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暗号資産詐欺15の典型的な手口とは

25 mins

近年、暗号資産(仮想通貨)の投資や取引が盛んになるにつれ、悪意のある詐欺も増加しています。特に、暗号通貨初心者を狙った巧妙な手口が横行しており、多くの被害者が生まれています。

そこで本記事では、暗号資産詐欺の代表的な15種類と、被害を防ぐための対策について詳しく解説します。暗号資産詐欺の被害を少しでも軽減したい人は、ぜひ最後までご覧ください。 

なぜ暗号資産詐欺が多いのか?

暗号通貨詐欺が多い理由は、主に以下の3点です。

  • 非中央集権性:仮想通貨は中央管理者が存在しないため、怪しい取引を監視したり、停止したりする権限を持つ機関がない
  • 不可逆性:一度実行された仮想通貨の取引は取り消すことができず、詐欺に遭ってしまった場合、泣き寝入りするしかなくなってしまう可能性がある
  • 匿名性:仮想通貨ユーザーは、氏名ではなくウォレットアドレスで取引を行うため、犯人の特定が困難になる

上記特徴は、暗号資産の革新性をもたらす一方で、詐欺行為を助長する要因にもなっています。

暗号資産詐欺の種類と対策

暗号通貨詐欺には様々な種類がありますが、以下に代表的な15種類と、それぞれの対策をまとめました。

  • ソーシャルエンジニアリング詐欺
  • フィッシング詐欺
  • 偽アプリ・取引所詐欺
  • プレゼント詐欺
  • 投資詐欺
  • パンプ&ダンプ詐欺
  • 恋愛詐欺
  • 恐喝・脅迫詐欺
  • アップグレード詐欺
  • SIMスワップ詐欺
  • クラウドマイニング詐欺
  • ICO詐欺
  • 著名人・インフルエンサー詐欺
  • ラグプル詐欺
  • 企業・政府・求人詐欺

ソーシャルエンジニアリング詐欺

巧妙な心理操作によって、ユーザーの大切な情報であるアカウント情報や暗号通貨をだまし取ろうとする詐欺。詐欺師は、政府機関、企業、技術サポート、同僚、友人など、信頼できる存在になりすまして、被害者の信頼を悪用します。

詐欺師は時間をかけて被害者の信用を得ようと近づき、信頼関係を築いた後に、個人情報を入力させたり、デジタルウォレットへの送金を求めてきます。「信頼できる」と思われる相手から、何らかの理由で仮想通貨を要求されたら、詐欺を疑いましょう。

2023年2月には、バイナンス傘下のトラストウォレットが、ローマの犯罪組織によるソーシャルエンジニアリング攻撃で、400万ドル相当の資産を失いました。この詐欺では巧みにだまし取られ、メタバース関連スタートアップ「Webaverse」のトラストウォレットから暗号通貨が流出しました。

フィッシング詐欺

フィッシング詐欺は、オンラインの暗号資産ウォレットを狙った詐欺です。秘密鍵さえあれば、誰でもそのウォレット内の資金にアクセスできてしまいます。

詐欺の手口としては、偽のウェブサイトへのリンクが記載されたメールを送り、被害者に秘密鍵を入力させることが多く見られます。フィッシング詐欺は、最も頻繁に用いられる詐欺手段の1つです。

偽アプリと取引所サイト

偽の暗号通貨取引所プラットフォームやウォレットを作成し、ユーザーを騙そうとする方法です。偽サイトは、本物のサイトに似せたドメイン名を使うことが多く、見分けるのが困難。偽の取引所サイトの主な手口は、2つに分けられます。

  • フィッシング型: 本物そっくりに作られたサイトで、ウォレットのパスワードやリカバリーフレーズなど、暗号通貨にアクセスするための情報を入力させ、それを盗み取る
  • 直接窃取型: 最初は正常に動作し、少額の資金であれば出金も可能にします。投資額が増えると、ウェブサイトが閉鎖されるか、出金が拒否される

また、詐欺師は偽のアプリを作成し、Google PlayやApple App Storeに配信することもあります。偽アプリは発見され次第削除されますが、被害に遭うユーザーが後を絶ちません。

プレゼント詐欺

プレゼント詐欺は、詐欺師があなたから仮想通貨を騙し取る巧妙な手口です。有名な人物や企業になりすまして、プレゼント企画を偽装します。例えば、「10万円分のビットコインをプレゼント」など、一見すると魅力的なメッセージで誘導。

しかし、プレゼントを受け取るためには、参加費として暗号通貨を送金する必要があると要求されます。どんなに美味しそうな話でも、仮想通貨を送金する必要があるプレゼント企画は絶対に避けてください。

投資詐欺

投資詐欺は、高額な利益を約束してあなたから暗号通貨を騙し取る手口。詐欺師は、「投資すれば短期間で莫大な利益を得られる」と甘い言葉で誘います。

彼らは、架空の投資案件を持ちかけたり、巧妙な話術で信頼関係を築き、投資を促しますが、実際には投資金を持ち逃げしたり、投資した暗号通貨の価値が暴落するなど、被害が拡大する可能性が高いです。

