamina Bashir

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編集:
Shigeki Mori

29日 1月 2026年 19:01 JST
  • 2025年には、主要な取引所で新規上場した暗号資産の大半が下落して取引された。
  • バイナンスの中央値リターンは0.22倍にとどまり、コインベースは0.43倍とやや上回った。
  • アナリストの間で、暗号資産における長期保有戦略の有効性に疑問が広がっている。
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2025年に主要な暗号資産取引所へ上場したトークンの多くが、初値形成後の上昇を維持できず、取引所の別を問わず軟調な値動きとなった。上場を起点とした短期的な注目は集めたものの、中長期では市場の評価が伸び悩んだ格好だ。

こうした動向を背景に、暗号資産市場で長らく支持されてきた「買って保有する」投資戦略が、現在の市場環境において有効なのかを巡り、投資家や市場関係者の間で議論が広がっている。

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バイナンス、コインベース、DEX:2025年の新規上場は低調

CryptoRankのデータによると、2025年1月1日から12月31日までの期間で、バイナンスは100銘柄を上場させ、そのうち93銘柄が下落した。バイナンス上場トークンの中央値のROI(投資収益率)は0.22倍となり、新規上場アルトコインが大きく価値を失ったことが示された。

Bybitは同期間に150銘柄を上場し、127銘柄が下落・中央値のROIは0.23倍だった。MEXCは 上場件数でトップとなる878銘柄を新規上場し、747銘柄が下落、中央値のROIは0.21倍だった。

一部の取引所はやや良好な成績を見せたが、下落が多数を占める状況に変わりはなかった。コインベースは111銘柄を上場し、うち94銘柄が下落。中央値のROIは0.43倍で主要中央集権型取引所の中で最も高かった。

クラーケンも同様の傾向を示した。新規上場銘柄の多くが下落する中で、中央値のROIは0.30倍にとどまった。また、多くのトークンが複数取引所で重複して上場していたことから、パフォーマンスは取引所よりも市場全体の状況に左右されていたと見られる。

CryptoRankは、この傾向が中央集権型取引所に限られないことも指摘した。別の分析では、大手パーペチュアル分散型取引所ハイパーリキッドでの上場パフォーマンスも調査し、同様の結果が確認された。

「最近の@binanceのFUD(恐怖・不確実性・疑念)や上場パフォーマンスを受けて、@HyperliquidXの公開APIデータを用いて結果を比較したが、ほぼ同じ傾向だった。どの取引所でも似たパターンがみられるのは明らかで、単に取引所だけの問題ではなさそうだ」と投稿されている。

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Median Listing Performance of Binance Vs Hyperliquid
Binanceとハイパーリキッドの上場時パフォーマンス中央値 出典: X/CryptoRank

現代の暗号資産市場で長期保有戦略は有効か

CryptoRankは、この低調な成績の多くは2025年のトークン発行規模の大きさに起因するものだと分析した。1年間で新規発行されたトークンは1100万種以上にのぼり、その多くが「低品質」と説明された。投稿には、

「おそらく2025年は『買って保有』を選ぶのに最適な時期ではなかった」と記されている。

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このことはパッシブ投資戦略の将来についても根本的な問いを投げかける。市場データによると、暗号資産全体の時価総額は2026年1月時点で3兆ドル未満となっており、2025年初頭よりも低く、2021年の過去サイクルピーク水準とほぼ同じ水準だった。10月以降、市場全体で1兆ドル超の資金が流出し、業界への圧力が際立っている。

こうした背景から、投資家の間では「買って保有」やドルコスト平均法が依然として通用するのか、疑問視する声が強まっている。

一部のアナリストは、市場構造の変化によってパッシブな投資戦略が通じにくくなったと指摘する。アナリストのAporiaは、「買って保有」戦略は、暗号資産がまだ発見されつつあった初期の成長段階ではより効果的だったと述べる。

「『長期積立して保有するだけ』は、資産クラスが発見途上の時期には機能した。今はファンドやアルゴリズム、さらには詐欺師すらいて、あなたの『信念』が売却の出口となっている。パッシブ戦略にはパッシブな市場が必要だが、暗号資産市場はそうではない。そしてただ保有することは戦略ではなく、戦略を持っていないことと同じだ」とAporiaは述べた

バイナンス前CEOのチャンポン・ジャオは、より中立的な見解を示した。同氏は「買って保有」の原則はすべての暗号資産に適用する意図ではなかったと強調した。

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「全ての暗号資産を『買って保有』すれば、ポートフォリオがどうなるかは明白だ。インターネットやAIの全プロジェクトや企業を全て買った時と同じだ」とCZは指摘した

同氏の発言は、買って保有する手法は全体ではなく、高品質な一部プロジェクトに限って通用する可能性があることを示唆している。

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