暗号通貨取引におけるRSIの使い方と計算式

多くの暗号通貨トレーダーは、価格動向を判断し、買いと売りのシグナルを特定するためにRSI（相対力指数）を使用します。暗号通貨の取引を始めて、市場の価格動向を見極める方法を学びたい場合、RSIがテクニカル分析においてどのような役割を果たしているかを理解するべきと言えます。

そこで本記事では、暗号通貨取引でRSIを使用する方法について解説します。RSIの計算式について詳しく知りたい人は、ぜひ最後までご覧ください。

RSIとは？

RSI（相対力指数 / Relative Strength Indicator）は、暗号通貨取引において重要指標で、価格の変動の速さや市場の動きを測定する指標です。この指標は、暗号資産が過剰に取引されているか、過剰に取引されているかどうかを示しています。

RSI指標は、1978年にJ.WellesWilderJr.によって導入されました。

トレーダーは、RSIを使って将来の暗号通貨価格を予測します。この指標は時には誤解を招くこともありますが、その仕組みを理解しているトレーダーは、将来の価格変動についてかなり正確な予測を得ることができます。RSIは、テクニカル分析を行う上で重要な指標です。

トレーダーは、RSIを信頼して市場シグナルを特定し、市場が強気か弱気かを判断します。RSIは、2つの極端の間を上下する線グラフで、0から100までの範囲で表されます。

一般的に、RSIが30%未満の場合、市場は過剰に取引されているとされており、RSIが70%以上の場合、市場は過剰に取引されているとされています。

暗号通貨でのRSIの計算式

RSIは、価格変動の平均上昇率と平均下降率を比較する指標で、デフォルトの14期間の時間フレームで計算されます。この時間フレームは、取引戦略に合わせて望みの時間単位（週、日、時間、分）で調整できます。

RSI指標の計算式は次のとおりです。

• RSI=100−[100/(1+RS)]
• RS=平均上昇/平均下落
• 平均上昇=期間/期間フレームごとの利益の合計

平均下落=期間/期間フレームごとの損失の合計

ただし、トレーダーはRSIの計算式を心配する必要はありません。多くの取引プラットフォームは、RSIの値を提供しており、市場チャートにRSIの折れ線グラフを表示している場合が多いです。

RSIを読み取る方法

通常、RSI指標には3つのラインがあります。上部に点線が1本、下部に点線が1本あります。中央には波線があり、他の2つのラインを越えることがあるが、通常は2つのラインの間を振動します。

波線はRSI指標で、その値は、取引が買われすぎているか、売られすぎているかを示します。RSI指標が30以下になると、資産は売られすぎで、70以上の値を超えると、資産は買われすぎと判断されます。

相対強度指数は、市場状況を判断し、価格トレンドを認識するのに役立ちます。RSIが50のラインを越えると、トレンドが発生します。RSIが50を超えると、ポジティブなトレンドが示され、価格が上昇していることを意味し、指標が50を下回ると、価格が下落していることを示します。

RSIによって提供される情報にもかかわらず、トレーダーは他の指標を使用して買いシグナルと売りシグナルを生成し、使用されるトレードシグナルができるだけ正確であることを確認する必要があります。

RSI対MACD

MACD（Moving Average Convergence Divergence）は、もう1つの主要な指標で、資産の価格変動の強さを測定します。

MACDは、2つの指数移動平均（EMA）の間の乖離を測定します。通常、12期EMAと26期EMAが用いられ、MACDラインはその差分になります。さらに、9期EMAのラインがシグナルラインとしてMACDラインの上に表示されます。多くのトレーダーは、このシグナルラインを使って短期的な買いと売りのシグナルを探すことになります。

MACDラインがシグナルラインを上回ると買いシグナル、逆なら売りシグナルと解釈される場合が多いです。

RSIは最近の価格変動の勢いを表し、MACDは2つのEMAの間の関係性を示します。多くのトレーダーは、この2つの指標を組み合わせて、将来の価格変動を予測し、トレードシグナルを見つけようとします。

RSIとMACDは両方ともモメンタム指標ですが、異なる要素を測定するため、矛盾するシグナルを引き起こすことがあります。RSIが長期間70以上の値を示す場合、市場が買われすぎであることを示す場合があり、これにより、価格の修正が発生する可能性があります。しかし、同時に、MACD指標は価格がさらに高くなる可能性があることを示唆することができます。

トレーダーが両方の指標を一緒に使用する理由は、補完し合う関係にあるためです。MACDは指数移動平均を使用し、RSIは最近の最高値と最安値のグラフを示します。MACDはトレンド市場の特定が容易で、RSIは過買・過売状態を示すことでトレンド反転を明らかにしています。

RSIダイバージェンスとは？

RSIダイバージェンスとは、暗号資産の価格が新しい高値または安値に到達しても、RSIがそれに応じた値に到達しないときに発生する現象です。つまり、価格チャートにRSIが逆行して動いているということです。RSIダイバージェンスには、以下の2種類があります。

• 弱気ダイバージェンス：RSIが新しい高値を確定せず、勢いが弱まっていることを示す
• 強気ダイバージェンス：資産の価格が新しい安値に達しても、RSIがそれを確定しない場合があり、トレーダーはこれを買いシグナルと解釈する

価格の動きとRSIオシレーターのダイバージェンスは、トレンドの反転を示唆する可能性があります。

価格とRSIの収束と発散

RSIインジケーターから得られる二つの重要な取引シグナルは、収束と発散のトレンドです。トレーダーはこれらのシグナルを使って価格トレンドを見極め、市場のトレンドが変わる時期を予測します。

