ジャクソンホールでの最後の基調講演で、FRB議長ジェローム・パウエル氏は金利引き下げに前向きな姿勢をにじませた。演説では進行中の財政課題とそれに対処する政策的アプローチについて語った。
ただし明確な約束はなく、複雑な経済状況を説明するにとどまった。それでも、これまでの強硬姿勢が軟化しつつあるとの印象を与え、暗号資産市場にとっては強気材料となる可能性がある。
パウエル氏の演説
パウエル氏のジャクソンホールでの講演は大きな注目を集めていた。発言がビットコイン価格を大きく動かす可能性があるためだ。トランプ大統領が直ちに交代させることはできないものの、任期は来年5月で満了する。したがって、今回が最後のジャクソンホールでの演説となる公算が大きい。
言い換えれば、もしこれまでの利下げへの抵抗姿勢を改めるなら、この場がそのタイミングだった。さらに、数十億ドル規模の暗号資産オプションが満期を迎えるほか、米財務省が国債買い戻しを実施するなど、市場は神経質な局面を迎えている。演説でパウエル氏は複数の課題を指摘した。
「今年、経済は新たな課題に直面している。政策が最終的にどう落ち着くのか、持続的な影響は何かについては不確実性が大きい。労働市場は一見バランスしているように見えるが、それは奇妙なバランスだ」
— ジェローム・パウエルFRB議長
またパウエル氏は、トランプ政権による関税の影響や、弱い雇用統計、上昇するインフレ率などについて言及。経済の先行きが悪化する可能性を示しつつ、金利引き下げの余地を示唆した。
「金融政策に与える影響は何か。我々の政策金利は昨年より100ベーシスポイント中立に近づいた。労働市場の不安定さや失業率の動向は、政策スタンス変更を慎重に検討することを可能にしている。リスクのバランスが変化すれば、政策修正が必要となるかもしれない」
— ジェローム・パウエルFRB議長
それでも、具体的な利下げ時期や幅については言及しなかった。パウエル氏は仮想シナリオを挙げつつも「まだその段階ではない」と示唆。現状では、将来的な利下げ期待が市場にとって唯一の支えとなっており、確約は示されなかった。
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