ドージコイン（DOGE）の価格は、過去1週間で13％超下落し、3か月で31％上昇した後に調整局面に入っている。現在は価格の動きが小幅なレンジ内にとどまっているが、この「統合局面」は見かけほど安定しているとは限らない。
オンチェーンデータやテクニカル指標の一部では、市場参加者の多くが見落としがちな強気のダイバージェンス（乖離）が現れており、今後の上昇転換の可能性を示唆している。
短期投資家の売却が進行、コスト基準で下支えも
市場のセンチメント転換を示す初期の兆候は、短期保有者の未実現損益（NUPL）指標に現れている。この指標は、過去155日以内にドージコインを取得したウォレットが抱える未実現の利益・損失を示すもので、一般に市場の動きに敏感な層を反映する。
7月下旬にかけて価格が下落するなか、短期保有者のNUPLは7月20日時点の0.24から、28日には0.06まで急落。多くの投資家が小幅な利益確定や軽微な損切りに動いたことを示しており、典型的な調整局面のパターンと一致する。こうした動きは、いわゆる“弱い手”を振るい落とすプロセスと捉えることができ、価格が再び上昇に転じる布石となる可能性もある。
しかし、この短期的な投げ売りの波は、強力なサポートゾーンで壁にぶつかった可能性がある。
DOGEのコストベースヒートマップは、平均取得価格によるウォレットクラスターをマッピングし、0.21ドル付近に大量の供給帯があることを示している。この範囲には97億7000万以上のDOGEが存在し、多くの保有者がこのレベルで購入し、それを守る可能性が高いことを示唆している。歴史的に、これらのゾーンは調整時にドージコインの価格サポートの床として機能する。
この感情的な退出（NUPLの低下）と構造的な防御（コストベースのサポート）の合流は、完璧なセットアップを形成している。パニックは冷め、強い手がラインを守っている。
売り手の勢いが衰え、隠れた上昇傾向のダイバージェンスが形成
ここで、シナリオを一変させる可能性のあるモメンタムシグナルが登場する。相対力指数（RSI）の隠れた強気のダイバージェンスである。
RSIは価格の動きの強さを追跡する。通常、強気のトレンドでは、価格とRSIが共に上昇する。しかし、隠れたダイバージェンスはそのパターンを破る。
過去数日間、ドージコインの価格は高値を形成しており、ディップ時に買い手が早く入っていることを示している。しかし、RSIは低値を刻んでおり、モメンタムが冷え込んでいる一方で、価格構造は維持されている。この不一致は重要であり、売り手が勢いを失っていることを示唆している。
隠れた強気のダイバージェンスは、通常、より大きな上昇トレンド内の統合や押し戻しで現れる。まさにここでの状況であり、DOGEは過去3か月で30%以上上昇している。この形のダイバージェンスは、広範なDOGE価格の上昇トレンドが維持され、起こったのは単なる統合であり、弱気への転換ではなかったことを示している。
短期保有者のNUPLが投げ売りに陥り、コストベースのヒートマップサポートが0.21ドルでしっかりと保持されていることと組み合わせると、RSIのセットアップは強さを示唆するだけでなく、表面下での強気の継続を示すケースを完成させている。
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ドージコイン価格、セットアップ確認にはブレイクアウトが必要
ドージコインは現在0.23ドルを少し下回る価格で取引されており、重要なフィボナッチレベルである0.23ドル（0.382リトレースメント）と0.21ドル（0.5リトレースメント）の間を推移している。強気のダイバージェンスのシナリオが完全に展開するためには、価格が0.21ドルを上回り、0.25ドルを再び超える必要がある。
0.25ドルを超えるブレイクアウトは、次の抵抗がある0.28ドルへの道を開く。
しかし、0.21ドルのゾーンが崩れると、モメンタムが衰え、価格は0.19ドルや0.17ドルに再訪する可能性があり、強気の仮説が無効になる。しかし、コストベースのヒートマップは0.21ドルのレベルがいかに強力であるかを明確に示している。
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