2月の東京の早朝、FTXジャパンの顧客への出金再開が間近というニュースが、瞬く間に広がった。
FTXジャパンは、前CEOのサム・バンクマン-フリードが顧客資金の不正流用で告発された後、論争とスキャンダルに巻き込まれていた。今回、同社が出金ロードマップを遵守すると発表したことで、数ヶ月間資金にアクセスできなかった顧客には、ようやく救済されるかもしれないという希望が生まれている。
FTXジャパンが出金に対応
FTXジャパンのセス・メラメド(Seth Melamed)COOは、顧客の口座残高を確認した後、顧客は「Liquid Japan」に資産を移管できることを明言した。なお、Liquidへの移管が完了し、必要な認可が下り次第、FTXジャパンから顧客宛てに通知される予定とのことである。
今回の出金再開は、FTXジャパンが2022年12月にロードマップを示し、同取引所がLiquid Japanに資産を移す前に、口座残高を確認した顧客を無作為に抽出するベータテストを行って実現の道筋に至ったものだ。2022年11月にFTXが破産申請し、放置されていた顧客にとっては、期待できる展開となった。
この出金再開の他に、注目のニュースをブルームバーグが報じている。それによると、FTXの元エンジニアリング・ディレクターでサム・バンクマン-フリードの盟友であるニシャド・シン氏が、米国検察当局への供述において、詐欺容疑への関与を認める方向にあるとのことである。
元エンジニアリング・ディレクターが有罪を認める
シン氏の有罪申し立ては、バンクマン-フリードに対してかけられていた選挙資金規正法違反の容疑に光を当てる可能性がある。FTXの前CEOが、FTXの顧客資金をパンデミック防止に焦点を当てた政治活動委員会(PAC)に投資していたとされる件である。シン氏は、バンクマン-フリードの母親であるリンダ・フリードが代表を務めるPACに100万ドルを投資していたとされ、司法取引と引き換えに検察当局と協議していた。
エンジニアリング・ディレクターとして、シン氏はバンクマン-フリードのもう一人の部下であるゲイリー・ワン氏と緊密に仕事をしていた。ワン氏は元グーグル・フライトのエンジニアで、コーディングの達人だったが、FTXのアーキテクチャを設計し、損失が膨らんだ顧客のポジションを自動的に清算する有名な「清算エンジン」なども設計していた。このエンジンは、FTXのマーケットメーカーであるアラメダ・リサーチの損失を除外していたと伝えられている。デラウェア州の破産申請届によると、アラメダはシン氏に数億ドルを貸し付けていた。
ワン氏は、電信詐欺、電信・商品・証券詐欺の共謀の疑いで有罪を認めていた。同時に、バンクマン-フリードのもう一人の盟友であるキャロライン・エリソン氏も、不正行為に関与したことを認めていた。
このスキャンダルは暗号資産コミュニティに衝撃を与え、取引所のセキュリティと信頼性に対する懸念を高めることとなった。(こうした経緯により)FTXジャパンの(出金)問題は、業界に対する規制当局の監視を強化する必要性をあらわにした。
投資家や規制当局がスキャンダルの影響に対処する中、暗号資産の世界が再びその根幹を揺るがしたことは明白だった。しかし、出金が再開され、さらに多くの情報が明らかになる可能性があることから、この業界が過ちから学び、今後数年間でより強くたくましくなっていくことが期待されている。
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