連邦準備制度理事会のジェローム・パウエル議長は15日、暗号資産銀行規制が一部緩和されることを示唆した。また、近い将来の利下げはありそうにないことを明確にした。
シカゴ経済クラブでの講演で、パウエル氏は貿易政策から生じる不確実性の増大に言及し、中央銀行の慎重な姿勢を強調した。
FRBパウエル、タカ派姿勢維持
パウエル氏の発言は、5月の利下げに対する市場の期待が崩れた中で行われた。CME FedWatchのデータでは、わずか16%の確率が示されている。米国株式は講演後にわずかに下落した。株式市場は、ハト派的なシグナルの欠如に対する投資家の失望を反映している。
「利下げを急ぐべきではない」とパウエル氏は述べた。「連邦準備制度の政策変更を考慮する前に、さらなる明確さを待つ理由がある。」
しかし、暗号資産市場は比較的安定していた。利下げの楽観論はすでに織り込まれていた。先週のFOMC議事録がタカ派的で、CPIが予想を下回ったためだ。
パウエル氏はデジタル資産についても直接コメントした。
「暗号資産はますます人気が高まっている。ステーブルコインの法的枠組みは良い考えだ。」
同氏は、連邦準備制度が暗号資産に関する一部の銀行規制の緩和を支持していると付け加えた。連邦準備制度は、この分野が成熟しており、制約ではなく、より明確な監視が必要であると認識している。
即時の政策緩和はないが、暗号資産規制に対する前向きな見通しという二重のメッセージは、デジタル資産市場全体で控えめな反応を引き起こした。
ビットコインは8万4500ドル付近を推移し、株式市場のリスクオフの中でも耐性を示した。パウエル氏は、2025年初頭に経済成長が鈍化した可能性が高いと認め、トランプ氏の関税が「不確実性の主要な要因」であると警告した。
また、連邦準備制度が量的引き締めを終了するには程遠いと述べ、インフレが再燃した場合には困難な政策選択を迫られる可能性があると指摘した。
連邦準備制度は、必要に応じて世界の中央銀行にドル流動性を提供する準備があることを再確認したが、パウエル氏は連邦準備制度の「プット」についての考えを否定した。同氏は、中央銀行の独立性は「法律の問題」であると述べた。
暗号資産市場にとって、規制のトーンは、タカ派的なマクロ環境の中での一筋の光明であった。
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