戻る

ビットコイン軟調で「終焉」懸念 金は過去最高値

author avatar

著者:
Kamina Bashir

22日 12月 2025年 16:37 JST
Trusted-確かな情報源
  • 金価格は12月22日、1オンスあたり4,400ドルを超え過去最高値を更新した。
  • ビットコインは最高値を29.5%下回り、金や銀、株式を下回って推移している。
  • アナリストは、ビットコインと金の比率がリスク資産全体の脆弱性を示していると警告した。
プロモーション

金は12月22日、1オンス当たり4400ドルを突破し、過去最高値を記録した。 一方、ビットコイン(BTC)は現在、過去最高値から29.5%下で推移している。

ビットコインが金に対して下落傾向を示していることから、投機的資産が長期的な低迷局面に入るのではないかと、アナリストの間で懸念が広がっている。

Sponsored
Sponsored

金・銀・プラチナ急騰、貴金属高値圏

金は本日も上昇を続け、アジア時間の早朝に1オンス当たり4409ドルの新たな過去最高値を記録した。本稿執筆時点での価格は1オンス当たり4403ドルに調整されている。同時に、金先物も一時4415ドルの高値を付けた。

金価格のパフォーマンス 出典:TradingView

この強さは金だけにとどまらない。貴金属全体が堅調に推移している。銀は1オンス当たり69.4ドルまで上昇した。

「銀は現在、日々過去最高値を更新しており、2025年だけで140%上昇している。もはやテクニカル分析は通用しない状態で、8か月連続で上昇が続いている」と、The Kobeissi Letterが投稿した。

プラチナもこの上昇相場に加わり、数年ぶりの高値を付けた。過去最高値まで残り4.5%となっている。

「価格は1オンス当たり2040ドルを突破した。強いモメンタムによる上昇であり、一時的な急騰ではなく、明確なブレイクアウトを示している。金や銀に出遅れていたプラチナも追随する動きとなり、貴金属市場への関心が再燃し、割安なコモディティへのローテーションが示唆される」とアナリストのマリオ・ナウファル氏が記した

Sponsored
Sponsored

2025年 ビットコイン劣勢 金・銀が高リターン

一方、ビットコインは相対的に弱含みのまま推移している。直近24時間でビットコインは約0.89%の上昇にとどまっている。

本稿執筆時点での価格は8万8890ドルと過去最高値の29.5%下で推移している。この動きにより、長期保有者への圧力が高まり、利益も減少傾向にある。

ビットコイン価格のパフォーマンス 出典:BeInCrypto Markets

2025年の通年で見ると、ビットコインは約5%下落している。これに対し、伝統的資産は大幅な上昇を示した。直近のデータによれば、銀は138%、金もおよそ68%上昇した。

市場ストラテジストのチャーリー・ビレロ氏は、2024年1月に初のビットコインETFが上場して以来、金がビットコインのリターンを19%上回っていると指摘した。

「ビットコインが非常に多くの人が金や銀を買わない理由になっている。残念なことに、彼らはビットコインで大半の資金を失い、貴金属でさらに多くの利益を得るチャンスを逃すことになる」と、エコノミストのピーター・シフ氏は述べた

Sponsored
Sponsored

株式も今年はビットコインを上回った。ナスダック指数は20.8%、S&P500は16.4%、ラッセル2000指数は13.4%上昇している。

ある市場関係者は、年末に向けた金の過去最高値更新は、投資家が引き続き資本保全を重視しつつ、リスク資産へ選択的に移行していることを示唆すると説明した。アナリストによれば、金と株式が同時に上昇する局面は慎重な楽観ムードの兆しとされる。

「このような状況下では、ビットコインは加速せずレンジ内で推移する理由が説明できる」と、投稿には記されている。

アナリスト、比率変動をリスク資産への警鐘と指摘

ビットコインの軟調は、単なる市場センチメントだけでなく、より広範な影響を及ぼす可能性がある。ブルームバーグ・インテリジェンスのチーフ・コモディティ・ストラテジスト、マイク・マクグローン氏は、ビットコインと金の比率を重要な指標と捉えている

Sponsored
Sponsored

「もしS&P500が2026年に2008年以降で3度目の下落年となれば、投機的デジタル資産に匹敵する伝統的価値保蔵手段である“オンス金”は、先行指標として高い評価を受けることになるだろう。」

マクグローン氏は、ビットコインと金の比率が20倍付近の主要なテクニカルサポート水準で推移していると指摘した(12月19日付チャートに基づく)。

「なぜこの比率が約5倍の中央値へ収束しないのか。ビットコイン/金の比率は2020年から変わらず、堅調な株式市場にもかかわらず下落している点は、リスク資産の高値局面の終焉を示唆する可能性がある。ビットコイン/金の上昇には、株価の上昇が従来より前提条件だった。私見だが、これはインフレ後のデフレを先回りして織り込んでおり、株式が上昇し続けるには過大な負担となるかもしれない」とマクグローン氏は付け加えた。

Bitcoin to gold ratio chart
ビットコインと金の比率 出典: X/Mike McGlone

一方で、ビットコインの見通しをより楽観視する市場参加者もいる。あるアナリストは、金が買われすぎの可能性を指摘し、いずれ資金が貴金属からビットコインにローテーションされる可能性を示唆した。

「BTC/XAUは約20オンス金まで下落し、2024年初頭以来の水準。週足RSIは29.5で過去3年の最低水準に近い。これは過去のBTC対金で長期的な底を示す傾向がある。当社は強気なダイバージェンスを見ており、短期反発の可能性を示唆。金は割高でビットコインは割安だ」とWeb3 Vibesが述べた

ビットコインが金との差を縮められるかどうかは不透明。今後数カ月でマクグローン氏の懸念が現実となるか、リスク資産への投資意欲が戻るかが見極められる。現状では金がデジタル資産を大きく上回る展開。

免責事項

当ウェブサイトに掲載されているすべての情報は、誠意をもって作成され、一般的な情報提供のみを目的としています。当ウェブサイトに掲載されている情報に基づいて行う一切の行為については、読者ご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。

スポンサード
スポンサード