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柴犬コインの未来を決める「Doggy DAO」の役割と参加方法

26 mins

ヘッドライン

  • 柴犬コイン(SHIB)は、ミームコインから包括的なエコシステムへと進化し、分散型コミュニティによる運営を目指しています
  • Doggy DAOは、BONEをステーキングして得られる$tBONEを用いた投票システムを導入し、プロジェクトの意思決定を分散化する仕組みを提供しています
  • 2025年には、DAOの決定を法的に執行する「Shib Doggy DAO Foundation」が設立され、ガバナンスの強化が進められる予定です

柴犬コイン(SHIB)は、分散型コミュニティによる運営を目指し、ミームコインから包括的なエコシステムへと進化してきました。その中心的な要素となるのがDoggy DAOであり、これにより柴犬コインのガバナンスは開発チームからコミュニティへと移行しつつあります。Doggy DAOは、BONEをステーキングして得られる$tBONEを活用した投票システムを導入し、プロジェクトの意思決定を行う仕組みを提供します。さらに2025年には「Shib Doggy DAO Foundation」が設立され、DAOの決定を法的に執行する体制が整う予定です。

本稿では、Doggy DAOの仕組みや役割、参加方法、メリットとリスク、そして今後の展望について詳しく解説し、柴犬コインの未来を支える分散型ガバナンスの重要性を考察します。

柴犬コイン(SHIB)とは?

柴犬コインは、2020年7月に「Ryoshi」と名乗る開発者によって誕生したERC-20規格のミームコイン。イーサリアムブロックチェーンを基盤とし、「分散型コミュニティ構築の実験」としてスタートしました。

柴犬コインは、コミュニティ主導で開発が進められ、分散型取引所(DEX)「ShibaSwap」、NFTマーケットプレイス、メタバース、レイヤー2ブロックチェーン「Shibarium」など、多岐にわたるプロジェクトを展開しています。

2021年には、イーロン・マスク氏の発言を契機に急騰し、一時は価格が50万倍以上に上昇。時価総額ランキングでトップ10入りし、大きな注目を集めました。また、イーサリアム共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏がSHIBの供給量の半分をバーンしたことで、市場に大きな影響を与えました。

これらの要因により、柴犬コインは単なるミームコインを超え、暗号資産市場で独自の地位を確立しています。

Doggy DAOの役割

Doggy DAOは、柴犬コインのエコシステムにおけるコミュニティ主導の意思決定システムです。

柴犬コインはミームコインとして誕生しましたが、現在では分散型取引所ShibaSwapや、SHIB・LEASH・BONE・TREATなど複数のトークンを持つ包括的なエコシステムへと進化しました。

Doggy DAOの導入により、このエコシステムの運営方針をコミュニティ自身が決定する仕組みが整いました。

Doggy DAOは、分散型自律組織(DAO)の形態を取り、ブロックチェーン上の投票システムを活用することで、中央管理者なしに意思決定を行うことができます。

関連記事:柴犬コイン関連銘柄「BONE・TREAT・LEASH」とは?

Doggy DAOの誕生と導入の背景

開発チームは、Doggy DAOを段階的にリリースする計画を立てました。その第一段階として、2021年12月31日にDAO 1(ベータ版)が公開されました。同段階では、ShibaSwapの運営における意思決定権の一部が開発者からコミュニティへ移管されました。

従来、柴犬コインのエコシステムに関する重要な判断は開発チームが行っていましたが、Doggy DAOの導入によって、コミュニティメンバーが投票を通じてプロジェクトの方向性を決定することが可能になりました。柴犬コイン公式Discordのモデレーターであるクイーニー氏も、以下のように述べています

チーム内の権限やコントロールを抑え、より分散化することが狙いだ

これにより、柴犬プロジェクトは開発チームの影響を受けにくくなり、完全な分散型ガバナンスを目指すことが可能になりました。

Doggy DAOの目的と意義

Doggy DAOの最大の目的は、プロジェクトの運営権限をコミュニティに移行し、開発チームの影響を最小限に抑えることです。

そのため、Doggy DAOでは以下のような事項をコミュニティの投票によって決定する仕組みが導入されました。

  • ShibaSwapの流動性プール(WOOFプール)の管理
  • 新規トークンの上場
  • 報酬(BONE)の配分比率の決定

Doggy DAOの導入によって、プロジェクトの意思決定が透明かつ民主的に行われるようになり、特定の開発者や運営者に依存しないプロジェクト運営が可能になりました。

