分散型金融(DeFi)のステーブルコインプラットフォームであるメイカーダオ(MakerDAO)が、スパーク・プロトコル(Spark Protocol)を提案している。これは、アーベ・レンディング・プロトコル(Aave lending protocol)のスマートコントラクトをベースとした新システムである。
2月8日、メイカーダオのガバナンスフォーラムにスパーク・プロトコルの提案が投稿された。このプロトコルは、メイカー(Maker:DAIを発行するDeFiプロジェクト)のDAIステーブルコインとその暗号資産の流動性を促すものとして計画されている。
(提案は)スパーク・プロトコルは、「変動および固定レートで、スケーラブルな暗号資産を供給・借入する流動性市場を実現し、メイカーダオの機能を拡大させる 」と述べている。
その最初の製品となるのがスパークレンド(Spark Lend)だ。これはアーベv3(Aave v3)をベースにしたもので、ユーザーは設定されたDAI Savings Rate(DSR:DAIの預金金利レート)で、現時点では1%でDAIを借りることができる。今後スパークレンドは、ETH、DAI、ラップデリバティブなど、担保として流動性の高い暗号資産をサポートする予定だ。
DeFiのリサーチャーである”イグナス”(Ignas)は、メイカーの新しいDeFiエコシステムの詳細に言及している。
ライバルに挑むメイカーダオ
リサーチャーのイグナスは、アーベやコンパウンド(Compound)がDSRに統合され、USDC保有者がDAIへ移行することが期待されてきたと指摘する。しかし、(これまでのところ)それは起きていない。
そのため、メイカーダオは新しいエコシステムを単独でやっていくことに決めた。さらに、アーベはDAIに対抗するかたちとなるステーブルコイン、GHOを立ち上げようとしている。コンパウンドも借り入れにUSDCのみをサポートしたバージョン3を立ち上げ、他の暗号資産は担保として供給されているとイグナスは指摘している。
スパークの開発元であるフェニックス・ラブズ(Phoenix Labs)は、今後も新しい製品や機能の提供を目指している。2023年のロードマップには、スパーク・フィクスド・レート(Spark Fixed Rates)、レジリエント・オラクルズ(Resilient Oracles)、クロスチェーンサポート、メイカー・テレポートサポート、イーサダイ(EtherDAI)のブートストラップなどが挙がっている。
イーサダイは、メイカーがまもなく立ち上げる予定の合成リキッドステーキング(synthetic liquid staking )の派生資産である。
また、今回の提案では、アーベのプロトコルルーツを認め、利益の一部を(DeFiレンダーである)アーベに還元することを約束している。
「アーベダオのこれまでの労苦に報い、スパーク・プロトコルでは今後2年間、DAIマーケットで得た利益の10%を送金することにする」
スパーク・プロトコルは、ガバナンスの投票を経て、4月に立ち上がる予定。その際、2億ドルの債務上限を持つDAIレンディング・ボールト(DAI lending vault )がメイカー上に開設されることになっている。
また、スパーク・プロトコルはメイカーベースの最初のネイティブなレンディング・インターフェースとなるため、メイカー自身にとっても画期的な事となる。
価格の見通し
メーカーのネイティブトークン、MKRは、本日、市場の大きな後退による打撃を受けた。その結果、MKRは4.6%下落し、本記事時点では777ドルで取引されている。
他方、DeFiトークンは過去1カ月で25%、過去1週間で16%上昇している。
MKRの価格は、2021年5月につけた史上最高値の6,292ドルから87.7%下落したままだ。一方、DAIの現在の流通額は51億ドルで、市場時価総額で4番目に大きいステーブルコインとなっている。
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