米連邦準備制度理事会(FRB)の25bp利下げが、暗号資産市場の“クジラ”たちに決定的な行動を促した。
大量のイーサリアム(ETH)現物買い、機関投資家によるソラナ(SOL)の引き出し、XRPの供給分布の変化――一連の動きは、マクロ政策が暗号資産の資金フローをどれほど深く左右するかを物語る。
ETHクジラ、FRB利下げ直後に1億1200万ドルを投下
SponsoredFRBの四半期ポイント利下げ発表から数時間内に、オンチェーンでは異例のETH買いが観測された。
クジラアドレス0xd8d0は、LookonchainによればUSDCで約1億1234万ドル分、25,000 ETHを平均4,493ドルで取得。
借入コストの低下とドル軟化がリスク資産への流動性供給を後押しするとの見立てが背景。すでにステーキング需要やスケーリング強化で下支えされるETHは、クジラの即時的な積み増しで先回りの色合いを強めた。
別の大口0x96F4も、約2時間でバイナンスから15,200 ETH(約7,044万ドル)を引き出し。資金厚いプレイヤー間の蓄積観測を加速させている。
機関、ソラナを継続積み増し
ソラナも活況。機関ブローカーのFalconXは、11万8,190 SOL(約2,839万ドル)をバイナンスから引き出し、強い機関需要を示唆。
Sponsored SponsoredLookonchainによると、100万SOL超の保有主体は少なくとも6つ。フォワード・インダストリーズは平均取得232ドルで6.82百万SOL(約15.8億ドル相当)を保有する最大級の一角だ。
ソラナ先物の出来高は直近で223億ドルに達し、SOLはSECの一般基準下でETFリスト適格資産の一つに。機関・クジラ双方からの資金流入期待が高まる構図だ。
XRPクジラ、5,000万ドル超をコインベースへ移送
XRPでは異なる動き。1,640万XRP(5,000万ドル超)がコインベースへ移され、利確やデリバティブ戦略への布石と解釈されている。
Sponsored同時に、XRP保有者は2025年9月に699万人で過去最高(ATH)に到達。
ただし水面下では分布が変化。10億XRP超の超大型ウォレットのシェアは低下し、100万〜10億XRPの“中堅層”が拡大している。
これは、クジラ集中から広範な参加へと構造的にシフトしている兆しだ。
Sponsored Sponsored機関向けプロファイルを拡大するXRP
それでもXRPは機関市場で存在感を増す。直近では、SECの一般ETF上場基準で承認されたグレースケールのデジタル・ラージキャップ・ファンド(GDLC)で3番目に大きい配分を獲得。
「グレースケール・デジタル・ラージキャップ・ファンド $GDLC が取引のために承認され、一般的な上場基準と共に認可された。ビットコイン、イーサリアム、XRP、ソラナ、カルダノを含む初のマルチ暗号資産ETPを市場に投入すべく迅速に動いている」——グレースケールCEO ピーター・ミンツバーグ 発言
さらに、CMEはXRP先物の上場を予定、オプションは10月13日に規制承認次第でデビュー。FalconXやDRWがサポートに名を連ね、ヘッジ手段の拡充と新たな機関需要の呼び水となる可能性が高い。すでにXRP先物のOIは10億ドルに達しており、厚い流動性が確認される。
クジラの再配置、分布の広がり、デリバティブアクセス拡充が収束しており、中期的には上向きの市況を示唆。短期価格は落ち着いていても、基礎的な市場構造は採用拡大と信頼醸成に資する形で整いつつある。