2021年から世界的に盛り上がりをみせたNFTですが、2022年〜23年の暗号資産市場の低迷に伴い、オワコン視する声も少なくありません。確かに、99%価値が下がったNFTも存在し、投機目的で参入した人々にとっては厳しい状況と言えるでしょう。しかしその一方で、ドナルド・トランプ氏のNFTの盛り上がりや規制環境の明確化、ユースケースの多様化を通じてオワコン状態からの脱却を試みています。
本記事では、過去のNFT事例を紹介したのち、現在の実用性のあるNFT事例を紹介していきます。NFTはオワコンと感じている方はもちろん、「これからNFTを始めたい」と考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
NFTとは?特徴を解説
NFT(非代替性トークン)は、デジタル資産に唯一無二の証明書を発行する技術。従来のデジタルデータは、簡単に複製や改ざんすることが可能でしたが、NFTを用いることで、所有元を明確に証明することができます。
例えば、デジタルアート作品にNFTを発行することで、その作品が本物であることを証明することができます。また、ゲームアイテムやチケットなどにNFTを発行することで、希少性や価値を高めることができます。NFTは、単なる投資的な目的に留まらず、さまざまな分野での活用が期待されています。
- NFTの発行証:従来の発行証は、偽造や改ざんのリスクがありましたが、NFTを用いることで、より安全で信頼性の高い発行証を発行することが可能です
- NFTのふるさと納税:NFTを用いることで、デジタルアート作品やバーチャル体験などのユニークな返礼品を提供することができます
- NFT型のクラウドファンディング:クリエイターが自分の作品をNFTとして発行し、ファンから資金を集める新しいクラウドファンディングの形。参加者は、NFTを購入することでプロジェクトを支援し、その代わりに独自の特典を得ることができます
- NFTを用いたゲーム:NFTを用いたゲームでは、プレイヤーがゲーム内アイテムやキャラクターをNFTとして所有し、売買や交換が可能です。これにより、ゲーム内資産が現実の価値を持つことが特徴で、プレイヤーはプレイして稼ぐこともできます。
NFTは、まだ発展途上の技術ですが、今後は、不動産取引や、メタバース(仮想空間)上での経済活動にも、NFTが重要な役割を果たすことが予想されます。
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NFTは本当に”オワコン”なのか?
NFTは、デジタルアートやゲームアイテムなど、さまざまなデジタル資産の所有権を証明する技術として注目を集めてきました。しかし、その一方で、「NFTには意味がない・オワコンだ」という批判も根強く存在します。
価値がつかないNFTが発行され、ブームが去ったのは事実
実際に、2021年頃には、価値のないNFTが大量に発行されたり、流動性がなく売却が困難なNFTも存在しました。これは、NFT技術の黎明期における混乱と、悪意のある利用者の存在が原因と言えるでしょう。しかし、2024年時点ではNFTブームが過ぎ去り、状況は大きく変化しています。
業界の見解
BeInCryptoが9月に報じたように、NFTプロジェクトの96%がすでにオワコンと化したと見られており、保有者の43%が現在損失を抱えていることが判明しました。平均して、NFT保有者は44.5%の損失に直面しており、NFTの一般的な寿命はわずか1.14年とされています。特に注目すべき点は、2023年にNFTプロジェクトの約3分の1が消滅し、過去最高の失敗率を記録したことです。
OpenSea共同設立者兼CEOのデビン・フィンザー氏は、BeInCryptoへのインタビューでNFTの可能性を強調し、特にゲーミングや物理的裏付けのあるNFTが市場で注目されているといいます。また、OpenSeaは新しいユースケースの拡大に注力しており、コレクターの次の波を取り込むために、あらゆるNFTの拠点となることが重要だと強調しました。
OpenSeaでは、常に新しいユースケースが登場しています。OpenSeaをあらゆるタイプのNFTの拠点とすることは、コレクターの次の波を取り込むために極めて重要です
OpenSea共同設立者兼CEOのデビン・フィンザー氏
同プラットフォームは、ゲームや物理的アイテムを含むNFTに対応し、カスタマイズ可能なコレクションページを提供しています。フィンザー氏は、ゲーム業界がNFT採用を促進し、ゲーマーの摩擦のないオンボーディング体験が重要になると予測しています。
