フランクリン・テンプルトンは、ベンジー・テクノロジー・プラットフォームをBNBチェーンに拡張すると発表し、オンチェーン金融戦略をさらに強化する姿勢を示した。
今回の動きは、世界有数の資産運用会社と、低コスト・高速決済・拡大する小売および機関投資家基盤を持つブロックチェーンを結びつけるものとなる。
Sponsored機関投資家の進出でトークン化競争が激化
ベンジープラットフォームは、フランクリン・オンチェーン米国政府マネーファンド(FOBXX)を支えており、ブロックチェーン上で株式保有を記録・処理する初の米国登録ミューチュアルファンドである。
各株式は1 BENJIトークンに対応し、日次のサブスクリプション、P2P転送、リアルタイムの純資産価値算出を可能にしている。
ローンチ以来、同ファンドは7億4200万ドルの資産を運用し、5100万ドル超の配当を支払ったとRWAレポートは伝えている。
フランクリン・テンプルトンは、BNBチェーン追加により「投資家の活動拠点で柔軟に対応できる」とし、コンプライアンスとセキュリティを最優先に据えると強調した。
BNBチェーンはガス代を抑えつつ1秒あたり200超のトランザクションを処理可能で、大口投資家から小口ユーザーまで幅広い層の参入障壁を低減すると期待される。
Sponsored“BNBチェーンとの統合により、フランクリン・テンプルトンはクライアント需要が高まる場で存在感を発揮できる。また、トークン化マネーファンド以外の新商品への関心が高まる中、市場進化への備えにもつながる。” —— マイク・リード上級副社長(デジタル資産パートナーシップ開発部門)、BeInCryptoへのコメント
フランクリン・テンプルトンがBNBチェーンを選ぶ理由
BNBチェーンは、トークン化資産のハブとしての評価を高めている。アナリストは、同ネットワークの永久取引量が510億ドルに達し、流動性が一段と厚みを増していると指摘している。
今回のベンジー追加は、サークルのUSYCトークンや、フランクリン・テンプルトンとバイナンスの提携といった既存の統合に続く流れでもある。
競合チェーンも資金流入を競っている。SolanaFloorは、ブラックロックのBUIDLファンドによる新規配分後、ソラナ上のトークン化資産が6億7100万ドルに達したと報告した。
リップルとセキュリタイズも、トークン化国債に24時間オフランプを導入し、常時決済オプションを追加している。
一方でリスクも残る。JPモルガンのアナリストは、規制の断片化や執行の不透明さが普及を遅らせる可能性を警告している。
RWAレポートによれば、トークン化資産は2024年初頭から224%増加したが、その大半は国債や短期信用市場に集中している。
“現在のマクロ環境は、新しい価値の保存と移転手段への需要を生み出している。トークン化資産は透明性・流動性・効率性を兼ね備え、この瞬間に最適だ。我々は既存商品の拡張とグローバルアクセスの拡大を優先し、投資家が変化から直接利益を得られるようにしている。” —— マイク・リード
フランクリン・テンプルトンのBNBチェーン拡大は、テスト段階から大規模展開への移行を意味する。こうした商品が市場で広く受け入れられるかは、規制の明確化、インフラの信頼性、そして安全資産以外への投資需要にかかっている。