トロン(TRON)ブロックチェーンネットワーク創設者のジャスティン・サン氏が、ブルーオリジンの商業宇宙飛行「NS-34」ミッションを終え、土曜日に無事帰還した。同氏は2021年に同ミッションへの参加権を獲得するため、2800万ドル(約40億円)の入札を行っていた。
地球の視点が惑星保護への考察を促す
今回のミッションには、サン氏を含めて計6人が搭乗した。飛行は約10分間に及び、乗組員は高度100キロメートルに位置する「カーマンライン」を突破。約4分間にわたって無重力状態を経験した。
Sponsored地球への帰還後、サン氏は「宇宙から見る地球は非常に小さく、私たちの唯一の故郷であることを改めて実感した」と述べ、環境保護や持続可能性への人類の責任を強調した。また同氏は、「宇宙から見ることで、地球を守ることの重要性を強く感じた」と付け加えた。
サン氏が感じたこの感覚は、宇宙から地球を眺めることで多くの宇宙飛行士が達成する「オーバービュー効果」と呼ばれる心理現象と重なるものだ。ブルーオリジンの宇宙飛行プログラムを通じて、これまでに70人以上が宇宙へと旅立っているが、サン氏はこのミッションで史上最年少の中国人宇宙飛行士となった。
宇宙への旅を終えたサン氏は、自身の経験が科学・技術・工学・数学(STEM)分野における若者の関心を高める契機になることを期待している。サン氏は入札で支払った2800万ドルを、ブルーオリジンが設立した教育基金「クラブ・フォー・ザ・フューチャー」に寄付しており、今後もSTEM教育の支援を強化する考えを示している。
サン氏が創設したトロンは現在、世界で3億2000万人を超えるユーザーを抱え、日間アクティブアドレスは300万以上を記録している。さらに、トロンネットワーク上では、826億ドル相当のステーブルコイン「USDT」が発行されている。

宇宙飛行を達成した暗号資産業界のリーダーはサン氏が初めてではない。今年初めには、主要なビットコインマイニングプールを共同創設したチュン・ワン氏が、SpaceXの軌道ミッションに搭乗し、最初の「宇宙に飛び立った暗号資産起業家」となった。サン氏は今回、ブルーオリジンのミッションに参加した初の暗号資産業界の人物となった。