暗号資産のクジラが再び買い始めている。米国のCPIが鈍化したことを受け、大口保有者はリスクを減らすのではなく増やし始めた。インフレ鈍化、労働市場の軟化、利下げ期待の高まりが、資本配分のあり方に徐々に変化をもたらしている。これらの買いは、単一テーマに集中していない。
クジラはDeFi、政治テーマ、レガシーミームコインなど幅広く資金を投じている。その組み合わせは重要である。これは単一の取引ではなく、価格変動が限定的な中でも、センチメントのより広範な転換への早期ポジショニングであることを示唆する。
SponsoredカーブDAOトークン(CRV)
暗号資産のクジラは、市場全体の方向感が定まらない中でもCurve DAOトークンを買い増している。CRVは過去1か月で約20%下落しているが、クジラの動向から、この弱さを機会と捉えており、警戒材料と見なしていないことがうかがえる。
過去24時間で、クジラはCRV保有量を8.56%増やし、392万トークンまで積み増した。1日で約31万2000CRVを買い増した計算となる。規模は巨大ではないが、タイミングが重要である。CPI鈍化で長期的な利下げ観測が強まる中、センチメントがまだ脆弱である段階で買いに動いている。
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価格面では、CRVは依然として弱いように見える。11月初旬から12月中旬にかけて安値を切り下げてきた。しかしモメンタムは異なる示唆を含む。売買圧力をはかるRSI(相対力指数)は同期間、高値を切り上げている。この逆行現象は、売り圧力が後退し、トレンド転換の兆しとなることが多い。
その裏付けには、CRVが0.38ドルを回復する必要がある。0.41ドルが12月初旬から上昇を抑えてきた重要ラインとなる。
明確に上抜ければ反転をサポートする。一方、0.33ドルを下回ればこの形は崩れ、クジラの自信も鈍る。
オフィシャル・トランプ(TRUMP)
オフィシャル・トランプトークンも、米CPI鈍化を受けてクジラの注目が再燃している。TRUMPは過去3か月で約40%下落しているが、この弱さこそが早期ポジション形成の呼び水となっている印象だ。インフレ鈍化や利下げ期待が再び高まる中、政治銘柄が再び注目を集めている。
過去24時間で、クジラはTRUMP保有量を17.97%増やし、68万トークン超を追加した。現在の価格で約350万ドル相当となる。この動きは追随の買いというより、センチメントが慎重なままの段階での早期蓄積と言える。
タイミングを示すのがチャートである。経験あるトレーダーの動向を示すスマートマネー指数は、12月9日以降の低下から上向きに転じつつある。この動きは、情報に通じた買い手が反発に備えていることを示唆する。
価格帯も鍵となる。TRUMPは4.96ドルを維持できれば反発の構図が続く。6.05ドルを明確に突破すれば、11月下旬以降の上値抑制を打破し上昇基調が強まる。一方、4.96ドルを下回って終値をつければ、クジラのシナリオは弱まり下方リスクが再浮上する。
現時点で、クジラはインフレ鈍化と政治的流動性の高まりが、広範な市場変動前にTRUMPの安定余地を生むと見ている。
ドージコイン(DOGE)
時価総額ベースで、ドージコインはこのリストで最大規模となっている。過去24時間で、1000万から1億DOGEを保有する中堅クジラが、合計残高を173億8000万DOGEから174億DOGEまで増やした。約2000万DOGEの買い増しとなる。
Sponsored Sponsored現価格では、これは約260万ドル相当の蓄積である。規模自体は大きくないが、タイミングが重要である。これらウォレットは以前リスクを減らしていたため、CPI公表直後の動きには意味があるかもしれない。
クジラは早期のテクニカル形成の兆候に反応している可能性がある。11月4日から12月18日にかけて、ドージコイン価格は安値を更新したが、RSIは高値を切り上げた。この上昇傾向のダイバージェンスは、売り圧力の弱まりを示すことが多い。ドージコインは過去24時間でおよそ2~3%上昇しており、買い手が反応を試している様子がうかがえる。
主要ラインは明確である。0.13ドルが最初の重要ラインで、この水準が最近の反発を抑えてきた。0.15ドルを明確に日足終値で超えれば、トレンド回復の確認となる。この動きは現水準から約19%の上昇を示唆し、さらなる上値目標も開ける。
依然としてリスクは残る。0.12ドルを下回れば反発シナリオは否定され、さらなる下落リスクが生じる。現時点では、暗号資産クジラはマクロ要因の緩和がミームコインのリスク選好を呼び戻すと見て、慎重にドージコインを買い進めている。