パンプ&ダンプ詐欺

価格操作によってあなたから暗号資産を騙し取る手口です。詐欺師は、知名度の低い暗号通貨をターゲットに、巧妙な情報操作で価格を吊り上げます。

ソーシャルメディアなどで「このコインはすぐに値上がりする」と噂を広め、人々を買い煽り、価格が上昇したところで、詐欺師は保有するコインを売り抜けて利益を得ます。しかし、その後価格は暴落し、多くの人が損失を抱えることになります。

巧妙な手口であなたを騙し、大切な暗号資産を奪い取ろうとするため、甘い誘惑に惑わされず、常に冷静な判断を心がけることが重要です。

恋愛詐欺

マッチングアプリや出会い系サイトを通じて、甘い言葉で相手を巧みに誘い、金銭を騙し取る「ロマンス詐欺」が急増しています。詐欺師たちは、ターゲットとと信頼関係を築き、甘い罠を仕掛けてきます。そして、関係が深まった頃合を見計らって、投資やビジネスを持ち出し、高額な金銭を要求するのです。

近年特に目立っているのが、暗号通貨をターゲットとした恋愛詐欺。詐欺師たちは、暗号通貨への投資は高利回りで儲かるといった甘い話で誘い、ターゲットに暗号通貨を騙し取ろうとします。2021年、アメリカ連邦取引委員会によると、ロマンス詐欺の被害者の中で、暗号通貨で支払いを済ませた人々の損害額は、1億3900万ドルにも達しており、他の支払い方法よりも圧倒的に高い数字です。

恐喝・脅迫詐欺

恐喝・脅迫詐欺は、詐欺師が利用する一般的なソーシャルエンジニアリングの手法の1つです。詐欺師は、ユーザーが成人向けサイトや違法サイトを閲覧したという記録を所持しており、個人情報や仮想通貨を要求しなければ暴露すると脅迫しますが、これは犯罪行為である恐喝に該当するため、法執行機関に通報する必要があります。

アップグレード詐欺

暗号通貨プラットフォームは、他のソフトウェアと同様に定期的にアップデートされますが、詐欺師はこの事実を利用して、あなたの暗号通貨ウォレットの秘密鍵を盗み取ろうとします。

最近行われたイーサリアムの統合のような、正当な移行を利用して行われることもあります。この詐欺被害が拡大しているため、イーサリアム財団とロビンフッドはユーザーに対して、アップグレード詐欺に注意するよう警告を発しています。

SIM詐欺

SIM詐欺とは、詐欺師がSIMカードのコピーを入手し、携帯電話にアクセスする詐欺。一度アクセスされると、詐欺師はあなたの二段階認証コードを受け取り、暗号通貨ウォレットやその他のアカウントに不正アクセスすることができます。

被害者は、自分のアカウントがハッキングされて暗号通貨が盗まれたことに気づいても、すでに手遅れというケースが多いです。

クラウドマイニング詐欺

クラウドマイニングとは、暗号通貨マイニングの設備をレンタルして、採掘に参加するサービス。高価なマイニング機器を購入することなく、手軽にマイニングを始められるというメリットがあります。

しかし、多くのクラウドマイニングサービスは詐欺か非効率であり、ユーザーは投資した金額に見合う収益を得られないか、損失を被るケースがほとんどです。

ICO詐欺

ICOとは、企業が新しい暗号通貨を発行し、資金調達を行う仕組みです。しかし、詐欺師はこのICOを偽装し、偽のウェブサイトを作成して、ユーザーに暗号通貨を騙し取るケースがあります。

また、ICO自体が詐欺まがいなケースもあり、トークンを発行しても価値がなかったり、誇大広告で投資家を騙したりする悪質な事例も報告されています。暗号通貨関連の投資は、たとえ高額の利益がうたわれていても、安易に飛びつくのは危険です。

著名人・インフルエンサー詐欺

人気のある芸能人やインフルエンサーが、あたかも暗号通貨やプラットフォームを推奨しているかのように見せかける詐欺も存在します。実際には、開発者が仕掛け人となり、有名人に多額を支払って、宣伝させているだけというケースがほとんどです。

悪質な手口としては、偽造した画像や動画、ウェブサイトを使って、有名人がプロジェクトを支持しているように見せかけるものもあります。

ラグプル詐欺

ラグプルとは、日本語で「敷物を引き抜く」という意味の言葉です。暗号通貨の世界では、開発者が投資家を惹きつけて資金を集めた後、プロジェクトを放棄して逃亡してしまう詐欺行為を指します。

近年、特にDeFiやNFTと呼ばれる分野でラグプルが急増中。2021年のNFTブームに乗って、多くの詐欺師がロードマップを掲げ、投資家を騙しました。有名な例としては、Azuki NFTコレクションの創設者であるZagabond氏が、2022年5月に複数のNFTプロジェクトから多額の資金を持ち逃げしたことが挙げられます。