収束現象は、価格とテクニカル指標が同じ方向に動くときに起こります。収束構造を特定するには、同じ方向に動く移動平均線またはRSIが必要な価格グラフが必要です。

発散現象はまったく逆で、価格グラフとテクニカル指標が逆方向に動くときに発生します。

相対力指数の場合、RSIの発散は価格が上昇し、高値を更新する一方で、RSIが下落し、低い高値を形成するときに起こります。

このパターンは、強気市場の頂点で頻繁に現れ、強い反転を示します。同時に、RSIダイバージェンスが発生すると、価格は方向を変えて下落します。

トレーダーは、これらのトレンドを示す可能性のある価格レベルに注意する必要があります。

• 高い高値（HH）
• 高い安値（HL）
• 低い高値（LH）
• 低い安値（LL）

RSI発散パターンは、上昇傾向が方向を変える前に、またはサポートラインを破る前に、いくつかの為替で見られることが一般的です。RSI発散は、価格サポートが破られる可能性が高いことを示すリーディングインジケータであり、上昇トレンドが反転する可能性が高いシグナルでもあります。

トレーダーは、資産価格が上昇しつつRSIオシレーターが下降した場合、弱気乖離の可能性を認識することができます。逆に、価格が下落しつつRSIが上昇した場合、強気乖離の可能性があります。

失敗のスイング

失敗スイングは、トレンドの逆転を示す信号であり、指数オシレーターが上昇トレンドの高点や下降トレンドの低点を追わないときに発生します。失敗スイングには、以下の2つの種類があります。

• 失敗スイングトップ：価格が高点に達したときに、RSI指標が最近のスイング低点を下回ることで発生します。これは売りのシグナルになります
  
• 失敗スイングボトム：価格が低点に達したときに、RSI指標が最近のスイング高点を超えることで発生します。これは買いのシグナルです。

RSIの読み方

RSI（相対力指数）の値は0から100までの範囲で、RSIが約50の場合、市場はバランスが取れています。値が30を下回ると、市場は過剰売られていると考えられ、70を超えると過熱していると見なされます。

トレーダーは、買い圧力が限界に達したかどうかを判断するためにこれらの指標を探しており、例えば、RSIが75であり、資産価格が過去数週間で大幅に上昇している場合、投資家は価格の引き戻しを予想するべきです。

悪いRSIとは何か

トレーダーはRSIを他の指標と組み合わせて市場のトレンドとシグナルを正しく特定します。通常、トレーダーはRSI周りに自身のシステムを構築します。

しかし、一般的に、RSIが40を下回った時の売却は避けるべきで、それはパニック売りと見なされます。RSIが70を超えると、強気相場のピークであると考えられ、FOMOが発生するため、トレーダーは購入を控えるべきといえるでしょう。

暗号通貨取引におけるRSIの使い方

トレーダーは、しばしばRSIを取引戦略の一部として使用します。取引ポジションを開くには、指標がトレンド変化を示す必要があります。トレーダーは、暗号通貨資産の取引にすでに持っている口座の種類に応じて、ロングまたはショートを行うためにそれを使用できます。

今日では、中央集権型取引所は、ユーザーに暗号通貨の価格変動を推測するオプションを提供している場合が一般的です。また、トレーダーは、暗号通貨資産は非常にボラティリティの高い資産であり、テクニカル指標でさえ誤ったトレンドを示す可能性があることを認識しておく必要があるといえるでしょう。

暗号通貨取引でRSIを使用するには、まず指標を有効にする必要があります。ほとんどのプラットフォームでは、すべての価格チャートにRSIを提供しており、テクニカル指標のリストで「RSI」と検索するだけでリサーチができます。

価格トレンドを探す

RSI指標が50を超えている場合は、上昇トレンドを確認してロング取引の機会を探すために、上昇価格の動きを待つ必要があります。ただし、RSIが50未満の場合は、弱いトレンドを確認して、ショートポジションを開く機会を探す必要があります。

下向きまたは上向きのトレンドで、RSIラインがサポートまたはレジスタンスエリアとして機能しているのをよく見かけます。一度回復すると、勢いが変化したことを示します。再び勢いを増すことができます。または、突然勢いを失う可能性があります。

BTC/USDTチャートのRSI14は次のとおりです。

ダイバージェンスを特定する

RSIと暗号資産の価格ラインを組み合わせて使用すると、将来の価格変動を特定するのに役立ちます。これは、市場の状況を特定するのに強力な指標ですが、初心者暗号通貨トレーダーにとっては誤解を招く可能性があるため、注意して使用する必要があります。

RSIを使い市場相場を捉える

RSIは、資産の終値に基づく信頼性の高い指標です。株式市場のトレーダーが長い間使用しており、最近では暗号通貨取引にも使用されています。

RSI指標には、さまざまな解釈があるため、RSIチャートの読み方と、移動平均収束・発散（MACD）指標などの他の指標と組み合わせて解釈する方法を練習する時間を取るようにしましょう。

RSI指標は、トレーダーが弱気相場や強気相場のトレンドを見つけるのにも役立ち、適切な買いシグナルと売りシグナルを見つけるための特定の戦略にも利用できます。ほとんどのトレーダーは短期取引を探していますが、RSI指標は長期的な取引戦略に使用すると、より信頼性の高いシグナルを提供してくれる重要な指標となります。

また、トレーダーは、RSI指標の収束と発散にも注意する必要があります。強気または弱気の発散を見つけるのは難しい場合がありますが、それらを認識するために時間を投資する価値は、十分にあるといえるでしょう。

よくある質問