また、Doggy DAOは外部プロジェクトにも影響を与えています。ShibaSwapに上場したいプロジェクトは、コミュニティの投票によって決まるため、より多くの支持を得るために積極的に働きかける必要があります。

これにより、ShibaSwapの流動性向上と取引高の増加が期待されています。

関連記事:柴犬コインの価格分析ツールを初心者でも使いこなす活用法

DAO 1とDAO 2の詳細(投票システム・仕組み)

Doggy DAOは段階的に導入されており、現在はDAO 1(第一段階)が実装されています。今後、より包括的な機能を持つDAO 2(第二段階)への移行が計画されています。

それぞれの段階で機能や目的が異なり、コミュニティガバナンスの範囲と複雑さが徐々に拡大される予定です。

以下に、DAO 1とDAO 2の特徴を比較します。

フェーズ概要・仕組み
DAO1(β版)– ShibaSwapのWOOFプールに追加する仮想通貨ペアを、コミュニティ投票で決定する。
– 各プールに割り当てるBONE報酬(AP=アロケーションポイント)の配分比率も投票で決定する。
– 投票には、BONEをステーキングして得られる$tBONEを使用する。
– 投票サイクルは2週間ごとに実施され、上位30組までのペアが採掘(WOOF)プールとして有効化される。
DAO2(将来実装)– ShibaSwapに限らず、柴犬コインエコシステム全般の運営方針をコミュニティが提案・投票できるようになる。
– BONEの活用範囲がさらに広がり、ガバナンスの要素が強化される。
– 投票システムの悪用を防ぐため、「ガーディアン」と呼ばれる6-of-9のマルチシグ署名者チームが最終確認を行う。
– 可決された提案はマルチシグウォレットによって実行・管理される。

DAO 1は主にShibaSwapの運営に関する意思決定を扱っていますが、DAO 2では柴犬コイン全体の方向性を決定することができるようになります。

また、DAO 2では、新たな機能としてShibariumとの統合が計画されており、エコシステム全体のガバナンスの強化が期待されています。

Doggy DAOへの参加方法

Doggy DAOは、柴犬コインのコミュニティメンバーであれば誰でも参加することができます。以下に、参加の手順を詳しく説明します。

1. ウォレットの準備とBONEの購入

Doggy DAOに参加するためには、Ethereum対応の暗号資産ウォレット(MetaMaskやTrust Walletなど)が必要です。ウォレットを作成し、BONEトークンを取得します。

BONEは、主要な暗号資産取引所やShibaSwapのスワップ機能を利用して購入することができます。

2. BONEのステーキング(Bury)と$tBONEの取得

ShibaSwapにアクセスし、BONEを「Bury(埋める)」ことで$tBONE(ステーキングBONE)を取得します。この$tBONEは、Doggy DAOの投票で使用するトークンです。

例えば、1 BONEをステーキングすると、1 $tBONE(タイムロック後に等価量)が得られます。一部の報酬は即時に受け取れますが、残りは6ヶ月のロック後に受け取り可能となります。

3. Doggy DAOの投票ページにアクセス

柴犬コインの「Doggy DAO」または「投票」セクションへ移動し、投票ページ(Snapshot)にアクセスします。ウォレットを接続すると、自分の保有する$tBONE残高に応じた投票権が自動的に認識されます。

4. 提案内容の確認と投票

進行中の投票提案を確認し、支持する選択肢に投票を行います。各提案には投票の締切日時、提案内容、選択肢が表示されます。投票はガス代(取引手数料)が不要で、複数の選択肢に分割して$tBONEを投じることも可能です。

5. 投票結果の確認と実行

投票締切後、Snapshot上で結果が公開されます。可決された提案は柴犬コインの運営に反映され、BONE報酬の配分や新たな流動性プールの設定などに影響を与えます。

関連記事:ShibaSwapを使って柴犬コインのパッシブインカムを得る方法

Doggy DAO参加のメリットとリスク

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Doggy DAOに参加することのメリットとリスクについて整理します。コミュニティガバナンスは魅力的な反面、知っておくべき課題も存在します。

メリット:

