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4年周期のビットコインサイクルは終焉か|新規投資家がルールを変える可能性

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著者:
Camila Naón

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編集:
Shota Oba

15日 8月 2025年 20:51 JST
Trusted-確かな情報源
  • ビットコインの価格は2024年の半減期前に急騰し、通常の半減期後の上昇パターンを破った。これは個人投資家の投機ではなく、機関投資家によって牽引された。
  • 機関投資家が長期的なビットコインの蓄積を進め、半減期イベントの市場への影響を減少させている。
  • ビットコインは現在、マクロ経済資産として振る舞い、世界的な流動性や経済状況に連動し、広範な金融市場での成熟を反映している。
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多くのトレーダーは、ビットコイン(BTC)の半減期イベントを価格上昇の前触れとして長らく捉えてきた。しかし2024年、このサイクルは従来のパターンから外れた。ビットコイン価格が半減期前に急騰するのは初めてだった。

デリバティブ取引の専門家はBeInCryptoに対し、この半減期前の価格上昇は今後のサイクルでも繰り返される可能性が高いと指摘する。ビットコインが主流の金融システムに組み込まれ、機関投資家の関心を集めたことで、従来の小売投資家主導の予測可能なサイクルが置き換わりつつあるという。

4年周期の影響力低下

ビットコインは誕生以来、伝統的な4年サイクルに沿った価格推移を見せてきた。サトシ・ナカモトが打ち立てた希少性の維持とインフレ抑制の原則に基づき、半減期では新規発行されるブロック報酬が半分になる。

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例えば2016年や2020年の半減期では、価格はイベントに向けて上昇し、その後数カ月で過去最高値を更新するパターンが見られた。

しかし、この重要な供給ショックは変化しつつある。2024年4月の半減期を前に、ビットコインは数週間前に新たな過去最高値を付けた。

これまでの戦略は、弱気相場で買い増し、半減期後のブル相場で高値を狙うというものだったが、昨年はこの常道から外れた格好だ。

もっとも、この変化は必然とも言える。2008年の誕生以来、ビットコインは大きく進化し、世界的な金融機関による実需が高まったことが、この予測可能性からの逸脱を一部説明している。

半減期前の異例な高騰の背景

2024年3月に起きた異例の半減期前ピークは、従来の小売投資家による熱狂ではなく、新たな投資家層による強い需要が引き金だった。

暗号資産デリバティブ取引の専門家でジェネシス元マネージングディレクターのゴードン・グラント氏は、こうした大規模かつ洗練された投資家を「トップティアのアロケーター」と呼ぶ。

この層には企業の財務部門や機関投資ファンドが含まれ、歴史的に高値圏で初めてビットコイン投資を行う事例が増えている。

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小売投資家と異なり、彼らの戦略は短期売買ではなく長期保有を前提としている。

トップティアのアロケーターは、過去に法定通貨を資産に振り向けていた層から、現在の価格帯で初めて資産配分を行う層へ移行している。しばしば転換社債やエクイティパイプを通じて資金を調達し、運営事業に流動性を注入するために資金を集め、関連する暗号資産を取得して純資産価値の倍率向上を狙っている。グラント氏|BeInCryptoへのコメント

こうした企業はビットコインを長期保有資産とみなし、可能な限り早期に保有量を増やすことを目指している。これは伝統金融への統合の進展を象徴している。

ある意味では、これはデジタル資産の金融化が頂点に近づいている兆しだグラント氏

こうした機関投資家の需要が半減期前に資金流入を生み出し、供給ショックが起きる前に価格を押し上げた形だ。この変化は、今後の相場分析において注視すべきシグナルの変化も意味する。

予測可能な指標からの転換

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従来、半減期は小売投資家にとって強力な相場材料だった。発行量が半減することで供給が絞られると予想し、価格上昇を見込む動きがあったためだ。

このパターンはビットコイン投資ストーリーの中核をなし、市場心理を左右してきた。しかし現在、この予測可能な動きはもはや絶対ではない。

グラント氏は、市場が成熟し、半減期の影響を事前に織り込みやすくなったと説明する。

他の市場におけるアルファシグナルと同様、半減期シグナルも事前に取引され、予測され、投資判断に効率的に組み込まれるようになってきたグラント氏

つまり洗練された投資家は、イベントを待たずに事前にポジションを構築し、半減期のサプライズ効果を弱めている。

ファルコンXのグローバル市場共同責任者ジョシュア・リム氏も、ビットコインは現在、半減期サイクルよりも世界的な流動性サイクルに左右される度合いが強いと語る。

ビットコインは今やマクロ環境に連動しており、世界的な流動性やドルの動向が主要なドライバーだリム氏

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非相関資産からマクロ連動資産へ

機関投資家マネーの流入により、ビットコインは孤立した資産ではなくなり、伝統的市場の影響を受けやすくなった。

時価総額2.5兆ドルの資産となったビットコインは、マクロポートフォリオの一部として成熟し、金と同様の動きを示すようになった。世界的な流動性やドルの弱さの代理指標ともいえるリム氏

今や価格は供給・需要のバランスだけでなく、世界経済の動向に敏感に反応する。

投資戦略の変容

グラント氏とリム氏は、半減期イベントは消滅するのではなく、機関投資家主導のより複雑な現象へと変わったとみる。

今後のビットコイン価格は、グローバルマクロ資産としての性質を反映し、中央銀行政策やインフレ率、世界的な資金循環が、半減期そのものよりも大きな影響を及ぼす可能性がある。

これは、ビットコインが投機的資産から本格的な金融商品へと成熟し、世界経済における役割が新たな段階に入ったことを意味している。

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