ラグプルには、ポンジスキームと呼ばれる手法が使われることもあります。これは、初期投資家への配当を、新しく参入した投資家からの資金で支払うという詐欺的な仕組みです。

さらに、PoS(Proof of Stake)と呼ばれる方式を採用しているプロジェクトでも、ラグプルが起こる可能性があります。これは、投資家から預かったトークンを悪用して、開発者が利益を得てしまうというものです。

なりすまし詐欺

ビジネスや信頼できる組織のなりすまし者が、暗号通貨を購入させ、送金させようとすることがあります。テキスト、電話、メール、ソーシャルメディアを通じて接触してくるケースが多いです。

詐欺師は、アカウントに不正利用があると主張し、問題を解決するために暗号通貨を購入して送金するよう指示し、偽のウェブサイトで詳細情報を入力させることがあります。また、有名企業が新しいコインを発行したと偽り騙すことがあり、本当に発行されたかどうかを調査することが大切です。

政府機関、警察、公共料金会社をなりすまして、法的問題があるか、お金を返済する必要があると主張することもあります。安全なウォレットアドレスに仮想通貨を送金するよう指示したり、暗号通貨ATMで現金を通貨に変換する手順を説明します。

暗号資産詐欺を見分ける方法

暗号通貨投資が人気を集める一方で、悪質な詐欺も横行しています。高額な被害に遭わないためにも、詐欺を見破るポイントと対策方法をしっかり把握しておきましょう。

  • 将来の利益を保証するような甘い話:どんな投資でも、必ず儲かる保証はありません。もし暗号通貨の投資で利益を確実 に約束するような話があれば、それは詐欺の可能性が高いです。
  • 不十分な説明や、存在しないホワイトペーパー:ホワイトペーパーとは、暗号通貨プロジェクトの詳細を説明した文書。 ホワイトペーパーには、通貨の仕組みや技術的な内容が記載されていますが、内容が不十分だったり、そもそもホワイトペーパー自体がなければ要注意です。
  • 過剰な宣伝活動:詐欺まがいなプロジェクトは、派手な宣伝活動を行う傾向があります。 オンライン広告やインフルエンサーを使った宣伝、オフラインでの勧誘などに注意です
  • 正体不明の運営チーム:誰が運営しているのかわからない、メンバーの情報が全くない場合は危険信号。 投資対象の公式サイトなどで、運営チームの経歴やソーシャルメディアでの活動を確認しましょう。
  • 無料配布の謳い文句:キャッシュバックや無料配布を謳う投資話には注意です

詐欺被害を防ぐための対策

  • ウォレットの安全を確保:暗号通貨は必ず、自分で管理できるウォレットに保管。パスワードは絶対に誰にも教えない
  • 不審な連絡には注意:突然のメッセージや電話で投資話をしてきた場合は、十分に注意が必要です。 個人情報を教えることは絶対にやめましょう。
  • 美味しすぎる話には裏がある:現実離れした高額な利益を約束するような話は、詐欺である可能性が高いです。 簡単に儲かる方法などないので、惑わされないようにしましょう。
  • 情報収集をしっかりする:投資する際は、焦らずに必ず情報を集め、 内容を吟味し、自分自身で判断してから決断するようにしてください。
  • SNSの情報を鵜呑みにしない:人気の投資案件だとしても、SNSの情報は鵜呑みにしないでください。 著名人が関わっているなど、あたかも信用できるかのような宣伝文句には騙されないようにしましょう

暗号資産詐欺に遭ってしまった場合の対処法

もし詐欺に引っかかり、個人情報を共有したり支払いをした場合は、即座に行動を起こすことが重要です。銀行カードを使用したり詐欺師と情報を共有した場合は、すぐに銀行に連絡しましょう。セキュリティ情報やパスワードの変更は特にオンラインバンキングでは重要になります。

暗号資産詐欺の報告方法

もし詐欺の被害に遭ったり、疑わしいと思ったりした場合は、金融犯罪に対応している期間を調べ連絡しましょう。アメリカでは、以下の機関に詐欺を報告できます。

Web3では詐欺を回避することが最優先事項

暗号資産の普及に伴い、詐欺発生も増加しています。Web3エコシステムは悪質な詐欺で溢れているため、業界に関わるすべての人が警戒心を持つことが重要です。詐欺を見抜く方法を学び、詐欺に遭わないための対策を講じましょう。

よくある質問

Q1: 暗号資産詐欺とは何ですか?

Q2: 最大の暗号通貨詐欺とは?

Q3:詐欺に遭ったらどうなりますか?

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Ikkan Kawade
2020年よりBTC投資をはじめる。同時に、暗号資産ブログとSNSの運用を開始。DeFiでの資産運用・Play to Earnゲーム・国内NFTへの投資も積極的に行う。メタバースに深い関心があり、「メタバースへの移住」が目標。
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