  • コミュニティ主導の民主性: 開発チームではなくコミュニティ自身が意思決定権を持つため、プロジェクトが真にユーザーのための方向へ進みます。多数の保有者が投票に関与することで「自分たちの柴犬コイン」という意識が高まり、長期的な支持基盤が強化されます。
  • 透明性の向上: 投票結果や提案内容は誰でも確認できるため、不透明な決定や裏取引の懸念が減ります。特に資金の扱いにおいてはマルチシグによる管理が導入され、コミュニティの信任のもとで資金運用が行われます。これによりプロジェクト運営の透明性・信頼性が飛躍的に高まりました。
  • エコシステムの活性化: Doggy DAOは外部プロジェクトにも柴犬エコシステムへの参加動機を与えます。例えばShibaSwap上場を希望するプロジェクトはShibArmyからの票を得るため積極的に働きかけるでしょう。その結果、柴犬エコシステムへの協力者が増え、取引高や流動性が向上する好循環が生まれます。またBONEトークンにも実需が生まれるため、エコシステム全体の価値向上につながります。
  • 分散化によるレジリエンス: 権限が分散することで、特定の人物や団体に依存しない強固な体制が構築されます。万一開発チームに変化(引退や方針転換など)があっても、コミュニティ主導でプロジェクトを継続できる柔軟性を備えられる点もメリットです。
  • 学習機会と参加報酬: DAO参加を通じて、投資家はDeFiやガバナンスの知識を深めることができます。また、投票自体に直接金銭的報酬はありませんが、プロジェクトの方向性を左右できること自体が大きなインセンティブです。間接的には、良い決定が下されればエコシステム価値向上(=保有トークン価値上昇)という利益にもつながり得ます。

リスク・注意点:

  • クジラによる影響: 一部の大口保有者(クジラ)が大量のBONEを保有している場合、その投票権行使によって結果を左右できてしまう可能性があります。Doggy DAOではガーディアン(6/9マルチシグ)によるチェック体制で不正介入を防ぐ措置を取っていますが、完全に排除できるわけではありません。コミュニティとしても鯨による過度な影響力には注視が必要です。
  • 投票率・関心の偏り: DAOは参加者の意思に基づくため、投票率が低かったり特定の層(例:技術に詳しいユーザー)だけが熱心に参加したりすると、決定がコミュニティ全体の総意を反映しない恐れがあります。一般保有者が無関心だった場合に少数のアクティブ層の意見が通りすぎてしまうことが課題となりえます。そのため、多くの保有者が継続的に関与するよう促すコミュニティ運営が重要です。
  • 提案内容の質: コミュニティから上がる提案すべてが有益とは限りません。中には実現性の低いものや、特定の利益団体に偏ったものが出てくる可能性もあります。DAO2でコミュニティ提案が増えれば、玉石混淆の提案を取捨選択する必要が出てきます。慎重に議論し判断しないと、誤った方向の決定を下すリスクもゼロではありません(この点を補うために理事会制度等で提案を洗練させる方向が検討されています)。
  • 技術的ハードル: 初心者にとってはウォレット接続やステーキング、Snapshotでの署名投票といった一連の操作が難しく感じられるかもしれません。操作ミスやフィッシング詐欺(偽の投票サイトに誘導される等)に注意が必要です。特に公式情報をよく確認し、安全な手順で参加することが求められます。幸いDoggy DAOの投票自体はガス代不要で気軽に行えますが、その簡便さゆえに偽サイトも現れやすいため警戒が必要です。
  • 決定の遅延: 分散型ガバナンスでは多数の合意形成が必要なため、意思決定に時間がかかる場合があります。緊急対応が求められる局面では、中央集権的なリーダーシップに比べてスピード面で劣る可能性があります。もっとも柴犬プロジェクトでは、緊急時には開発チームが即応しつつ後でDAO承認を得るなどのハイブリッド対応も想定されていますが、基本的にはコミュニティの合意を待つ場面が多くなる点は留意すべきです。

関連記事:“柴犬コインで億り人”はもう遅い?|2025年は買い時なのか

Doggy DAOのアップデートと将来の展望

柴犬シバリウム

Doggy DAOは導入以来、継続的に進化を遂げています。特に、2023年以降のアップデートでは、ガバナンスの透明性向上や新しいトークンの導入が行われました。ここでは、最新のアップデートと将来の展望について説明します。

2022年6月: 初のDAO全体投票の実施

Doggy DAOにおける初のDAO全体投票が、BONEの供給上限に関するものでした。ShibaSwapの流動性マイニングで発行されるBONEトークンの供給を、将来のShibarium利用分を確保するために早期停止するかどうかが問われました。

