戻る

JOLTS求人件数、FRBの労働市場懸念で減少予想

editor avatar

編集:
Shota Oba

30日 9月 2025年 18:15 JST
Trusted-確かな情報源
  • 米国のJOLTSデータは、金曜日の9月の非農業部門雇用者数報告の発表を前に注目される。
  • 8月の求人件数は710万件に減少すると予測されている。
  • 労働市場の状況は、金利を設定する際の連邦準備制度理事会の重要な要因である。
プロモーション

求人件数と労働異動調査(JOLTS)が火曜日に米国労働統計局(BLS)から発表される。今回の発表では、8月の求人件数の変化に加え、解雇数や自発的離職数も明らかにされる。

市場予想では、8月の求人件数は前月の718万1,000件からわずかに減少し、710万件となる見通しだ。

JOLTSは労働需給を映す重要指標で、賃金やインフレ動向に直結するため、市場参加者や連邦準備制度理事会(FRB)の政策判断に大きな影響を与える。求人件数は2022年3月の1,200万件をピークに着実に減少し、労働市場が落ち着きを見せる一方で冷え込みも強まっている。

今年1月には770万件を超えていた求人件数は、3月に720万件へ減少。その後2か月連続で増加し、5月には770万件に戻したが、夏場に再び軟化し、7月には720万件を割り込んだ。

Sponsored
Sponsored

次回のJOLTSレポートで注目すべき点

求人件数は8月に710万件へ減少する見通しだ。FRB当局者の間では労働市場の先行きに対する懸念が高まっている。

9月の会合で25bpの利下げを決定した際、パウエル議長は雇用増加が損益分岐点を下回っていると認めた。さらに、FRB理事のミシェル・ボウマン氏は、最近の雇用統計の下方修正が「FRBが利下げで出遅れている証拠だ」と指摘している。

また、カンザスシティ連銀のジェフリー・シュミッド総裁は、9月の利下げが労働市場リスクの緩和に適切だったと述べつつ、最新データはむしろリスクが高まっていることを示すと付け加えた。

CME FedWatchツールによれば、市場は10月にさらに25bpの利下げをほぼ完全に織り込み、12月に据え置く確率は約30%とされる。もし求人件数が700万件を大きく下回るサプライズとなれば、追加利下げ期待が急速に高まり、米ドル(USD)には即時の影響が及ぶ可能性がある。

逆に、市場予想通りか上振れる結果なら、金曜発表の9月雇用統計まではUSDの底堅さが続く展開も考えられる。

JOLTSレポート発表の時刻とEUR/USDへの影響

求人件数は火曜日14:00 GMTに発表される。FXStreet欧州セッションリードアナリスト、エレン・センゲゼル氏はEUR/USDのテクニカル見通しを以下のように指摘している。

「短期的には方向感に欠ける。日足チャートのRSIは50付近にあり、ペアは20日・50日のSMA近辺で推移している。下値では100日SMAが1.1600で主要サポートを形成し、次いで1.1530(2月〜9月上昇トレンドのフィボナッチ23.6%戻し)、1.1300(同38.2%戻し)が控える。上値では1.1800(ラウンドナンバー)、1.1920(9月17日高値)、1.2000(静的・心理的抵抗)が注目される。」

免責事項

当ウェブサイトに掲載されているすべての情報は、誠意をもって作成され、一般的な情報提供のみを目的としています。当ウェブサイトに掲載されている情報に基づいて行う一切の行為については、読者ご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。