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「ニセ警官」を装った暗号資産詐欺相次ぐ―被害総額数億円規模

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執筆&編集:
Shigeki Mori

11日 12月 2025年 21:38 JST
Trusted-確かな情報源
  • 北海道や石川県小松市などで警察官を装う詐欺グループが暗号資産送金を指示し、数千万円以上の被害が発生。
  • 詐欺は通信会社名や警察名を偽り暗号資産口座の開設と送金を促す巧妙な誘導が特徴である。
  • 被害防止には警察署への直接連絡や不審な暗号資産取引指示への対応注意が必要である。
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北海道から西日本まで、警察官を装った詐欺グループによる暗号資産絡みの特殊詐欺が相次いで発生していることが11日、わかった。高齢者らが警察や通信会社をかたる電話やSNSメッセージに誘導され、自ら暗号資産口座を開設し送金するケースが確認された。本稿では最新3件の詳細と手口の共通点を報じる。

警察官を騙る巧妙な電話詐欺

12月11日、北海道地方では60代男性が“ニセ警官詐欺”により約1億4500万円分の暗号資産をだまし取られる事件が発生した。被害者には北海道警等を名乗る電話があり、口座開設を促す巧妙な誘導が行われたとされる。

同日、小松市でも同様の詐欺が報告された。通信事業者を名乗る男から「免許証で携帯が二重契約されている」との電話があり、その後、大阪府警を名乗る人物との連絡を経て「名義が振り込め詐欺に使用されている」と説明された被害者の50代女性は、暗号資産3700万円分を指定アドレスに送金してしまった。

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これらの手口はいずれも「捜査協力」を装い不安を煽る点が共通しており、警察当局や通信会社が事前に提供する正規の確認方法を用いていないことから、詐欺と断定されている。

暗号資産口座開設から送金まで

被害者への接触は固定電話やSNSメッセージを介して行われることが多い。犯人は実在の部署名や担当者名を用い、信用させたのち「捜査協力のため暗号資産を利用した調査が必要」と誘導する。暗号資産口座の開設を指示し、被害者自身に購入・送金させるケースも確認されている。

例えば3700万円相当の送金を行った女性は、詐欺グループによる指示で複数日にわたり指定されたアプリを利用し、暗号資産を購入・送信したとされる。犯行後は相手と連絡が取れなくなり、被害に気付くという典型的な流れがみられる。

暗号資産は一般の送金手段と比べて匿名性や不可逆性が高く、詐欺後の追跡が困難であることも被害拡大の一因と指摘されている。

被害拡大の背景と防止策

今回の一連の詐欺事件は、高齢者を中心とした警察官名乗る特殊詐欺の手口が暗号資産にまで波及したものだ。警察庁や各地の警察本部は、電話で「逮捕状が出ている」等と不安を煽られた際は、相手の所属や内線番号を確認し、最寄りの警察署へ直接連絡するよう呼び掛けている。

暗号資産取引所の口座開設や送金は、正規の取引目的以外には用いられないことを認識し、不審な指示や出所不明の連絡には応じないことが重要だ。特に警察や金融機関がSMS、SNSで直接連絡を取ることは通常なく、不信感を抱いた時点で関係機関に相談することが推奨される。

被害者や家族は、少しでも不審な点があれば110番や取引所サポートへの相談を躊躇せず行うことが肝要である。

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