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米欧摩擦とFRB不信、中国に広がる金融主導権

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Shigeki Mori

20日 1月 2026年 08:41 JST
  • 米連邦準備制度への監視強化と司法省の関与により、ドルへの信認が揺らぎ、中央銀行の独立性に対する懸念が高まっている。
  • グリーンランドを巡る米欧間の緊張と通商問題が地政学リスクと市場の不透明感を高めている。
  • 各国が分散化を模索する中、中国は西側の緊張を利用し、人民元取引と決済の拡大を進めている。
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米ドルへの信認は、米連邦準備制度理事会(FRB)の政策運営を巡る監視強化を背景に揺らいでいる。これに加え、米国がグリーンランドへの関与を強める姿勢を示したことで、欧州との摩擦が表面化し、地政学的緊張も高まっている。

こうした環境変化の中で、中国が間接的な恩恵を受け始めている。元建て貿易や決済インフラの拡充を通じ、北京政府はドル依存のリスクを意識する各国の動きを取り込みつつある。政治的な不確実性や金融政策の透明性低下を背景に、決済手段や準備資産の分散が進み、デジタル通貨や暗号資産を含む新たな金融秩序を巡る主導権争いで、中国の存在感が強まりつつある。

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FRB混乱でドルの安定性に疑問

ワシントン発の政策がここ数週間、世界市場に不透明感をもたらし、特にドルが大きく影響を受けている。

世界で支配的な通貨への信認は、連邦準備制度理事会のジェローム・パウエル議長に対する刑事捜査を代表とする一連の政治動向の中で揺らぎを見せている。

この動きは、トランプ政権が中央銀行に利下げを迫ろうとする試みと広く見なされているが、経済指標や連邦公開市場委員会(FOMC)はその必要性がないと示している

トランプ氏は、連邦準備制度との政策方針をめぐり対立した初めての大統領ではない。ただし、司法省の関与は異例かつ重大な事態のエスカレーションと言える。

この一連の動きが投資家を動揺させている。中央銀行の独立性やドルへの信頼度合い自体への疑念も生じている。

ホワイトハウスによる地政学的な動きも、この不安をさらに強めている。

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米欧の結束にほころび

米国と欧州連合は長らく結束を示してきたが、トランプ政権発足以降、その結束が揺らぎ始めている。

大統領によるグリーンランドへの関心を契機に対立は一段と激化した。

欧州連合が、デンマーク主権下にある自治領の米国による取得を完全に拒否したことを受け、トランプ氏は欧州8か国からの輸入品に10%の税金を課すと脅し返した。

この対立を受け、欧州側は報復措置に向けて動いている。欧州連合27加盟国の首脳は、対抗措置を協議するため数日内に集まる予定。

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これまでのところ、どちらも事態の沈静化に動いていない。ダボス世界経済フォーラムで記者団に対し、スコット・ベッセント米財務長官は「欧州が報復措置に出るのは極めて賢明でない」と警告した。

一方で、地政学リスクや貿易の不透明感、制度の信認に対する疑念が、ドルの世界経済における役割に影を落としている。こうしたなか、これらの弱点を利用し得る競合国にとっては新たな機会が生まれている。

中国 西側分断を活用

中国は長年、代替的な金融システムの構築に向けた土台づくりを進めてきた。

元建て決済の拡大、独自のクロスボーダー決済インフラの推進、そして国際取引での通貨利用の拡大などを進めてきた。

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こうした取り組みは、現行の地政学リスクと無関係に、米国の政策や制裁への依存を減らすことを狙ったもの。

しかし、米国における制度の安定性への疑念が高まる中で、これらの動きは以前にも増して重要性を帯びている。北京政府にとって、今の環境は自国の行動というより米国の指導力に対する不信の拡大が生み出した戦略的な好機となっている。

中国はドルを置き換える必要はない。この変化から恩恵を受ける上での強みは、支配力よりも選択肢の提供だ。決済や資金調達の追加的なチャネルをパートナー国に用意する構図。

ワシントンと欧州連合の間の緊張が、この機会をさらに支えている。西側ブロックの結束が弱まれば、ドルの世界的基軸としてのイメージも揺らぐ。

貿易混乱を懸念する国々にとっては、中国の拡大する金融インフラが有力な代替案に映る可能性がある。

独自のリーダーシップを模索する米国の動きが、北京に静かに影響力を広げる余地を与えている。

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