デジタルプラスグループが運営する法人向け送金サービス「デジタルギフト®」に、日本円ステーブルコイン「JPYC」が受取手段として追加された。ステーブルコインをギフトサービスの受取先に組み込む国内初の事例。企業から個人への送金市場において、低コストかつ多様な受取方法を求める事業者のニーズに応えるもので、web3関連産業で働くフリーランスやクリエイターなど新たな利用者層の取り込みも見込む。
Sponsored45兆円市場で受取手段を多様化
デジタルギフト®は、企業がインセンティブやキャンペーン謝礼などの支払いを個人に対して行う際、受取手段を複数の選択肢から選べる仕組みを提供している。今回JPYCが加わることで、銀行振込や電子マネー、ポイントといった既存の受取方法に加え、日本円と1対1で交換可能なステーブルコインでの受取が可能になる。同社によれば、企業から消費者への支払市場は約45兆円規模に上るとされ、決済手数料の抑制や送金の即時性を重視する事業者の需要は大きい。
JPYCはAvalanche、Ethereum、Polygonの3つのブロックチェーン上で発行されており、裏付け資産は日本円の預貯金および国債で保全される。資金移動業の登録を受けて発行される日本円ステーブルコインとして、スマートコントラクトとの組み合わせによるオンチェーンサービスや、将来的には給与受取やATM現金化など幅広い用途が想定されている。
web3層への接点拡大を狙う
デジタルプラスグループは、フィンテック事業とデジタルマーケティング事業を展開する持ち株会社で、子会社のデジタルフィンテックを通じてデジタルギフト®やデジタルウォレットなどの金融インフラサービスを提供している。一方、JPYCは資金移動業者として日本円ステーブルコインの発行を手掛けており、これまで前払式支払手段として「JPYC Prepaid」を展開してきた経緯がある。
両社の連携により、暗号資産やブロックチェーン技術に親和性の高いweb3ネイティブな層に対し、企業からの支払いを通じてステーブルコインへの接点を広げる狙いがある。送金手数料の低減やスマートコントラクトの活用による柔軟な価値提供が可能となることで、従来の金融インフラでは対応しづらかった小口決済や即時送金のニーズに応えられると見られる。国内でステーブルコインの実用化が進む中、企業支払いという具体的なユースケースを通じた普及が注目される。