しかしNFTの未来をオワコンとして捉えていない企業もあります。米著名ベンチャーキャピタルのa16zが23年12月に公開した24年の暗号資産市場予想レポートでは、NFTはデジタルブランド資産としての地位を確立し、幅広い企業やコミュニティにおいて一般的な存在になると予見しています。
それでもNFTが価値を持つ理由
- 希少性:NFTは、ブロックチェーン上に記録され、唯一無二の所有権を証明することができる
- ユーティリティ:NFTは、ゲーム内アイテムやチケットなど、様々な用途で利用することが可能
- コミュニティ:NFTプロジェクトには、熱心なコミュニティが存在し、活発な経済圏ができている
日本国内でも、多くの企業がNFTを採用する事例が続々と登場しています。また、NFTはPFPプロジェクト(アイコン型NFT)だけでなく、ふるさと納税やクラウドファンディングなど、さまざまな場面で活用されています。今後はより大きな企業や、政府や公的機関におけるNFT活用の事例も増えてくるはずです。そのため、NFTはオワコンになるのではなく需要がさらに高まっていくと予想されます。NFTは、単なるバブルではなく、社会に価値をもたらす可能性を秘めた技術であるため、これからは、さまざまな分野で活用されていくことでしょう。
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NFTはオワコンではない。2024年のNFTの使い道を紹介
NFTの有効的な使い方、実例を紹介します。
- コミュニティ
- ふるさと納税
- クラウドファンディング
NFTの意味ある使い方①:コミュニティ
NFTは、同じ価値観や興味を持つ人々が集まるコミュニティへの参加権でもあります。日本国内では、コミュニティ形成を重視したNFTプロジェクトが多数存在します。
例えば、CryptoNinjaやLLACなどのPFPプロジェクトは、熱心なコミュニティを形成し、活発な活動を行っています。NFT保有者同士が交流するDiscordサーバーや、オフラインイベントなどが開催されており、プロジェクトの運営に保有者が参加できる仕組みを導入しているケースも多く見られます。NFTを保有することで、以下のようなメリットを得ることができます。
- 交流:同じNFTプロジェクトを持つメンバーとの交流
- 情報共有:プロジェクトに関する最新情報やクローズド情報を得ることができる
- アイデアの実際:NFTのIPを活用して、新たなプロジェクトやイベントを立ち上げることも可能
- 限定特典:NFT保有者限定の特典やサービスを受けられる
NFTの意味ある使い方②:ふるさと納税
NFT ✕ ふるさと納税2023
— miin l NFT情報コレクター⚡ (@NftPinuts) December 27, 2023
今年も残すところあと少し、NFTを活用したふるさと納税返礼品の発表が増えてきました
画像を返礼品として提供するだけではなく、ユーティリティを加えたものも増えてきており進化を感じます
最近発表された注目の返礼品をスレッドで紹介します pic.twitter.com/rskwnUxy0P
近年、ふるさと納税において、革新的な取り組みとして注目を集めているのが「NFT」の活用です。NFTは、単なるデジタル資産ではなく、地域の魅力を新たな形で発信し、支援者との双方向的な交流を生み出す可能性を秘めています。
NFTふるさと納税とは、寄付者にNFTを返礼品として提供するふるさと納税の形です。NFTには、デジタルアート作品や地域限定アイテムなど、様々な種類があります。NFTふるさと納税は、全国各地の自治体で導入されています。以下は、その代表的な事例です。
- 愛媛県今治市:今治タオルをモチーフにしたNFTアートの返礼品
- 大阪府泉佐野市:泉佐野市のゆるキャラ「泉佐野だるま」をモチーフにしたNFTアートの返礼品
- 滋賀県甲賀市:忍者をテーマにしたNFTアートの返礼品
NFTの意味ある使い方③:クラウドファンディング
#CryptoNinja will become an animated TV series!
— 🍺 ikehaya@TVアニメ「クリプトニンジャ咲耶」 (@IHayato) June 3, 2023
We now have the English version of the press release.
