Bank of Americaのレポートによると、イーサリアムが長期的に生き残れるかどうかは、スケーラビリティ次第であり、OFAC(米国財務省外国資産管理局)検閲の問題が(昨年の)Merge後に大きくクローズアップされていると論じている。
レポートによると、イーサリアムは先行者利益により分散型アプリ開発者を引きつけてきたが、シャーディングが稼働するまでは、ネットワークの混雑が予想されるとしている。
低いトランザクションスループットと検閲が今後の課題
Blockchairのデータによると、2023年3月12日にイーサリアム・ネットワークが処理したトランザクションは1秒あたり15件以下だった。
イーサリアムの今後を脅かすもう一つの問題は、バリデータが、OFACが承認したイーサリアムにアドレストランザクション処理のみを行っていることだ。
2022年のイーサリアムMerge後、バリデータはトランザクションをブロックに束ねてブロードキャストしている。(トランザクションの)提案者とビルダーを分けて、ビルダーはトランザクションブロックを構築し、ブロック提案者に提供する。提案者は、最も収益が上がるトランザクションブロックを選べる。
ビルダーと提案者の役割を分けることで、トランザクションは検閲されにくくなる仕組みだ。
MEV-Boostは、バリデータがブロック制作を入札落札者に委託してリターンを高くするソフトウェアである。バリデータは、フラッシュボットを含む特定のMEV-Boostリレーからのブロックを受け入れるようソフトウェアを設定できる。ただし、制裁対象のブロックからのトランザクションを拒否するブーストリレーは、イーサリアムネットワークの中立性を脅かすものだ。
イーサリアムは、プルーフ・オブ・ステーク(POS)チェーンに移行して以来、トランザクションブロックの56%がOFACの検閲対象となっている。イーサリアムの中立性の低下に拍車をかけているのは、セルシウスネットワークのように多くのバリデータ組織を抱えている点にある。
ETHネットワークはネット渋滞と制裁措置をどう乗り越えるか
イーサリアムの共同創設者、ヴィタリック・ブテリン氏のスケーリングロードマップでは、ロールアップはイーサリアムのトランザクションスループットを向上させる中間段階と位置付けられている。
イーサリアムのトランザクションスループットの低さに不満を持つ開発者は、ロールアップ用のアプリケーションを開発して、エコシステム内にとどまることもできる。
最高価値のロックを有するロールアップであるArbitrumのスマートコントラクトは、イーサリアム仮想マシンと互換性があり、開発者も簡単に移行できる。
自己保管用ウォレット「MetaMask」を進めるConsenSys社は、イーサリアム開発者が5分以内にオンボードできる、ゼロ知識証明のロールアップ初期バージョンの立ち上げを先日発表した。
イーサリアムのロードマップでは、shard chainsが外された。その代わり、開発者は「Proto-Danksharding」という中間段階と「danksharding」と呼ばれる新手法を用いる計画だ。
Proto-dankshardingは、トランザクションのコールデータセクションにトランザクション情報を配置する代わりに、一時的なデータBLOBを使用して、トランザクション費用を安価にするものだ。
Ethereum.orgは、完全なdankshardingは数年先になるかもしれないと予測している。そのため、Arbitrumのようなレイヤー2ソリューションの成長は、イーサリアムの開発者コミュニティを維持していく上できわめて重要となる。
監視サイトMEV Watchによると、先週末の全トランザクションブロックのうち、OFAC規則に準拠していたのは3分の1のみであったため、検閲の面では望みが持てるかもしれない。(報道時点の)前日も数字は変わらなかった。
今後は検閲のさらなる減少もありうる。というのもUltra SoundのようなMEV-Boostソフトウェアの非検閲機能の亜種が出現し、ここ2週間で約20%のブロックが処理されたからだ。
昨年、非営利暗号資産シンクタンクのCoin Centerは、イーサリアム・ミキサーのTornadoCashに制裁を課したとしてOFACを提訴した。
Be[In]Cryptoの最新のビットコイン(BTC)分析は、こちら=>ここをクリック
Follow us on:
X(Twitter):@BeInCryptoJapan
Telegramチャンネル:@BeInCrypto Japan オフィシャルチャンネル
免責事項 - Disclaimers
当ウェブサイトに掲載されているすべての情報は、誠意をもって作成され、一般的な情報提供のみを目的としています。当ウェブサイトに掲載されている情報に基づいて行う一切の行為については、読者ご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。