イーサリアムのトレジャリー企業上位5社に入るETHZillaが、保有するETHの大部分を売却した。この動きが、機関投資家がイーサリアムに対して弱気に転じているのか、それとも単にバランスシートのリスク管理なのかをめぐる新たな議論を呼んでいる。
ETHZillaは、シニア・セキュアード・コンバーティブル・ノート(優先順位付き転換社債)の早期償還の一環として、2万4291ETHを約74億5000万ドルで売却したことを明らかにした。
SponsoredETHZillaがイーサリアム売却し債務返済
同社は売却で得た資金のすべて、もしくは大部分を未払い債務の返済に充てる方針であり、償還は大晦日までに予定されている。
簡単に言えば、ETHZillaは貸付を返済するためにイーサを売却したのであり、イーサリアム価格の下落を予想したわけではない。シニア・セキュアード・コンバーティブル・ノートは返済優先順位が高く、現金による精算が求められることが多い。
ETHのような流動性資産の売却は、こうした債務を清算するための一般的な手段。
また同社はこれまでイーサリアム保有残高と純資産価値を追跡していたmNAVダッシュボードを今後廃止すると発表した。
ETHZillaは今後、自社の評価基準を暗号資産トレジャリー単独ではなく、現実資産(RWA)トークン化事業による収益やキャッシュフローに重きを置くべきだと表明した。
ETHZilla、イーサリアム財務専業から脱却
今回の動きは投げ売りではなく、戦略的転換を示している。ETHZillaは暗号資産トレジャリー中心のストーリーから、RWAトークン化を軸とする事業モデルへとシフトしている。
イーサリアムは引き続きバランスシート上に残るが、もはや中核的な投資根拠ではない。
市場の視点から見ると、今回の売却は債務返済に伴う一時的かつ機械的な売り圧力に過ぎず、イーサリアムからの機関投資家の本格的な退出を意味しない。
いずれにせよ、同社株価は本日の発表後、大幅に下落した。
ETHZilla株、売却発表後に約5%急落 出典:Google Finance
イーサリアムは直近の取引で3000ドル近辺で推移し、12月中旬の最安値2900ドル付近から反発したが、依然としてもみ合い局面が続いている。
リスク資産全体への不透明感や年末の流動性低下、機関投資家の売買も交錯しているため、ETH市況はレンジ内にとどまっている。
こうした背景下では、単発のトレジャリー売却による影響は限定的だ。より広範な売却トレンドでなければ、持続的な影響は及ぼさない。
他市場の直近売買動向
他の大型取引も、イーサリアムに対する機関投資家の姿勢が一方向ではなく、複雑であることを示している。
Sponsored Sponsored今月初めには、オンチェーンデータがアーサー・ヘイズ氏による数百万ドル相当のETHの機関や中央集権型取引所への移動を示した。
多くは売却と受け止めたが、同氏はこれをイーサリアムからの離脱ではなく、選択的なDeFiポジションへのリバランスと説明している。(同氏の発言)
一方で、トム・リー氏に関連するBitMine Immersion Technologiesは、12月中も積極的にETHの買い増しを続けている。
BitMineの直近の買い増しは12月22日に行われ、市場の下落時にトレジャリーを積み増している。
総じてETHZillaの売却はイーサリアムへの弱気見通しではなく、債務と企業リストラクチャリングに端を発している。
ここ最近のトレジャリー企業の動きは、市場が機関投資家による全面的な売却ではなく、リバランスや選択的な買い増し、バランスシート健全化に支えられていることを示している。