この投票では、97.88%の賛成多数により「BONEの発行を2億3,000万枚で停止し、上限2億5,000万枚を維持する」案が可決されました。これにより、残り2,000万枚のBONEはShibariumのバリデータ報酬として確保されることになりました。

2023年8月: Shibariumメインネット公開とDAOの新構想発表

2023年8月に、柴犬コインエコシステム専用のレイヤー2ブロックチェーン「Shibarium」が正式に公開されました。これに伴い、Doggy DAOのガバナンスシステムの拡張が発表されました。

この新構想では、柴犬コインの主要トークンであるSHIB・BONE・LEASH・TREATそれぞれが、異なる役割を持つガバナンスモデルに統合されることになりました。また、Doggy DAOの決定を実行するための財団「Shib Doggy DAO財団」の設立が計画され、DAOの決定事項の執行とプロジェクト資産の管理を担うとされています。

2024年9月: パートナー企業の資金管理を巡る投票の実施

柴犬コインと提携する飲食業者Welly’sから寄付された37.5 ETHの資金使途について、コミュニティ投票が実施されました。投票の選択肢としては、「新規マルチシグウォレットで管理してDAOの指示に従う」「全額SHIBをバーンする」などがありましたが、最終的に「新規マルチシグウォレットで管理する案」が可決されました。

この決定を受け、開発チームは5名の署名者(Deployer、シャイトシ・クサマ氏、LC氏、ルーシー氏、Someone Smart氏)による3/5のマルチシグウォレットを作成し、資金の透明な管理が実現しました。

2025年1月: 新ガバナンストークン「TREAT」の導入

柴犬コインエコシステムの成長を加速させるため、新たなトークン「TREAT(トリート)」が2025年1月にリリースされました。このトークンは、ガバナンス投票や流動性提供の報酬として利用されることが決まっています。

TREATの導入により、従来のBONEに依存していたDoggy DAOの投票システムが強化され、より分散的なガバナンスが可能になると期待されています。

関連記事:柴犬コイン、TREATトークン発行=エコシステムのガバナンスと報酬

2025年〜:Shib Doggy DAO Foundationの導入

Shiba Inuエコシステムは、2025年にShib Doggy DAO Foundationを導入し、完全な分散型ガバナンス体制へ移行する予定です。

DAO(分散型自律組織)では、SHIB、BONE、LEASH、TREATの保有者がコミュニティの意思決定を担い、プロジェクトや技術開発に関する投票を行います。これにより、外部の影響を排除し、SHIBエコシステムの方向性を長期的なビジョンに基づいて決定する仕組みが確立されます。

Shib Doggy DAO Foundationは、法的枠組みを提供し、DAOの決定を適切に実行する役割を担います。Doggy Treasuryの管理を通じて資産の適正運用を保証し、透明性とセキュリティを強化します。

ガバナンスは以下の4つの領域に分かれます。

  • SHIB:コミュニティ全体の運営
  • BONE:技術基盤の維持
  • LEASH:保護と限定アクセスの提供
  • TREAT:コミュニティプロジェクトの資金調達

同システムの完全運用には時間を要しますが、確立されればSHIBエコシステムは自律的かつ持続可能な運営が可能となります。今後の意思決定は、実際のトークン保有者によって行われ、外部の短期的な市場ノイズに左右されない体制が築かれる予定です。

まとめ:Doggy DAOに参加して柴犬コインの未来を決めよう

柴犬コインは、分散型エコシステムの確立を目指し、Doggy DAOを導入しました。現在のDAO 1ではShibaSwapの流動性管理を、将来的なDAO 2ではエコシステム全体の運営方針をコミュニティ投票で決定できるようになります。投票にはBONEをステーキングして得られる$tBONEを使用し、透明性と分散化を強化。一方で、クジラの影響や投票率の偏りといった課題も存在します。2025年にはShib Doggy DAO Foundationが導入され、DAOの決定を法的に執行する体制が整います。Doggy DAOは、柴犬コインの未来を支える重要な仕組みとなるでしょう。

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国際関係の大学在籍中に国内ブロックチェーンメディアでのインターンを経て、2つの海外暗号資産取引所にてインターントレーニング生として従事。現在は、ジャーナリストとしてテクニカル、ファンダメンタル分析を問わずに日本暗号資産市場を中心に分析を行う。暗号資産取引は2021年より行っており、経済・社会情勢にも興味を持つ。
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