東証グロース上場でビットコイン財務企業のイオレは1月30日、約1億6650万円でビットコイン(BTC)を追加取得したと発表した。1月23日から30日の期間に約12.64BTCを平均購入単価約1,317万円で購入し、累計保有量は約160.55BTCとなった。同社が推進する「Neo Crypto Bank構想」の初期トレジャリー運用の一環だが、株価は過去1週間で伸び悩み、市場の慎重な見方が浮き彫りとなっている。
新株予約権行使で資金調達、段階的にBTC購入
今回のビットコイン購入は、第14回新株予約権の行使進捗を受けて実施された。イオレは2025年9月に第三者割当による第14回および第15回新株予約権の発行を決議しており、行使による資金調達を原資にビットコイン取得を進める戦略を採っている。
購入金額は1億6649万9183円で、約12.6414BTCを取得した。これにより累計購入枚数は約160.548514BTCに達し、累計平均購入単価は約1492万1411円となった。足元の市場環境をリスク局面と判断し、過度なリスクを負わず安定的に保有量を拡大できるよう運用方針を最適化したという。
Sponsored同社は今後、ビットコインの価格動向と新株予約権の行使状況を踏まえ、2026年3月期中に120億円から160億円規模のビットコイン追加取得を目指すとしている。取得したビットコインはレンディング運用により収益獲得も目論む。
株価は反応薄、市場は慎重姿勢
ビットコイン追加取得の発表にもかかわらず、イオレの株価は低調に推移している。2月2日は朝方こそAIデータセンター関連の覚書締結を好感して高く始まったものの、その後マイナスに転じた。過去1週間の株価推移を見ても、416円と26円安と軟調で、ビットコイン取得による明確な株価上昇は確認できない。
市場が慎重な見方を示す背景には、新株予約権の行使に伴う希薄化懸念がある。第14回新株予約権は行使価額修正条項付きで、株価に応じて行使価額が修正される仕組みだ。大規模な資金調達を暗号資産トレジャリーに振り向ける戦略は、既存株主にとって中長期的なリスクとなり得る。
また、ビットコイン価格の変動性も不透明要因だ。同社の累計平均購入単価は約1,492万円だが、ビットコイン相場は米国の金融政策や規制動向により大きく変動する。保有資産の評価損益が業績に与える影響は無視できない。
暗号資産トレジャリー企業、実績示せるか
イオレは2025年8月に公表した中期経営計画で暗号資産金融事業を中核に位置付けた。暗号資産トレジャリー事業と暗号資産レンディング事業を両輪とし、保有資産の値上がり益と運用収益の獲得を目指す。1月28日には暗号資産レンディングサービス「らくらくちょコイン」の事前登録が50億円相当に達したと発表している。
一方で、事業の実績は未知数だ。同社は従来、グループコミュニケーション支援サービス「らくらく連絡網」や運用型広告、求人情報サイトなどを手がけてきた。暗号資産事業への大胆なシフトが成功するかは、今後の運用実績にかかっている。
国内では他にもメタプラネットなど、ビットコインをトレジャリー資産として積極的に取得する企業が増えている。こうした企業の株価は暗号資産市場の動向に大きく左右される傾向があり、投資家はボラティリティの高さを織り込んだ投資判断が求められる。