イーサリアムは3,000ドル付近で依然として伸び悩んでいる。複数回の回復局面も勢いに欠ける。ETHはこの心理的節目直下で取引されており、慎重なセンチメントを反映している。
投資家の関心は高まっているが、オンチェーンの活動は低調なまま。このアンバランスが、ネットワーク利用が伴わぬままイーサリアム価格が過熱しているとの懸念を生んでいる。
イーサリアム保有者が増加傾向
イーサリアムでは新規ウォレットの作成が着実に増加している。現在、1日平均で約16万3,000件の新規アドレスが生成されている。これは、ネットワーク成長がピークと見なされた7月の1日当たり約12万4,000件を上回る水準。
Sponsored価格推移がやや弱含む一方、イーサリアムへの投資家の関心が根強いことを示す。一方、ウォレット増加はエクスポージャーへの需要継続をうかがわせるものの、新規アドレス数の増加だけで価格の強さが保証されるわけではない。
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マクロ指標はまちまちの様相を見せている。イーサリアムのネットワークバリュエーション対トランザクション比率(NVT)は急上昇中。この指標は現在16か月ぶり高水準にあり、過熱感を示唆している。
NVT比率が高水準にあるのは、マーケットバリューが取引活動を上回るペースで拡大している兆し。回復への期待感が関心を押し上げているものの、実需は追い付いていない。オンチェーン活動の本格的な増加がなければ、ファンダメンタルズを超える評価過熱によって価格の伸びが鈍化するリスクも残る。
イーサリアム価格、依然反発力不足
イーサリアムは執筆時点で約2,986ドル付近に位置し、3,000ドルのレジスタンス手前で推移。この水準は直近で繰り返し試されてきたが、ブレイクに失敗したことでトレーダーの間に慎重ムードが広がっている。
ETHは今後3,000ドル以下で揉み合うか、あるいは一時的に上抜けしてもサポート化できない可能性がある。取引活動が低迷したままだと、下押し圧力が再燃する懸念もある。その場合、2,798ドルのサポートが再度試される展開も予想され、マクロ面の不均衡が解消されない状況が続く。
好転すれば見通しは上向く。取引量が増えればイーサリアムは3,000ドルをサポートとして確保できる。維持に成功すれば、次は3,131ドルがターゲットとなる。この障壁を明確に突破できれば弱気シナリオは否定され、ETHは3,287ドルを目指す展開となり、投資家心理も回復する。