I'll go ahead and explain it to international fans in my tweets.https://t.co/FkhmM835fz
NFT型クラウドファンディングとは、クリエイターが自分の作品をNFTとして発行し、ファンから資金を集める新しいクラウドファンディングの形です。ファンは、NFTを購入することでプロジェクトを支援し、その代わりに独自のデジタルコンテンツや特典を得ることができます。
NFT型クラウドファンディングは、国内外の様々なプロジェクトで活用されていますが、以下は、その代表的な事例です。
- CNP:国内最大級のNFTコレクションであるCNPは、NFT型クラウドファンディングを活用してアニメ制作を実施
- LLAC:LLACハウス建築クラウドファンディングの1000万円超の資金調達に成功
NFT型クラウドファンディングは、まだ始まったばかりの取り組みですが、今後さらに広がっていく可能性が高いと考えられます。
関連記事:CryptoNinjaのTVアニメシリーズ、10月放送|NFTとして世界初
NFTの意味ある使い方④:NFTゲーム
第三章「武国」のキービジュアル初公開。
— SYMBIOGENESIS -NFT Art&Game Project- | SQUARE ENIX (@symbiogenesisPR) August 2, 2024
竜殺しの運命が交錯する次なる舞台は「武国」。#SYMBIOGENESIS#SYMBIOCHAPTER3 pic.twitter.com/dquxC7wsHo
NFTゲームは、ブロックチェーン技術を利用してアイテムやキャラクターなどをNFTとして発行し、ゲーム内で使用したり他のユーザーに売買したりできるゲームです。Epic Gamesは23年10月、ImmutableX上に構築されたNFT・ブロックチェーンゲーム(BCG)Illuvium(イルビウム)リリースするなど、注目度が高まっています。
ゲーム内での用途が明確化されていることから、需要が自然と発生し、認知とともに安定した流動性の確保が期待できるでしょう。
NFTを購入する際の注意点
NFTを購入する際の注意点について解説します。
- 用途を明確化する
- 余剰資金で購入
NFTを購入する際の注意点①:用途を明確化する
NFTを購入する際には、まず用途を明確にすることが重要です。例えば、単純なコレクション目的や、将来的な価値上昇を見越した投資としての購入、またはゲームやアート作品の一部としての利用など、さまざまな用途が考えられます。自分がNFTを何に使いたいのかをはっきりさせないまま購入すると、市場の変動に振り回され、結果的に大きな損失を被る可能性があります。
また、NFTはその特性上、資産の流動性が他の金融商品に比べて低いため、すぐに売却したい場合に買い手が見つからないリスクもあります。購入前には、そのNFTのユースケースや市場での価値の推移をしっかりとリサーチし、冷静な判断を下すことが求められます。
NFTを購入する際の注意点②:余剰資金で購入
NFTは、価格変動が非常に激しい資産です。2021年頃には、価値のないNFTが大量に発行されたり、流動性がなく売却が困難なNFTも存在しました。
近年は状況が改善していますが、依然としてリスクが高いことに変わりありません。株式やビットコインと比較しても、さらにリスクが高い投資アセットのため、実際に投資する際には注意が必要になります。実際に投資をする際は、直近の生活では使わない余剰資金でのみ投資するのがオススメです。
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まとめ:NFTはオワコンではなく、今後使い道が増えていく
本記事では、「NFTはオワコンなのか」について解説しました。NFTは、デジタル資産の所有権を証明する技術で、従来のデジタル資産とは異なり、唯一無二の証明をできるのが特徴。
過去には実態のないNFTが発行されたり、流動性がなく売却が困難なNFTも存在しました。しかし、2024年現在状況は大きく変化しており、本当に価値のあるNFTのみが残存し、コアなコミュニティ形成が行われています。しかし依然としてNFTは、ほかの投資アセットと比べても価格変動が非常に激しい資産であるため、実際に投資をする際は用途を明確化して使用することがオススメです。NFTは、まだ発展途上にありますが、今後さらに使い道が増えていく可能性が高いと考えられます。ぜひ本記事を参考に、NFTの有効的な使い方を探してみてください。
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