ブロックチェーンゲーム: メタバースの扉を開く鍵

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「メタバース」というと、最近では批判的な声もあるようですが、決してその存在理由が失われているわけではありません。むしろ、メタバースは今、大きな活路を見い出しています。その鍵はゲーム業界にあります。この記事では、プレイ・トゥ・アーン(遊んで稼ぐ)のメタバースゲームが、空想を現実に変え、画期的なユーザーエクスペリエンスもたらすキーワードを詳しく説明します。

メタバースとブロックチェーンゲームの相性は抜群!

2021年後半にFacebookの社名がMetaに変わったとき、2022年はメタバースにとって未来への道を切り開く年になるとの見方が大勢を占めました。しかしその後、メタバースのブームも次第に落ち着き、メタバース内でエッフェル塔の傍らでたたずむマーク・ザッカーバーグ氏を描いたMetaの画像が注目されました。当時はメタバースに対して懐疑的な視線が多く、一般に普及するという状況ではありませんでした。

それでも、メタバースは、2022年にテクノロジー産業全般が不況に見舞われたなか、一般に広く知れ渡り、メタバースという言葉自体もオックスフォード英語辞典の「Word of The Year」の候補に上りました。 こうした経緯を見ると、メタバースはどんな形にせよ存在感を示していると言えます。

メタバースはインターネットの歴史の中に埋没してしまうだろうという批評家もいます。しかし、Forbesは、2023年注目トレンドのトップ10に入る活躍を予想しています。あるデータによると、メタバース・エンターテインメントが私たちの社会習慣を変え、日常生活に新風を吹き込むと回答したユーザーが69%もいたそうです。

ブロックチェーンゲームは、以下のことと結びつき、新世代のメタバースユーザーに向けた極めて重要な役割を担うとみられています:

  1. ゲーム内の資産所有を通じて、プレイヤーファーストのエコシステムを育む
  2. ゲーマーのアーリーアダプター指向
  3. 画期的なユーザーエクスペリエンス

ゲーム内資産の所有権を通じてプレイヤーファーストのエコシステムを育成

NFTをゲームの経済システムに導入することで、デジタル資産の所有権に画期的な新システムが生まれています。従来型のゲームでは、所有権はユーザーではなく、ゲーム会社が管理しています。プレイヤーがゲーム内でアイテムを購入しても、ゲーム終了と同時にそのアイテムは使えなくなります。さらに厄介なのは、ゲーム内で魅力的なオブジェクトを購入するには、ゲームの仮想通貨ではなく、実際の通貨(法定通貨)で支払わなければならないことです。つまり、プレイヤーがゲームをクリアしたり、その新しいバージョンがリリースされたりすると、プレイヤーがお金を費やしたアイテムは実質的に価値を失います。

これに対しNFTは、相互運用性があるので、プレイヤーは特定のゲームに縛られずに、あるゲームから別のゲームへアイテムを移動できます。これは、従来のゲーム内資産の所有権のあり方を根本から変えるものです。ユーザーは、プレイするゲームの一部のアイテムなどを所有し、それを様々なプラットフォームに移転できるので、ゲーム内資産がゲーム終了とともに無くなることはありません。これにより、開発者にはNFT実装のアプローチ方法に関する興味深いオプションが与えられ、それが結果的に、どのゲームでも使用される期間を超えて成長することができる資産を提供することにつながります。つまり、複数のゲームにまたがるデジタルIDを展開できるのです。ゲーマーは、こうした柔軟な仕組みを生かし、各ゲームコミュニティへの投資が容易になります。

もっとも、NFTを用いた資産所有に課題がないとは言い切れません。しかし、前例のないほど多くの素晴らしいユースケースを生み出すことに比べれば、気にするほどのことではありません。

NFTによるゲーム内資産のブランド化

ゲーム内の所有権は、NFTのブランド化によって、マーケティングや販売活動に生かすことができます。企業は、ブランド化されたゲーム内資産の提供や、マーケティングキャンペーン用の仮想土地の購入、さらに物理的な製品のデジタルツイン(現実世界の情報をもとに、仮想世界に「双子」を構築し、さまざまなシミュレーションを行う技術)を作って、ゲーム内と実世界双方での資産所有ができるようになります。

このような例は、Nikeの「.Swoosh」、Adidasの「Bored Ape Yacht Club」とのコラボレーションによるカプセルコレクション、Pixel Vault、GMoneyなどですでに実現しています。このように、ゲーマーがゲーム内で個性を表現できる革新的な方法を提供するとともに、ブランド化はブランドロイヤリティの育成にもつながります。

