X(旧Twitter)のあるアナリストが、著名なベンチャーキャピタルファンド「パラダイム(Paradigm)」がHYPEトークンを最大765億円相当保有している可能性があると指摘した。この動きはパラダイムによる戦略的な信頼の表明とみることもできる一方、市場を揺るがす売却の前兆と受け止める声もある。
パラダイムとハイパーリキッドの関与
X上のアナリストMLM氏のコメントよれば、パラダイムはハイパーリキッドのネイティブトークンであるHYPEを約765億円分保有しているという。同ファンドは正式に保有を認めていないが、もし事実であれば、パラダイムはHYPEの流通供給量の約6%を保有していることになる。このような著名投資ファンドによる大規模な保有は、プロジェクトの潜在力への強い期待感の表れとも、市況が悪化した場合の大規模な売却リスクとしての警戒材料とも受け止められる。
Sponsored正確な平均取得価格は不明だが、WintermuteやGateからHYPEを受け取った時期を基準にすると、平均取得価格は16.46ドルと推定され、総取得コストは約315億円と見られる。
現在の市場価格(約40ドル)での未実現利益は約450億円に上る。
また、ジョン・マ氏がXで公開したデータによると、ハイパーリキッドは月次で約40%の成長率を示し、年間収益を11億ドルまで押し上げたという。これは新興のDeFiプラットフォームとしては異例の成長とされる。

この成功は、オフチェーンのオーダーブック技術を活用した最適化されたDEX(分散型取引所)モデルが背景にある。ハイパーリキッドの月間取引量は2310億ドルで、これは米国の大手投資アプリであるロビンフッドを上回っている。このことはDEXが中央集権型取引所(CEX)と競争可能であることを示す一方、急激な短期成長が長期的な持続性を保証するわけではなく、今後の市場サイクルを経た検証が求められる。
パラダイムは、ハイパーリキッドが従来型のCEXに取って代わる次世代DEXになる可能性に賭けている可能性がある。ただし、トークン保有の集中度が高いことや明確な技術的シグナルが不足している点から、HYPEトークンの今後の動きには不確実性が伴っている。
さらに、ハイパーリキッドは急激な成長の過程でユーザーインターフェースに一時的な障害をが生じ、注文や決済、資金引き出しができなくなる問題が発生した。その後、同プラットフォームは影響を受けたユーザーに返金を発表している。
記事執筆時点で、HYPEトークンは38.40ドルで取引されており、7月につけた過去最高値から23%下落している。BeInCryptoはパラダイムに声明を求めているが、まだ返答はない。