ゲーム内資産の二次販売、ロイヤリティ

ゲーム内資産は、NFT所有権付きトークンとして、NFTマーケットプレイスで二次販売できます。ゲーム作者に自動的にロイヤリティが発生し、ゲームの資産価値も需要とともに上昇します。もしも誰かがゲームをやめることを決めた場合、ゲーム内資産の在庫を売ることで、投入した時間と労力の一部を回収することができます。

ゲーム内資産に与えられるNFT所有権はユーザーには様々なメリットとなるため、ゲーマーがブロックチェーン・ゲームに乗り換える機運が高まっています。その結果何が起きているでしょうか?すでにメタバースの入り口には、2,200億ドル規模の産業が列をなしているのです。

ゲーマーのアーリーアダプター指向

メタバースは当初から、普及面で問題を抱えていました。ただ、ゲーマーは、非ゲーマーに比べて新技術に敏感に反応するため、大きな問題とはならないかもしれません。アーリーアダプターであれば、新技術にすぐ飛びつく傾向があるからなおさらです。

オンボーディングの主な指標は、すでに上記のアーリーアダプター指向を裏付けています。DappRadar(DAppsの情報サイト)は、2022年第3四半期にブロックチェーンゲームで912,000の「Unique Active Wallets(UAW)」の登録を見つけました。ゲーム内NFTは、同期間にNFT取引全体の22%を占める22億米ドルの売上を上げています。

業界全体が波乱に満ちた2022年において、ブロックチェーンゲームは、ブロックチェーンのエコシステムの中で期待が持てる数少ない成長産業となりました。

世界のブロックチェーンゲーム市場は、2022年に46億米ドル相当と算定されましたが、2027年までには657億米ドルに伸びる予測も出ています。ブロックチェーンゲーム業界は、世界のゲーム市場を巻き込んで拡大する可能性があるのです。

画期的なユーザーエクスペリエンスを秘めるメタバースゲーム

仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、人工知能(AI)の発展は、世界中で話題となっています。ChatGPTMidJourneyのような生成型AIアプリケーションの創造力は、インターネット業界を席巻しています。こうした進歩のなかで、ゲーム内資産所有権のメリットもあって、ブロックチェーンゲームは、従来のゲームにはないユーザーエクスペリエンスをもたらすとみられます。

AI発展で最も魅力的なものは、ノンプレイヤブル・キャラクター(NPC)の能力向上です。AI技術の進歩、非決定的AI(non-deterministic AI)、パターン学習や強化学習などの技術により、ゲーム内の「敵」は、自分自身やプレイヤーの行動からも、知的に学習できるようになってきています。その結果、定型の予測可能なゲームではなく、よりリアルなゲーム制作ができるようになりました。

さらに、VRやAR技術は、ゲーム内資産所有とそれに伴うプレイヤーの個性表現が重なり、ブロックチェーンゲームをますます魅力あるものに変えています。こうした特徴は、従来のスクリーン画面のゲームから移ったときにはっきりと見られます。

ゲーマーは、様々なプラットフォームでアイテムを所有、使用でき、それを没入感のあるリアルな環境でエクスペリエンスが得られます。それは従来のゲームにはなかった最新のエクスペリエンスです。この差は、業界が発展するにつれてさらに広がり、従来のゲームコミュニティがメタバースでのゲーム構築とプレイに魅了されることになるでしょう。

ブロックチェーンゲーム:メタバースを空想から現実へ

メタバースを空想から現実のものに変えるには、ユーザーの流れを一貫してつかむことが鍵となります。従来のゲーム市場は、景気後退を尻目に年間6.52%の成長率を示し、2027年までに2,850億米ドルの市場規模になると予測されています。成長指標に裏打ちされたビジネスケースにより、多くの企業がすでにゲーム業界を活用してビジネス目標を打ち出す戦略を立て始めています。例えば、2022年4月、米国のティファニー(Tiffany & Co.)は「League of Legends Esports(スポーツエンターテインメントのプラットフォーム)」と複数年のグローバルパートナーシップを締結しました。

さらにゲーマーも、自分たちの仲間や業界内のブロックチェーンゲームによってメタバースを一般仕様に仕立て、その利用を拡大していく力となるでしょう。

よくある質問

メタバースとは?

ブロックチェーンゲームとは?

ゲーム内資産とは何ですか?

ゲームにおけるAI活用法とは?

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Takashi Higashi
国際広報、海外の先端技術調査、海外企業との提携等をこれまで行ってきました。ここ数年、暗号資産に関心を持ってウオッチしています。
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